日本史の「列伝」02 ”米沢”藩主と”米国”大統領

こんなエピソードを耳にしたことはありませんか?
~日本人記者団から“尊敬する日本人は?”との質問を受けた
  合衆国大統領ジョン・F・ケネディ(1917-1963年)「ウエスギ・
  ヨウザン」
の名を挙げた・・・ところが、逆に質問した記者たち
  の方がその名を知らず、ちょいとばかりうろたえた~


ところが、この面白すぎるお話、どう調べてもその時期・場所が
特定できない、つまり「ケネディが確かにそう言った」という記録
・証拠がないことから、現在では「都市伝説」?と見るのが妥当
とされているようです。
それはさておき、そのときの「ウエスギ・ヨウザン」なる日本人を、
「上杉治憲(号・鷹山)」(1751-1822年)だと受け止めても、これは
間違いではないでしょう。

とにかく「名君」として有名な方です。 (以降は「鷹山」と表記)
~為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなり
  けり~
 この早口言葉もどきの「名言」も実は鷹山です。
※やればできる、できないのはやらないからだ、ほどの意味?で耳が痛い

また鷹山が次期藩主・治広に家督を譲る際(1785年)に、藩主の
心得として申し渡した「伝国の辞」と呼ばれる内容も、時代を
先取りした高邁な理念として知られています。

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○国(藩)は先祖から子孫へ伝えられるものであり、我(藩主)の私物ではない。
○領民は国(藩)に属しているものであり、我(藩主)の私物ではない。
○国(藩)・国民(領民)のために存在・行動するのが君主(藩主)であり、
  ”君主のために存在・行動する国・国民”ではない。
この三ヶ条を心に留め、忘れることなきように・・・ええな。

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さて、その鷹山時代の米沢藩はドロ沼財政に直面していました。
藩祖・上杉景勝(1556-1623年/謙信の養子)の頃は120万石を誇る
大大名・・・それが、徳川家康に屈し30万石に減封され、さらに
その後、藩主急死による後継不在の失態を演じたこともあって、
この頃には15万石に・・・全盛期?の実に八分の一にまでなって
いたのです。

そうでありながら、藩風だけは景勝時代を引き継いで、家臣の
リストラにはいっさい手をつけず、つまり今風にいうなら、年商
120億円時代に抱えていた社員を、年商15億円になっても、
そのまま雇用し続ける会社みたいなもので、これでは現在の
某「日本国」並みに借金が膨らむのも当然です。


オバマ01 上杉鷹山51 JFケネディ01 









米国44代/バラク・オバマ 米沢藩/上杉鷹山 米国35代/J・F・ケネディ

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では、積もりに積もった巨額の借金をどうしたのか?
~もはや万事休す、どうにもならん、いっそのこと藩領を返上して
  領民の救済は公儀にお願いしちゃおうかしらん~

実際、前藩主・重定の時代には、本気でこう考えたようです。

それに対し、鷹山は率先垂範の姿勢を示しながら、徹底した
「予算切り詰め(倹約)」を”断行”することで借金完済への道筋を
つけました。
その後結局、次々代藩主の時代(1823年)までの時間を必要と
したものの、見事に「借金完済」を果たし、藩の財政再建を実現
させています。

”断行”というからには、その過程には頑迷な反対者に対する
「粛清」という冷徹な現実も含まれおり、文字通り「不退転」の
姿勢で臨みました。 
この「本気度・気迫」が、現代企業経営者の間で今なお高い
「鷹山人気」が続く原因になっているのかもしれません。

こうした政治面での業績は割合に知られたところですが、他方、
「家庭人」としての鷹山はどのような生活だったのか?
このあたりが取り上げられることは、それほど多くない印象です
ので少し辿ってみると・・・

米沢上杉家の藩主・重定は三人の娘を得たものの、そのうち
長女・三女は夭折したために、残る次女「幸姫」(よしひめ/1753-
1782年)
に婿養子を迎えることで御家存続を図り、それが二歳
年上の「鷹山」ですから、米沢上杉家から見れば外部から招聘
した人物ということになります。

しかも、その正室・「幸姫」は障害(脳障害?発達障害?)を抱えた
女性でした。
そうした中にあって、鷹山は姫の晩年まで雛遊びや玩具遊びの
相手を、根気よく務めたそうです。 この姿には女中たちも同情を
寄せるほどだったと伝わっていますから、障害を抱える妻・幸姫
に真心と愛情を持って向き合った日々を送っていたのでしょう。

姫の死後、こうした日常を初めて知った父・重定は不憫な娘に
対する鷹山の心遣いに涙した・・・こうした事実からしても、
「政治家」としてだけではなく、「家庭人」としても、まっこと立派な
生き様を貫いたことは間違いありません。

こうした日本人の存在を知ると、先の「ケネディ大統領の返答」を
単なる「都市伝説」?として済ませてしまうことが、いかにも勿体
なく感じられ、で今回は現職オバマ大統領に同様の質問を・・・

記者団 「尊敬する日本人は?」
オバマ 「マツダイラ・ノブツナ(松平信綱/1596-1662年)です」
記者団 「(ドキッ!知らぬ名だ) ほう、そりゃまたどうしてですか?」

オバマ 「私の演説 “チェンジ!” は彼のニックネームですよ」
記者団 「(墓穴を掘る質問だった、ますます意味が分からん)・・・」
オバマ 「つまり、知恵伊豆→チエイズ→チェンジ!なんちゃって」





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---これまでの 「列伝」 シリーズ----------------
264 日本史の「列伝」01 父チャンを超えたい症候群 偉大な父を持つ息子は
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ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 前編「あ→と」巻 七転び八起き!
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 後編「な→ん」巻 あゝ七転八倒!
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この記事へのコメント

激変するこれからの世界
2015年03月07日 14:08
これからの19年間の詳細な情報です。
長年の疑問が解消されれば幸いです。
 
ttp://6928.teacup.com/kongonoyotei/bbs ( 閲覧パス 2034 )
 
2015年03月07日 21:27
コメントありがとう
今後ともどうぞよろしく

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