日本史の「付録」13 その前と後の75年づつ

本年は「終戦75年」という節目の年に当たりますが、それにふさわしい
式典を迎えることができませんでした。
もちろん、その原因は「新型コロナウイルス感染症」が拡散し続けていること
です。

さて、その「戦後75年」によく似たイメージの言葉を、つい最近も耳にした
ことを思い出しました。 「明治150年」です。
そこで、ヒマに任せてネット上にある「明治150年ポータルサイト」なる
記事を開いてみると、そこにはこんな文言が並んでいました。
~平成30年(2018年)は明治元年(1868年)から満150年の年に当たります~


 meiji150nen_01.jpg 明治150年(2018年/平成18年)

なるほど、(2018年)平成30年=明治150年(1868年)だったのか。
そこで暗算です。
~するってぇと、「終戦75年」の本年(2020年)は、明治元年(1868年)を
 起点にするなら「明治152年」ということになるのかぁ~


ここで感慨に耽るつもりはさらさらありませんが、もう少し数字を丸めた
言い方に直せば、こんな風にも言えそうです。
~明治が始まって終戦までが約3/4世紀、その終戦から本年までが、
 これまた約3/4世紀だ~


つまり、終戦の年(1945年/昭和20年)は「明治150年」のほぼほぼ
真ん中に位置することになります。
せっかくですから、そこらあたりを少し整理してみることにしました。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 
1868年=明治元年
1912年=大正元年 =明治45年
1926年=昭和元年 =大正15年=明治58年
1945年=昭和20年 =大正34年=明治77年
1989年=平成元年 =昭和64年=大正78年 =明治121年
2018年=平成30年 =昭和93年=大正107年=明治150年
2020年=令和 2年 =昭和95年=大正109年=明治152年
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
だから、なんなんだ? と言われれば、それほど意味深なことを妄想して
いたわけでもありませんが、ただ、「前の75年と後の75年」を見比べてみた
場合、言葉通りに「隔世の感」を抱く人が少なくないことは確かでしょう。

なぜなら一目瞭然に明白な違いがあるからです。
直截な表現を用いるなら、こういうです。
~前の75年(1868-1945年)は「戦争の時代」であり、
 後の75年(1945-2020年)は「平和の時代」~


前の75年を眺めてみるなら、国内外を問わず、ひっきりなしに戦争を
繰り返していたと言っても決して過言ではありません。
大きな戦争だけを並べてもこのくらいになるからです。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
    1877年 西南戦争  士族による武力反乱/国内最大の内戦
1894~1895年 日清戦争  朝鮮支配をめぐる日本と清国の戦争
    1900年 義和団事件 連合軍(8国)の一員として清国出兵
1904~1905年 日露戦争  朝鮮満州をめぐる日本とロシアの戦争
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
まことに、休みなしに戦争に明け暮れていた印象ですが、じつはこれだけ
に留まるものではありません。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
1914~1918年 第一次世界大戦 連合国に一員として日本も参戦
1927~1928年 山東出兵    中華民国山東省への出兵
1931~1933年 満州事変    日本側が満州全土を占領
   1939年 ノモンハン事件 日本とソ連間の満蒙国境紛争
1937~1945年 日中戦争    盧溝橋事件を発端とした日本・中国の戦争
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
注意すべきは、出兵・事変・事件など、総じて控え目な?歴史用語が多用
されていますが、その実態はまさに「戦争」そのものだったことです。


 seinan_sensou_51.jpg taiheiyou_sensou_51.jpg
西南戦争(1877年) / 太平洋戦争・真珠湾攻撃(1941年)
 
 応援クリックを→ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ ←にほんブログ村



こうした流れになってしまうと、ちょっくらちょいでブレーキがかかるもの
ではありません。
1941~1945年 太平洋戦争(大東亜戦争/第二次世界大戦)
        中国との戦争を継続しながら大国アメリカとの同時戦争に突入。

同時に二つの大国(中国/アメリカ)を敵に回して戦争を仕掛けたのですから、
国力で劣る日本が勝てるはずがありません。
1945年8月には日本本土(広島・6日/長崎・9日)へ2発の原子爆弾を被った
ことがとどめとなって、連合国に対しついに降伏(8月15日)に至りました。

