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zoom RSS 日本史の「トホホ」23 家康の英断!集団高台移転

<<   作成日時 : 2017/05/15 05:25   >>

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筆者の生息地・名古屋市が自ら行ったアンケート調査の結果は・・・全国主要
都市の中で「魅力に欠ける街」、もっと直截な表現なら、「行きたいと思わない
し、住民もお薦めできない街」
としてトップ、すなわち魅力の順番ではダントツ
「ドベ」(名古屋弁で最下位/ビリ/ワースト1/テールエンドの意味)・・・

この現実はトホホとしか言いようがありません。 
そこで、現実逃避というわけではありませんが、気持ちを切り替えて、
栄光ある時代の「名古屋」の歴史を探ってみることにしました。

さて徳川家康(1543-1616年)の命により、名古屋城の築城(1612年頃)に
伴い、家康九男・義直を徳川御三家筆頭・尾張藩として立てた。
このことがご当地名古屋の実質的な「都市デビュー」?と言っていいのかも
しれません。

それまでの名古屋はそれこそド田舎村で、それが証拠に尾張国(現:愛知県
西部)出身の織田信長(1534-1582年)は清州をその中心都市とする形で
活動していました。 
「交易促進」の意味からも、信長はド田舎村にすぎない名古屋よりも
水運環境に恵まれた清州を重視していたのでしょう。

ところが、この信長と、続いて豊臣秀吉(1537-1598年)という天下人が
相次いで亡くなった後に天下を取った家康は、その都市機能を清州から
数キロ東の名古屋へ移すことにしました。
それは超大規模な「引っ越し」?となり、武士、町人などの住民はもちろんの
こと、神社・仏閣さらには町屋約2,700戸のほとんど、つまり清洲にあった
城下町丸ごとの移転でした。 いわゆる「清州越し」(1612頃-1616年頃)です。

一般的には、その理由として「関ヶ原」以降の徳川家には、大坂・豊臣家の
勢力に対抗しなければならないという政治情勢があったことが挙げられて
います。 確かにそうした面は否定できません。

ところが、「それだけではなかったのだゾ」という内容が、何年か前に地元の
地方紙・中日新聞の記事になったことがあります。(2012年10月22日/朝刊)
〜清洲越しは「高台移転」〜との見出しで、記事は概略こんな内容。

/戦国末期の「天正地震」(1586年)による大津波と液状化現象で、
  東海・近畿・北陸の各地でも、城が倒壊するなど大きな被害を受けた/
/後年に行われた清州城跡の発掘調査(1988年)でも、液状化現象の痕跡が
  見つかっている/

/この地震を契機に、織田信長次男・信雄(1558-1630年)が居城を沿岸部の
  長島城(伊勢国)から内陸の清洲城(尾張国)に移したものの、内陸に
  移って津波の不安こそなくなったが、今度は地盤の緩さが問題となった/
ともあります。

つまり、清州は水運環境に恵まれる反面、地震や川の氾濫など、自然災害に
対する防災面では弱点を抱えていたわけです。
では、歴史上例のない大被害だったといわれるこの「天正地震」がいかに
物凄いものだったのか? 

徳川家康像51 名古屋城戦前01









徳川家康像/戦前の名古屋城

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その一部だけでもこんな按配。
○伊勢湾・若狭湾/津波による大被害
○伊勢国/前出・織田信雄の居城「長島城」が倒壊
○尾張国/「小牧・長久手の戦い」(1584年)の舞台にもなった蟹江城が壊滅
○近江国/秀吉が最初に築いた居城・長浜城が全壊
○飛騨国/帰雲城とその城下町が土砂崩落で一瞬にして消滅

つまり、尾張国およびその周辺国では、並大抵でない甚大な被害を受けた
わけです。
さらには、家康が天下掌握に目を向けていた慶長年間(1596年-1615年)
には、日本列島の各地で大地震が頻発し、京都・伏見城の天守閣を倒壊
(1596年/慶長伏見地震)させるなど、全国各地に甚大な被害を与え続け
ました。

こうした経緯に、徳川家康が鈍感であったはずがありません。
「危機管理の名人」と言われるくらいの人物ですからね。
将来の大地震を見越して、清州の軟弱地から高台・名古屋への集団移転を
断行・・・これが「清州越し」だったとしているわけです。

なにせ、将軍家に次ぐ格式を持たせた「御三家筆頭」ですから、少々の地震・
津波などで被害を呈するようでは、威厳発揮どころか、権威失墜になること
間違いなしで、これではモロに逆宣伝になってしまいます。
その意味で、「清州越し」は政治的にも的確な判断・処置だったといえそう
です。

ただ、こうした誕生経緯を持つ「高台・名古屋」も、その後には少なからず
「被害」を経験しました。 「地震」に限っただけでも、
1605年「慶長地震」→→→千葉県から九州に至る太平洋岸に大津波
1707年「宝永地震」→→→記録に残る最大級の地震
1854年「安政東海地震」→その32時間後に「安政南海地震」
1891年「濃尾地震」→→→名古屋城の城壁や宿場町に大被害
1944年「東南海地震」→→名古屋でも30cm前後の地盤沈下

「集団高台移転」を断行したものの、必ずしも「天災被害ゼロ」の街には
できず、危機管理の名人であるさすがの家康も、自然が持つ底力には
勝てなかったというところでしょうか。

しかし、地盤液状化の心配を回避できたことだけでも、一定の「減災」効果を
上げたことは確かでしょう。
ところが、大英断を下した「東照大権現」様・家康とて、後世の人間の浅薄な
行動までは読み切れませんでした。

江戸期・明治期になると、「遠浅」だった伊勢湾を新田開発の目的で、エッサ
エッサと干拓・埋め立てをして土地を誕生させたのです。
ですから、埋め立て地つまり現在の名古屋市域の南部(概ね熱田神宮より南)
は、いわゆる「海抜0メートル」地帯となり、このエリアを「高台」と呼ぶことが
いささか憚られる状況になってしまったのです。

このことを知ったら、家康がなんて言うのでしょうか?
〜トホホだね。 莫大な金を掛けた上に、わざわざ「低地」に住もうなんてする
  尾張名古屋人はよほどのタワケ(馬鹿者)揃いか!〜

ちなみに、家康自身はその尾張国の隣の三河岡崎人・・・ですから、遠慮なく
こんな啖呵も切れるわけです。

ということは、家康のいう「低地」に頓着なく平気で住み続けている筆者の
「クソ度胸」を知った東照大権現様(家康)はこんなのひとり言を?
〜呆れたね。 21世紀も尾張名古屋人もトホホのタワケ者揃いか!〜



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