日本史の「トホホ」02 不器用?だった江戸幕府

~ええか、銭というものはダ、身分賤しき商人が持てば間違い
なく賤しいモノであるが、武士がこれを持つときにはダ、お米が
その姿を変身させているだけのことであり、銭の賤しさなどとは
まったく無縁のモノなのダ。ええか、あい分かったか!~


江戸期の政治担当者がこのくらいの詭弁?屁理屈?を
持ち合わせていたとしたなら、武士階級だってもあれほどの
貧乏にあえぐ必要もなかったのでは?・・・そう思えます。

少し前の信長、秀吉、家康などは商業・貿易(経済活動)に対して
江戸幕府が抱いたような嫌悪感を持ってはいませんでした。
むしろ、貿易促進派?の立場を取っていたハズですから、その
姿勢に比べたらまるで正反対を向いている印象になります。

その意味では江戸期の武士階級はあまりにも視野が狭すぎた
といえるのかもしれません。

とにもかくにも、「貴穀賤金(きこくせんきん)」という言葉に
金縛りにあったような按配で、
~米こそが貴いものであって金なんぞは蔑視すべきものであり、
武士たる者がそんなものに捉われるのは沽券に係わる!~

という思想?にまで昇華させています。

その昔の日本人には、甘く言えば「弾力性・融通性」、辛く言う
なら、「大雑把・無節操」な一面があり、これを上手に生かして
きた歴史があります。

せっかくの海外先進科学である、たとえば漢字律令
仏教などにおいても、不便があれば意識的に無視・省略したり
大胆に改変したりしながら、いつの間にか「日本人仕様」を作り
上げることで、ちゃっかり役に立つ部分だけを利用しています。

こういう自国の歴史を多少なりとも知っていたなら、江戸期の
武士階級もなにもここまでストイックになる必要もなかった
ハズで、おそらく通常期?の日本人なら迷いなくそのセンで
突き進んだことでしょう。

ところが、江戸幕府はなにかしら洗濯ノリが利きすぎたような
バキバキの姿勢を崩さず、現実を直視しないばかりか、ドンドン
「空想的美学の世界?」へのめり込んでいっていますから、
その意味では、驚くほど「日本人離れ?した不器用」
政府だったと言えるような気がします。

「三大改革」という表現がありますが、これもすべて
「貴穀賤金」の信念?が優先してしまって、ひたすら
お金を蔑視することに熱を上げています。
つまり、社会生活における「お金」の意義・効用を
とことん無視するばかりで、結局のところ国民に対して、
「ええか、とにかく懸命に質素倹約に努めよ!」と号令を掛ける
だけのことで終わっているのです。

つまりは、実質的な「改革」にはなっておらず、「武士総貧乏」?
もどきの社会を創り出しただけだったようにも見えます。
まったく、みんなが貧乏になってしまっては「トホホ」ですヨ。


  享保の改革 八代将軍・徳川吉宗(1684-1751年)
画像














ですから、三大改革?最初の「享保の改革」において八代将軍
・吉宗が、冒頭にご紹介したような詭弁?啖呵?を切った上で、
実行に移していたなら、その経済建て直しはもう少し巧く
運んだのではないかと思うわけです。

歴史の経緯から想像するに、先人たちなら、おそらくは良心の
呵責を感じることなく、平気でこの程度のセリフを吐いて
チャッチャッと実行に移していたのではないかと思います。

なぜなら、この高邁?な詭弁は、「士農工商」や「貴穀賤金」などの
儒教の教義にも矛盾することなく、またそれに伴う「銭アレルギー」
さえも解消できるという、まさに日本人向きの理屈だからです。

もし、江戸幕府の政治家たちがもう少しばかりフレキシブル
(ズボラ?)な感性を持ってこの域こまで踏み込んでいたなら、
何回も「改革」を繰り返さなくとも立派に「経済立て直し」が
できたでしょうに。 惜しかった!

ですから、この経緯から国の政治家が特定のイデオロギーに
凝り固まってしまうと、結果として国民を不幸にしてしまうことも
あるのだ、ということが歴史の教訓として学べます。

ということは、神経質でストレスを溜めやすい現代日本人も
昔の日本人のようにもっともっとズボラな感性を強く持って
フレキシブルに生きるべき、という結論になります。

つまり、何でも「三日坊主」で終ってしまうワタシのような生き方が
現代日本人のスタンダードになってもいいということなのです。
ええか、あい分かったか!




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