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zoom RSS 日本史の「アレンジ」17 違いがあって然るべき!

<<   作成日時 : 2017/12/15 00:15   >>

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天皇の名前を表すのに、例えば「朱雀帝」とか「持統帝」とか、
「○○帝(てい)」という呼び方をすることも少なくありません。
また「持統帝」のような女性天皇については「女帝(じょてい)」という
言葉も併せて使われています。

ところが、いったんは天皇に即位しながら事情があって「クビ(馘首)」に
された天皇には「廃帝」という言い方があって、こうした場合は普通に
「てい」とは読まず、「廃帝(はいたい)」とすることも多いようです。
例えば「(淡路)廃帝」「(九条)廃帝」※がそれに当てはまります。
※ただし、ずっと後になって明治新政府が「淡路廃帝」に
  (第47代)「淳仁天皇」、九条廃帝に(第85代)「仲恭天皇」を諡名した。

〜「廃帝」とはいわゆる「天皇落第生」?に過ぎない。 だったら他の立派な
  「天皇合格者」?と同様に「てい」と読むことは分不相応である〜

といった感覚でしょうか。
要するに、この読み方の違いの根源には「差別意識」があるように
思えるわけです。

聖徳太子からタメ口調子の国書を送られて大いに憤慨したことで有名?な、
当時の隋の皇帝「煬帝」には、さらにまた別の読み方が用意されています。
「暴君/悪王」との評判が高かったこともあって、この点を一層強調した
「煬帝(ようだい)」との表現が定着しています。
要するに、同じ「帝」という文字であっても、その音韻の違いをもって一種の
「イメージ操作」をしている印象さえ漂ってくるわけです。

こうした雰囲気が感じられるのは何も「帝」だけに留まらず、他にもたとえば
「征夷大将軍」にも同様な傾向?が感じられます。
この役職は元々は朝廷(政府?)の、しかもそれほど地位が高いとは言えない
「臨時官職」もどきの、「異民族?(蝦夷)征伐」を担当する、いわば軍司令官?
ほどの身分を指していました。

それを後に武士が奪取?する形になり、その折に自らの権威権力を誇示する
ための地位・役職として、武士側が再活用?したものです。
で、ここからは歴史の通説とは程遠い筆者独自のトンデモ空想を交えながら
の筆になります。

さてこの「征夷大将軍」、いわば「対異民族戦争担当司令官」?として
朝廷機構に組み込まれていた頃は、ひょっとしたら「せいい(ダイ)しょうぐん」と
言っていたのではないか?
役職柄からしても、ダイナミックな響きを持った呼び方の方が似合っているから
です。

時代が変わって、それを武士に手渡さざるを得なくなった時、朝廷側は
その「口惜しさ」から、思いっきりショボい印象にしたかった?
それで、武士に渡ってしまった時には「せいい(タイ)しょうぐん」・・・
朝廷側の精いっぱいの抵抗だっだかもしれません。
う〜ん、高貴な御仁は性根が曲がっている?

さらに例を挙げるなら、「賜姓皇族」に始まった源氏・平氏などのいわゆる「姓」。
源氏は、その中にも多数の流派がありますが、そもそもは「嵯峨天皇」
(第52代/786-842年)が自分の「子供達」を皇族から臣下に下す、いわゆる
「臣籍降下」の際に源姓を与えたことに始まるとされています。
また一方の平氏の場合なら、これも多数の流派があるものの、その始まりは、
「桓武天皇」(第50代/737-806年)の「孫」に当たる高棟王が平姓を授かった
ことからだと考えられています。

要するに、一般的には源氏は「天皇の子」から、平氏は「天皇の孫」から
始まったと認識されていて、そこでその「差別化」のために、この場合も
音韻に異なる響きを持たせ?たのではないかということです。 
どこが違うの? そら、「源氏=げん(ジ)」に対して、「平氏=へい(シ)」
濁音の有無でしっかり区別(差別?)しているじゃありませんか。

井沢言霊51 煬帝隋51












言霊(信仰)/隋の煬帝

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さて、「帝の/テイとタイとダイ」、「征夷大将軍の/ダイとタイ」、さらには
「姓氏の/ジとシ」などをこうして見比べてみると、いずれの場合もそこに
ある種の「差別意識」が働いているように見えます。
また、「清音」で表現された内容をさらに一層「強調」したい際にはここに
「濁音」を用いているかのような傾向さえ認められそうです。

〜そんなぁ・・・子供の言葉遊びじゃなかろうに。 高貴なお歴々がそんな
  ことに気を遣っていたとは、てんで思えないゾッ〜

ところが話は逆で、こうした高貴なお方たちだからこそ、こうしたことに神経を
使っていたと考えられなくはないのです。

その根拠は? 
〜言葉そのものに霊力が宿っている〜
〜言葉を発すればその内容が現実になる〜

そう、古い時代には、それも朝廷公家のようなお歴々ほどこうした「言霊信仰」
の熱心熱烈な信者サン?だったからです。

こうしたお方たちにとっては、
○マトモ?な天皇と欠陥?天皇とが、同じ発音であることは許せん。
 ましてやトンデモ暴君なんぞはなおさらのことであるッ。
○朝廷に属する正規・征夷大将軍と、穢れた武士が就く変則・征夷大将軍を、
  同じ音韻で呼ぶことは辛抱たまらんッ。 ええぃ、ジンマシンが出そうだ。
○「天皇の子」から出た姓と「天皇の孫」から出た姓では、その「格」に
  断然の差があるのだから、この「格差」を明確にしておくためには言葉の
  方も連動させるのがスジだッ。

こういうことになります。

現代人は先人たちのこうした信仰を、迷信に過ぎないものと切り捨てて
しまいがちですが、ところがドッコイ、この「言霊信仰」は21世紀の日本人も
きっちり受け継いでいるのです。

例えば、こんな場面を連想してみてください。
ハゲ頭の父、母、目前に控えた受験生の長男、そして次男の四人家族が、
夕食を囲んでいた時に、その食卓にハエがポロリ・・・
次男〜オッ、今父ちゃんの頭で「すべった」ハエが「「落ち」てきた!〜

こうした場合、すかさず母親が諫めます。
母親〜受験生の兄ちゃんの前で「すべった」「落ちた」なんて縁起の悪い
     言葉を使うものではじゃありませんよ! もう少し気を遣いなさいよ〜

まあごく普通のありふれた日常風景です。

しかし、「すべる」とか「落ちる」という言葉を出したからといって、それが
現実の受験結果に影響を与えるものでもないでしょうに、それでも心の片隅に
そうした言葉の使用を忌む気持ちを持っているわけです。

つまり、〜言葉を発すればその内容が現実になる〜
この「言霊信仰」を21世紀の現代日本人もきっちり受け継いでいることに
なりそうです。
だったらこんなシチュエーションの場合、「言霊信仰」に抵触?しない
言い方はあるのか?
父親〜オゥ母さん、これならどうだ? 忌み言葉は混じってないゾ。
     オレの頭上で動作不如意となったハエの体が引力に導かれた〜
 
ことほどさように「言霊信仰」とは厄介なものなのですゾ・・・皆々様。


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