日本史の「世界標準」10 戦国の”超人願望”ブーム?

どんな時代にも「流行り廃り(はやりすたり)」はあるもので、
戦国の武将達にとっても多少流行ったものがありました。
いったいそれはなに? いいえ、「フラフープ」ではありません!

それは、自身を神の生まれ変わりとする「神仏転生」?、
または、自身が神になる「即身成仏」ならぬ「即身成神」?もどき
の考え方で、人間の域を超えることに対する憧れ・・・つまりの
ところは、一種の「超人願望症候群」?です。

「一神教」の世界では、文字通り、神はオンリーワンですから、
仮に「神のご加護」や「天の佑助」を感じることはあっても
自分自身が「神になる」などという「非常識で馬鹿げた発想」は
出てくるはずもありません。

ところが、~日本の常識は世界の非常識~という言葉がある
通り、この日本では「世界標準」(グローバル・スタンダード)から
大きくはみだしたこの「非常識で馬鹿げた発想」も、さほど
「馬鹿げたこと」でもありませんでした。

目をやれば、確かにそうで、その捉え方にはそれぞれ違いも
あったようですが、この時代には「神仏転生」系?や、
「即身成神」系?の武将が少なからず登場しています。

飯縄権現を信仰していた細川政元(1466-1507年)や上杉謙信
(1530-1578年)などは、前者の代表的人物ですし、後者のそれは
三英傑の織田信長(1534-1582年)・豊臣秀吉(1537-1598年)
・徳川家康(1543-1616年)が挙げられます。

政元は熱心な信仰の末に、「自分は超人であるゾ」と自覚?する
域にまで達し、謙信もまた「自分は毘沙門天の生まれ変わりに
違いないゾ」という確信にまで至っています。

ちなみに、両者が飯縄権現の厳しい戒律?をひたすら律義に
守っていたことは、生涯女性を近づけず、もちろん妻帯も
しなかったという史実が、それを証明しています。
※女性禁止は辛い戒律?・・・並の男の考えそうなことですナ。

しかし、その”超人”であるはずの政元は、結局、暗殺に倒れ、
”毘沙門天”のはずの謙信も脳溢血?で亡くなっていますから、
実際にはこの「神仏転生」系?の武将達は「本物の神仏」の
領域にまで到達できなかったことになります。

画像












 出展:信貴山 朝護孫子寺  (中央)毘沙門天王像
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この二人に比べると、信長・秀吉・家康の三人が抱いた
「即身成神」系?には、別の動機があったと解釈できます。

つまり、文字通り「天下を治める」のであれば、自分より上位の
存在は認められません。
つまり、~天照大神のご子孫「天皇家」を凌駕する自分~
なければならないわけです。

信長の場合は、途中の段階で暗殺(本能寺の変・1582年)された
ために、そのプランの実現には至りませんでしたが、それでも
安土城建設の時期ですら、すでに天皇を自分の下に置くべく
構想をしっかり持っていました。

秀吉の場合も、自らがチャッカリ「豊国大明神」に納まっています。
ただし、その後短期間で家康に取って代わられたために、結局は
これも大成功というレベルまでには達しませんでした。

しかし、三度目の正直?
今度はその家康が自ら「東照大権現」に就任?することで、
天皇家の「天照大神」と張り合い、二百数十年ほどの間、
相手側を圧倒することに成功しています。

かくして、この「戦国のトレンディ」であった「超人願望」は、
家康の「東照大権現」の登場をもって、やっと花開き、同時に
その幕引きともなって、以後この「即身成神仏」?願望
見られなくなります。

では、家康は目論見通りに「天皇家」に対する完全勝利を収めた
のか?
いいえ、明治維新(1868年)の折、その「東照大権現」の徳川家が
「天照大神」の天皇家に見事な逆転負けを喰らったことは
ご存知の通り。

すなわち、この史実は元・人間の「にわか神様」は所詮マイナーに
過ぎず、古くからの伝統を備えた神様こそがメジャーである、
という「格付け」の存在を示唆しているのかもしれません。

そうだとするなら、仮に横丁でひょっこり「ジャンケンの神様」や
「大食いの神様」などに出くわしたとしても、概ねマイナーな神様
のハズですから、特段、拍手(かしわで)を打つ、お賽銭を出す
などの畏まった挨拶までは必要なさそうですネ。






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---これまでの 「世界標準」 シリーズ--------------
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157 日本史の「世界標準」08 ”同性婚”は是か非か? 出遅れた神様?
114 日本史の「世界標準」07 オンリーワンと八百万 信仰同士の迷討論!
108 日本史の「世界標準」06 君側の奸を討つ 直接に討たない理由とは?
101 日本史の「世界標準」05 浮世絵師21世紀を描く 東西画家の憧憬?
083 日本史の「世界標準」04 神君孫の歴史書 我が国こそ“総本家”である!
069 日本史の「世界標準」03 楕円形の非常識 なんでまたこんなカタチに?
067 日本史の「世界標準」02 識字のお膳立て 読み書きはこんなに楽しい!
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この記事へのコメント

いしやま
2013年12月15日 06:54
最近珍しい書籍を教えてもらいましたので、紹介したいのですが。
安土桃山末期、江戸初めの1608年に、ロドリゲスというポルトガル人が日本での布教のため、日本語から日本文化まで幅広く聞き取り、収集し著した、「日本大文典」という印刷書籍です。
広辞苑ほどもあるような大部です、家康の顧問もしていました。
興味深いことにこの本の終わりに、当時ヨーロッパ外国人により聞き取られた、日本の歴史が記載され、倭国年号から大和年号に継続と思われるものが記載されていることです。この頃の、古代からの日本の歴史についての考え方を知ることができる タイムカプセル のでしょうか。もう既に見ていますでしょうか。
2013年12月16日 21:16
珍しい書籍のご紹介をありがとうございました。
当方は不勉強で「日本大文典」なる書物については、
広辞苑ほどもある膨大な内容であることも含め、
まったく知りませんでした。

当時のヨーロッパ人が、日本をどのように見て
いたかについては、大いに興味を引くところです。
今後ともご紹介などをよろしくお願いします。

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