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zoom RSS 日本史の「陰謀」18 勤勉アイドル落日を見る

<<   作成日時 : 2016/08/05 00:01   >>

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名前はよく知っているものの、その事績についてはとんと
知らないという人物・・・恥ずかしながら、ワタシにとってそうした
一人が「二宮尊徳」※(1787-1856年)です。
※通称を「金次郎」と書くことが多いが、「金治郎」が正しいとのこと。

その昔に古老?からその名を聞き、またその像の実物も見た
ことがあるので、辛うじて薪を背負って読書する姿だけは
イメージできますが、あとはサッパリ。 「負薪読書図」

そこで少し調べてみると、経営の才があって生家・家老家・
天領など、割合身近なところで「財政再建」を成功させた人物と
説明されており、また非常な「勉強家」だったことについても
多くのエピソードが残されています。
しかしそれでも、名君・英傑などと称される人物に比べたら、
事績の面ではかなり地味な印象は拭えません。

ところが、昭和時代に入るや俄かに脚光を浴び、子供時代の
金次郎の姿が立像として日本全国の小学校に設置される
ようになります。
それだけでなく、さらには戦後(1945年〜)も、なんと「壱円紙幣」
の肖像にこの(高齢期の)金次郎(尊徳)が採用されました。 

ということは、現在はともかく、戦前昭和期には「歴史有名人」の
一人だったことは間違いありません。
ではまた、割合に地味目な人物が、なんでそんなに特別な存在
になり得たのか?
確かに「財政再建」の手腕が高く評価されたのでしょうが、どうも
そればかりではないようです。

明治末期以降の学校教育や、国家による国民指導の根幹には、
自主的に国家に献身・奉公する国民の育成という大きな目的が
ありました。
これを手早く強力に普及させようとして、この「二宮金次郎」
「広告塔」とするアイデアが出てきたように見えるのです。

〜ええか、少年・二宮金次郎は、薪を背負って歩くその時間さえ
  惜しんで勉強に励んだものだゾ〜

  (だから、お前たちもお国のために真面目に頑張るのだぞ!)

そう言えば、同じ頃かどうかは分かりませんが、こんなお話も
よく語られましたっけ。
〜ええか、少年・新井白石(1657-1725年)は、眠くなると井戸水
  をかぶって眠気を覚まし、勉強を続けたものだゾ〜

  (だから、お前たちもお国のために時間を惜しんで励むのだぞ!)

少し大げさにいえば、こうしたお話自体に国家的な「戦略・陰謀」
を感じないわけにはいきません。


二宮金次郎像51 二宮壱円紙幣51










金次郎/負薪読書図  尊徳/壱円紙幣

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ところが一転、昨今の小学校では、この「二宮金次郎像」が、
とんと見られなくなってしまいました。
「立像」減少の原因は、かつての「陰謀」?が不要になったから
というよりは、もっと現実的で切実な問題に迫られたものと考える
べきでしょう。

なまじ身近にこの「金次郎像」があろうものなら、それを真似て、
薪の代わりにランドセルを背負い、歩きながら本を読む小学生が
続出するに違いなく、悪くすれば、交通事故にもつながりかね
ません。

そこでその予防策を取ろうとするなら、誰しもがこう考えます。
〜真似させないためには「立像撤去」が一番手っ取り早い!〜
その結果、かつてのスーパースター「二宮金次郎」は次第に
忘れられていくことになり、いまではすっかり「過去の人」?に
落ち着いた感があります。

こうした落日?のパターンは、同じように「紙幣肖像」の経験?を
持つ「神功皇后」(伝説?三韓征伐)や、「和気清麻呂」(722-799年/
宇佐八幡宮神託事件)
の場合にもキッチリ当てはまっています。
つまりは、「歴史の脚光」というものは、決して永遠ではなく、その
時代の事情に沿って流動するということなのでしょう。

紙幣神宮皇后53 紙幣和気清麻呂01








神功皇后/和気清麻呂

紙幣肖像人物に限らず、消え去ろうとしている歴史があるのなら、
なおのこと、それを次代の人間にも伝えていくことが必要です。 
そんな使命感に燃えたオジサンの一人が近所のガキ(お子様)
捉まえたと思ってください。 (以下、オ=オジサン/ガ=ガキ・お子様)

オ/・・・ってな具合で、子供の頃の二宮金次郎は、歩く時間さえ
   惜しんで勉強したものだ。

ガ/でも、「歩きスマホ」をマナー違反というなら、金次郎
   「歩き読書」なんか、モロにマナー違反じゃん!
※人気ゲーム「ポケモンgo」に取り組む人は特に要注意!

うん、そうだなぁ・・・確かに現代ではそうなるが、
オ/しかし、白石なんかは、眠気をこらえて勉強を続けたのだゾ。
ガ/ダメだよ、睡眠不足は「記憶力の低下」に直結だもんね。

この返答に業を煮やしたオジサン、思わず、
〜けっ、キサマのような天邪鬼に歴史を語っても無駄だッ!〜
こういきり立つところでしたが、そこは大人ですからさすがに
控えたものと思われます。

要するに、時代が変われば、人物の行動に対する解釈自体も
変わってしまうことがあるわけで、その意味でも歴史が持つ
本来の意義を継承させることには、とっても難しいものがある?





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