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zoom RSS 日本史の「お国自慢」16 弘法サン”あゆち”に参上!

<<   作成日時 : 2017/06/15 00:01   >>

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筆者の生息地は、昔は「尾張国」、現在は「愛知県」と呼ばれています。 
そこでヒョッコリ思い出したのが、とある「愛知県人」が宣(のたま)わっていた、
こんな御高説です。
〜ええか、よく聞け。 日本語「哲学」の語源はラテン語の“philosophia”だ。
  これは“philo”が愛を、“sophia”が智恵を意味しているからして、要するに
  「愛プラス知」で「愛知」なのだ! 
  つまり、「愛知県民」とは「哲学者」集団ということになるッ!〜

さらには、ダメ押しするかのようにこんなことも。
〜その愛知県の中央部から海(南)側へ突き出た箇所を「知多半島」という。
  「知が多い」とは今風の言葉なら「インテリ半島」ってことに他ならぬゾ!〜


そうは説明されても、筆者の周りを固める「愛知県人」は、御世辞をテンコ盛り
にしてさえ「哲学者」や「インテリ」とはほど遠いタイプの方々ばかりなのですが。
まあこの辺は無視して、この地名「愛知」の由来を探ってみることにすると、
それをメッチャ古い書物に求めた説が多いことに気が付きました。

たとえば、「日本書紀」(720年)から、→「吾湯市(あゆち)の村」/
「万葉集」(759年以降)から、→「年魚市潟(あゆちがた)」/「年魚(あゆ)の
(ち?)」/「年魚道」(あゆち?)」/「あゆちの水」/などがあります。

そのいずれの説も「あゆち」という言葉に注目しているのですが、別の解釈で、
この「あゆち」を探った説もありました。
〜「足結道(あゆち)」からきたのではないか?〜 尾張国が昔から東国に
向かうための旅支度をする土地になっていたことを踏まえた説です。 
ちなみにこの「足結(あゆい)」とは、
〜動きやすいよう、袴のひざ下のあたりを結ぶ紐〜のことのようです。

「あゆち」に関しては、さらに作家・童門冬二氏(1927年〜)のこんな主張も
あります。
〜織田信長(1534-1582年)が生まれた尾張には古くからあゆち思想”と
  いうのがある。 “あゆち”というのは、幸福の風が海から吹いてきて
  日本の中部である尾張に上陸するという伝承だ。
 この“あゆち”が、愛知県という県名の由来にもなっている〜

その上に、
〜信長が後年居城を築いた「安土(あづち)」という地名も、「日本国を幸福の
  風に満ちたユートピアにしたい」と考えて、「あゆち」に似た名を信長自身が
  命名した〜


もっとも、信長の「安土」命名については諸説があって、必ずしも童門冬二氏の
主張通りとは決め付けられません。
たとえば、その信長の同郷後輩に当たる作家・井沢元彦氏(1954年〜)は、
著書「逆説の日本史」の中で、〜「安土」の地名は「平安楽土」に由来する〜
という主張を展開しています。

「安土」の方はともかくも、「愛知」の語源が、吾湯市/年魚市/年魚風/
年魚道/足結道・・・そのいずれかは特定できないにせよ、語音「あゆち」が
「愛知」の語源になっているとは考えられそうです。
その傍証として、旧尾張国(愛知県西部)に位置する現名古屋市昭和区には
現在でも「阿由知通」(あゆちどおり)という地名が残っている事実が挙げられ
ます。

お話のついでに触れておけば、「あゆち」の語音に注目し、その由来をアイヌ語
「あゆち」(ay-chi/支流+多いところ)?に求める説もあるのです。
しかし、大昔の尾張国にアイヌ語が溶け込むほど、双方の地域が密接な関係
にあったのかどうか、この点はいささか疑問にも感じられるところです。

語感が似ていることを根拠にするなら、英語の「ouch!(アウチ/痛い!」
だって候補に挙げられますが、さすがにこれは「トンデモ説」のレベルかも?

画像 画像 










年魚市潟勝景跡の碑(南区)白毫寺/熱田神宮・大楠

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さて、どんな事情があったものかはわかりませんが、1871(明治4)年の
廃藩置県の折り、旧尾張国は折角の「あゆち」をシカトして名古屋県と名乗り
ました。 
そして、この名古屋県が待望?の「あゆち」、つまり愛知県と改められたのは
翌1872(明治5)年のことで、さらにお隣の旧三河国である額田県と合併する
ことで、やっとのこと現在の「愛知県」が誕生したわけです。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 
さて、ここからは、伝説・伝承も含めながらのアプローチになります。

その哲学者の県?「愛知県」には創祀1900年超えといわれる熱田神宮が
あります。 そしてその境内にそびえる「御神木」でもある大楠※には、
弘法大師様(774-835年)がお手植えされたものとした伝承が残されている
のです。
これはこれで大変に結構なことですが、ではなぜ大師様はこの地で
お手植えされたのか?・・・これが疑問です。
※樹齢1,000年以上/樹高約20m/幹周8m弱/

この弘法大師様は広範囲にわたる伝説・伝承の持ち主であり、中でも
〜弘法大師が杖をつくと(温)泉が湧き、井戸や池となった〜
これ系のお話は、それこそ全国各地にワンサカ残されています。
そうであるなら、愛知県だけがその例外ということはあり得ません。 

実際、この熱田の地でも大師様が杖をついた田圃の一角から「温泉が湧き
出た」のです。 そしてその「湯温」、なんと摂氏90度。
湧き出た湯を掌にすくった大師様は思わず叫びました。 〜アチチッ!〜 

ですから、この「アチチッ!」が漢字では「吾湯地(あゆち)」と表記されたことが
「愛知」の由来だと考えても、まんざら荒唐無稽というわけでもありません。
それと同時に、大いに喜んだ大師様がこの地を「熱い(湯が湧く)田圃」という
意味から「熱田」と名付けられたとしても、これまたごくごく自然な成り行きと
いうことになります。

つまり、大師様が熱田神宮境内「御神木」の大楠を「お手植え」されたのには、
「温泉掘り当て」に対する記念植樹の意味合いがあったわけです。
ただ念の為に申し添えるなら、この経緯に物的証拠はありません・・・なにせ
伝説・伝承なのですからネ。

しかしこれなら、「愛知」の由来も、おまけに「熱田」の地名由来も無理なく
スムーズな説明ができるわけですから、それならそれで四の五の言わずに、
これを「史実」と受け止めるべきが、常識ある大人の態度ということになり
そうです。

さて最後に。 
もうとっくの昔に見破られているのかもしれませんが、実は「〜・〜・〜」以降の
内容は筆者創作による画期的かつ無邪気な即興「トンデモ説」であることを
自白しておきます。 
どうやら歴史好きなアナタの貴重なお時間を奪うことになっちゃったようで
・・・ホントにゴメン。 四の五の言わずに許してちょうだいね。



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