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zoom RSS 日本史の「冗談?」01奇妙な公文書偽造犯

<<   作成日時 : 2012/05/25 13:00   >>

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最初に聞いたときは、てっきり「ジョーダン話」かと思いましたが、
さにあらず「歴史的事実」ということでしたので、幾分の前説を
加えながら、その「ギャグ?っぷり」を取り上げてみることに
しました。

さて、天皇の命令には「勅」とか「詔」など、種々の形式があり、
「綸旨」もその中のひとつです。
「勅」や「詔」などはそれなりの格式を持つため、その分手続き
には手間もヒマもかかり、タイムリーでスピーディな対応には
不向きである、という欠点を抱えています。
    後醍醐天皇綸旨 出展:鹿児島県
画像 その欠点を解消したのが
 「綸旨」で、これは基本的
 に天皇の意向を承った
 蔵人(天皇秘書官?)が
 その蔵人本人の署名を
 もって、そのまま天皇の
 命令書として発行します。
 この方法なら、天皇の
サインを必要としない分、確かにスピーディな決済が可能です。

「建武新政」の折、後醍醐天皇は土地政策を抜本的に見直しま
した。 簡単に言えば、従来の土地所有制度は「なかったもの」と
して、新たに自分が認めた物件だけを正式な「土地所有」として
認めてやろうゾ、ということにしたワケです。

多くの人が慌てふためいたのも無理はありません。
従来から土地を所有していた人々にとって、このことはウカウカ
していようものなら「土地なし」になってしまうことを意味している
ワケですから、それこそ驚天動地の「一大事」です。
当然、後醍醐天皇の元にはハンパでない数の「訴状」が殺到する
ことになります。

「私の土地は、ホレこの通り、カクカクシカジカの経緯をもった由緒
正しいものですので、どうかどうか従来どおり土地の所有をお認め
くださいナ」 まあ、こんな調子なんでしょう。
この種の「訴状」の決済に用いられるのが先の「綸旨」で、当然
規則どおりに蔵人がその作成に当たっていました。

ところが、その寄せられた訴状がハンパな数ではないワケです。
決済が遅れるばかりか「未決済書類」の方も山積み状態に陥いる
ことになります。

この局面で登場したのが、「ニセ蔵人」による「ニセ綸旨」です。
綸旨は手続きが簡単な分ニセモノも作りやすいわけで、当面の
「窮状」を打開するためにはもってこいの方法でもあるワケです。

さて、悪い仲間に誘われたわけでもないのに、その「ニセ綸旨」
作りに積極的に関わっていった「ニセ蔵人(公文書偽造犯?)」
がいました。 それはいったい誰だったのか?

実際は驚きますが、驚くなかれ、実は後醍醐天皇その人だった
のです。 これって、なにかしら奇妙なお話じゃありませんか?

天皇自身が蔵人の名を騙って「綸旨」を作るくらいなら、ハナから
直接自分のサインで「命令書」を作ればいいではないか!
この考え方は、一見理屈の通ったグッドアイデアのように思えま
すが、実はそうは問屋が卸さないのです。

なぜなら、先の説明にもあるように、「正式」な綸旨には必ず蔵人
のサインが必要なのですから、天皇のサインでは「正式な綸旨」
にはならず、形式・書式の上ではあくまでも「ニセモノの綸旨」に
なってしまうからです。

だからこそ、「正式な綸旨」とするためには、後醍醐天皇自らは
蔵人の名をもってサインをしなければならなかったワケです。
つまり、「ニセ蔵人」になりすまして「ニセ綸旨?」づくりに精を
出していたことになります。

これ作業をエッサホイサと続けた後醍醐天皇の胸中を想像する
ことはできませんが、少なくともハタからこの光景を見たなら、
かなり「ギャグ?っぽい」感じがするのは事実です。

おそらく、後醍醐天皇は自分が描いた「理想社会」を実現させる
ことに夢中になるあまり、自分の姿を「客観的」に眺めるだけの
心の余裕がなかった、ということなのでしょう。

というわけで、何事にせよ、あまりに一生懸命になりすぎると、
周りが見えなくなってしまい、結果として「滑稽」な姿をさらし
かねないゾヨ、というのが本編の「歴史の教訓」です。
ですからお互い「滑稽」は、顔だけにしておきましょうゾ。


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今回は読書メモではなく、拙著の宣伝です。この度、日本実業出版社さんから、『〈アウトライン記述法〉でA4一枚の文書がサクサクつくれる本』という本を出版しました。私にとっては2冊目の商業出版となります。ライターやコンサルタントなどのプロの世界では普通に使われているアウトラインから文書を作成する手法は、一般的には余り知られていません。しかしこの手法は、文書作成の効率を高めてくれる手法ですので、是非とも皆さんに知って欲しいと執筆しました。また、多くの方にお役に立てれば幸いです。以下、.. ...続きを見る
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