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zoom RSS 日本史の「ツッパリ」20 後期高齢源氏の一念発起!

<<   作成日時 : 2017/08/30 00:01   >>

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「年寄りの冷や水」・・・簡単にいうなら、無分別に若者のマネをする高齢者を
冷やかしたり警告したりする時に使われる言葉です。 
ところが歴史は、それとは逆に「年寄りの熱血」と呼びたくなるような人物も
登場させています。 
たとえば、イマイチさえない状況にあった源氏が栄華を極める平氏に挑んだ
時代の源頼政(1104-1180年)なぞは確実にその一人と言えるでしょう。

武家社会の覇者決定戦であった「保元の乱」(1156年)においても、また続く
「平治の乱」(1160年)でも、常に勝者側に身を置くことになったのがこの
頼政であり、源氏という立場にありながら、その後の平氏全盛の時期に
おいてさえ政権の中枢に留まっていました。
その意味では、人並外れて鋭い「政治的洞察力」を備えていたと言えるの
かもしれません。

その上に、当時のボス?である平清盛(1118-1181年)からの信頼も厚かった
ようで、晩年(1178年)には「従三位」に叙されたことで「源三位」とも呼ばれる
ようにもなり、公卿の仲間入りまで果たしています。
実はこの頃すでに75歳・・・現代言葉なら「後期高齢者」のお仲間ですが、
これが現代の出来事ではないことを考慮に加えるなら、これはもうお世辞抜き
で怪物級の「年寄り」といっていい年齢です。

要するに、この頃の頼政は地位も名誉も財産もついでに長寿、そのすべてを
備えていたことになります。
ですから、本人が望むならなんの不自由もなく悠々自適の最晩年が送れた
ハズですが、ところがこの頼政は、そのすべてを投げうって「年寄りの冷や水」、
いや「年寄りの熱血」に挑みました。
早い話が、今まで在籍?していた「平氏」に対して決起行動を起こしたわけ
です。

まずは、後白河天皇の息子であり不遇をかこつ身にあった「以仁王」(1151-
1180年)に「平氏打倒」の令旨(命令書/1180年)を出させ、それに成功
するや、次にはこれを拠り所として諸国の源氏や大寺社に向かって蜂起を
促しました。

頼政この時なんと77歳・・・ここまでの溢れんばかりの元気さは、時代から
しても、まさに「想定外の熱血」で、現在なら100歳の爺様(超後期高齢者?)
が「宇宙旅行」に飛び立つくらいのイメージです。

ところが、この熱血の計画は事前に露見してしまい、準備不足のまま挙兵する
ハメに。 こうなると結果はもちろんあっけない敗戦・・・頼政は(以仁王も)
戦場・宇治平等院において敗死する結果になりました。

この戦いは両者の名前をとって「以仁王の乱」とも「源頼政の挙兵」とも
呼ばれていますが、この顛末だけを眺めるなら、
〜やっぱり、たたの「年寄りの冷や水」に過ぎなかったワイ〜と言われかねない
ところです。
しかし決してそうではなかったことは、この後の「歴史」が証明しています。

源頼政51 以仁王51









源頼政/落命する「以仁王」(左上・鳥居の前)

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平氏打倒の命令書である「以仁王の令旨」は源行家※が源氏の郵便配達
担当者?となって、諸国の源氏に届けられました。 
事態は頼政の目論見通りの進行です。
新宮行家(源頼朝の叔父/1142頃-1186年)

この速達郵便?がキッカケとなり、源頼朝(1147-1199年)や木曽義仲
(1154-1184年)をはじめとする諸国の源氏一族、またこれに同調する大寺社
までもが蜂起し、平氏との六年にわたる正面衝突「治承・寿永の乱」
(1180-1185年)へと発展していきました。
その末に、あろうことか、なんとなんと「平家滅亡」までをも実現させてしまった
のです。

その「治承・寿永の乱」における最終戦ともいえる「壇ノ浦の戦い」(1185年)で
平氏の息の根を止めたのが、頼朝の弟・源義経(1159-1189年)だったことは、
よく知られるところです。

この一連の頼政の行動を、年寄りの冷や水?熱血?あるいはツッパリ?・・・
どう表現するのが適切なのかそこあたりはよく分かりませんが、ともかく
「平家滅亡」は、この後期高齢者・源頼政の決断に端を発したものだったことは
間違いありません。

その上に、この頼政が単なる「元気な爺様」だけでないことは「頼朝流罪」
(1160年)の一件が証明しています。
頼朝の流刑地は、伊豆国の「蛭ケ小島」(ひるがこじま)・・・地名からして
「絶海の孤島」のイメージです。

たぶん平氏側も、そのように想像していたことでしょう。
正確な日本地図もない時代の上に、その地名が何しろ「蛭ケ小島」ときて
いるのですからねぇ。

ところが実際には、絶海の孤島どころか「伊豆国」の本土にある地で、しかも
この時期、その「伊豆守」を兼任していたのが、当の頼政だったのです。
処罰される頼朝にとって、こんなに都合のいい「流刑地決定」の運びになった
のには、やはり事前に頼政のなんらかの「工作」があったものと想像されます。

言葉を変えれば、頼政が将来を見据えた上で、その「隠し球」となり得る
源氏嫡流「頼朝」の温存を図り、見事にそうした状況を作り上げていった。 
ですから、これはもう「超一流の策士」?と表現せざるを得ません。
これら頼政の決断力・豪胆さ・熱血ぶり・深謀遠慮などは、これを「凄いッ!」と
言わずして、何を「凄いッ!」と言うのか!・・・それくらいの迫力です。

ですから、皆サン! もしもアナタの周りに77歳の爺様がいて、何事かに
やる気をみせたとしたなら、「年甲斐もない」とか「危ないから」などと言って、
それを押し留めるのではなく、お好きにさせてみたらいかがでしょう。

こうした「年寄りの冷や水」?いや、「高齢者の熱血?ツッパリ?」こそが、
昨今話題の「一億総活躍社会」の実現を早める原動力になるかもしれません
からね。
ひょっとしたら、このパワーが「政権交代」まで実現させてしまうかも?

もっとも、アナタが活躍を勧めた結果において、万一高齢者ご本人が
「疲れで寝込む」とか、「逆走運転」とかいう思いがけない諸事態に
見舞われたとしても、それは「自己責任」であり、決して筆者にその責任が
及ぶものでないことだけは明確に宣言しておきます。
ええ、人畜無害と評される筆者とてそれなりに用心深いところもあるのです。



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