こうした事実をめっちゃ乱暴にくくるなら、やはりこのくらいの表現には
なりそうです。
~「明治150年」の前半分(約75年)は戦争一辺倒の時代だった~
そして、昭和20年以降は、打って変わってこんな表現になりそうです。
~「明治150年」の後ろ半分(約75年)は平和一辺倒の時代になった~

これがあながち的外れでないことは、戦後日本が掲げた「憲法」を覗いた
だけで一目瞭然です。
~日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を
 解決する手段としては、永久にこれを放棄する~


有名な憲法九条の条文ですが、さらに続いて、
~2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
 国の交戦権は、これを認めない~


素直に読み解くなら、国軍も持たないし一切の武力行使はしないと高らかに
宣言していることになりますから、その意味では確かに「平和憲法」と
称することもできるのかもしれません。
そして幸運なことに、現在の日本は平和が消滅することなく続いています。

つまり、終戦以後75年の間、外国からの侵略を受けることはなかったし、
外国への侵略も行わなかったということです。
しかし、だからと言ってこうした結果が、いわゆる「平和憲法」によって実現
されたと考えるのはいささか短絡的にも感じられます。

なぜなら、これは高校生にもたやすく理解が及ぶことですが、
この日本国憲法を守らねばならない義務を負うのは日本国民自身であって、
日本国民以外の外国人に守ることを求めていないし、また求めることも
筋違いだからです。

つまり、この戦後75年の平和は、諸外国の武力行使が日本に向けられなかった
のは、安全保障条約を結んだ超軍事大国・アメリカが、日本の後ろに控えて
いた事実があってのことだったのでしょう。
ただし、そうした平和論議は別の機会に譲ることとして今回は触れません。

さて、今回のテーマとして取り上げている「明治150年」、言葉を換えれば
1945年の終戦を境とした「(戦前の75年)戦争時代/平和時代(戦後の75年)」
のことになりますが、ひょっとしたらその「戦後の75年目」、つまり
本年2020年は、これまた歴史の大きな分岐点になるのかもしれません。

ええ、言葉にするなら「コロナ前の時代/コロナ後の時代」という意味合いで、
要するに、この後においては、人間の意識、社会の構造が大きな変革を
みせるかもしれないということです。

かつては数万の観衆で盛り上がっていたスポーツ観戦も、ひょっとしたら
人が集まること自体が敬遠され、
~ああいうのは戦後75年(2020年)までのスタイルであり、もはや過去のもの~
ということになってしまうのかもしれません。

はたまた児童生徒の学校生活においても、「戦後75年」までは楽しかった
はずの昼食時間が、「コロナ後の時代」(つまり今後)においては、
~アクリル板で仕切った限られた空間で、全員が前を向いて、隣の者との
 オシャベリすら控えて黙々と食べることが、新しい御作法~

になってしまうことだってあり得ないわけではありません。

しかしまあ、それだけにとどまらず、仕事も飲み会も就活も、はたまたお見合い
さえも、安全のためにリモート優先で行われる社会は、「戦後75年」の平和を
享受した経験のある日本人(筆者も含む)にとっては、少なくともそれまでの
社会より住みにくい印象になることは間違いなさそうですね、残念ながら。




 応援クリックを→ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ ←にほんブログ村



--直近の記事---------------------------
662 日本史の「謎解き」31 鎌倉大仏に謎なぞないゾ 権力者が情報を隠蔽
661 日本史の「パクリ」15 天下布武は神の座から 神仏の子孫は権威者だ
----------------------------------
ヤジ馬の日本史~超駄級・600記事一覧~ №501-599編 だがしか史!
ヤジ馬の日本史~超駄級・500記事一覧~ №401-499編 満腹握りめ史!
ヤジ馬の日本史~超駄級・400記事一覧~ №301-400編 颯爽ろくでな史!
ヤジ馬の日本史~超駄級・300記事一覧~ №202-299編 堂々肩すか史!
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 後編「な→ん」巻 あゝ七転八倒!
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 前編「あ→と」巻 七転び八起き!
----------------------------------

"日本史の「付録」13 その前と後の75年づつ" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント