日本史の「迷宮入り」17 なんなの?”中国”地方って

日本列島をいくつかのエリアに分類するやり方は、あれこれ
あるようですが、その代表的な例として以下の「八つ」に区分
する方法が挙げられます。 北から順に並べれば、
/北海道/東北/関東/中部/近畿/中国/四国/九州/
この「八つ」の地方です。

しかし、それをつらつら眺めていると思いがけない疑問も湧いて
きます。 ~うーむ、そもそも「近畿」って何のこっちゃ?~

学校時代から聞きなれた言葉ではあるものの、恥ずかしながら
その意味を知りませんでした。
そこで調べてみると、この「畿」は現代の言葉なら、さしずめ
「首都」を意味するそうですから、「近畿」なら「首都の近隣地域」
まあ「首都圏」ほどの意味になるわけです。

学校の先生からそんな説明を受けた記憶はなかったものの、
そこはもうオトナですから、ここで恨み言を並べるようなマネは
いたしません。
~そういえば、昔の都(首都)は確かにこの辺りに多かったな~

ところが、次にはこんな疑問も。
~だったら、「中国」地方って何のこっちゃ?~
地図を広げるまでもなく、明らかに「中国大陸」とは異なった
地域で、日本列島の一部を指しています・・・

そこでまた調べに戻ると、
~「中国」地方という呼び名の由来ははっきりしていない~
との説明もあれば、ドッコイ、こんな解説もありました。
~律令国の等級区分の一つであり、畿内からの「距離による
  分類」
「国力(規模)による分類」の二ツの分け方が存在した~


で、初めに「距離による分類」の、その先を追ってみると、
~畿内を中心に令制国を「近国/中国/遠国」に区別したとき、
  この地方のほとんどが「中国」に相当したからだとされている~


自分でも「ヒつこい奴だ」と思いながらも、その「中国」地方の
エリアを押さえてみると、こうなりました。
~畿内からの距離によって「中国」に分類される国は16ヶ国~
遠江国/駿河国/伊豆国/甲斐国/飛騨国/信濃国/
越前国/能登国/加賀国/越中国/伯耆国出雲国
備中国備後国/阿波国/讃岐国

ところが、このメンバー?が正しいとすると、現在の「中国」地方
と重なるのは、実は赤文字の四カ国だけになってしまいます。
そうなると、イヤでも次の「国力(規模)による分類」に頼ざるを
得ません。


地図旧国名51 












  現在の「中国」地方

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~国力により諸国を四等級に分けた。 「中国」は「大国」・「上国」
  に次ぐ3番目の位の国で、「中規模の国」の意。
  なお、「中国」の下の4番目の位は「下国」であった~

つまり「大国/上国/中国/下国」に仕分けた場合の、上から
三番目の「中国」に当てはまるということです。

それで、その場合の「中国」(11ケ国)をピックアップしてみると、
安房国/若狭国/能登国/佐渡国/丹後国/石見国
長門国/土佐国/日向国/大隅国/薩摩国・・・これまた、
現在の中国地方と重なるのは赤文字の二カ国だけなのです。

どうにも釈然としないので、「ヒつこい奴」がさらに追求していくと、
実はこの他にも、幾つかの解釈がありました。 たとえば、
~九州(大陸との窓口)と近畿(都)の(中)間にあるから~
なるほど、これだと確かにそう言える位置になっています。

また、あるいは、
~古事記および日本書紀の神話に出てくる「中つ国」
神話にはとんと疎いのですが、なんでも皇祖神・アマテラスと
決別した弟神・スサノオが地上に降り立ったのが「中つ国」
出雲だったとされているようです。

「中国」地方についてさらに驚くべきことは、この言葉が「いつ」
頃から使われ始めたかさえ、よく分かっていないことです。
つまり「中国」地方という名称については、すべての面で、
「とことん分かっていない」ということになります。

ですから、少しばかり大げさかもしれませんが、これを歴史上の
「迷宮入り」事件?と呼んでも差し支えないでしょう。
「迷宮入り」では、これより先の追及はお手上げですから
スッパリと諦めることにして、ここからは罪のない雑談に。

その「中国」地方の出身で、ちょいと気の利いたオジサンなどは、
時折秘密めかしてこんなセリフを吐くことがあるようです。
~告白するけど、実はワシは生まれも育ちも「中国」なのだ~

もっとも、「旅行グルメ」を気取ったこんな悪のりオジサンも。
~今まで色々な料理を食べてきたが、殊に印象に残ったのは
  「中国」地方のカレーはチューゴクかれぇ(すごく辛い)ことだ~




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