ヤジ馬の日本史

アクセスカウンタ

zoom RSS 日本史の「女性」02お江の将軍構想

<<   作成日時 : 2012/01/30 09:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

お江「では、義父上様は兄・家光と弟・忠長のどちらの方が
   優秀だとお考えなのですか?」
家康「それは忠長の方であろうよ」
お江「それがお分かりになっていながら、わざわざ優秀でない
   方の家光を次期将軍にしようなんて、信じられない!」
家康「そうではないゾ。兄である家光の方がふさわしい、
   と言っておるのだ」
お江「そんなの詭弁です!手品です!変態です!」

※秀忠の長男・長丸は早世したとされ、母親がお江かどうかも不明らしい。

画像 多分このくらいの会話はあったのではないだろうか。
 そう、徳川幕府において「三代将軍」を誰にするかで
 家族間には多少の意見の相違があったようである。
 初代・家康は(二代・秀忠の子)兄・家光を推したが、
 秀忠とその妻・お江は弟・忠長を就けたかった。

二代・秀忠は父・家康には頭が上がらず、年上の妻・お江の
尻にも敷かれていたから、その意見はここでは省略する。
では、なぜ舅・家康と嫁・お江の意見は分かれたのか?
それには多分こんな背景があったと想像できる。

ご存知の通り、お江の幼い頃は「戦国時代」の真っ只中であり、
事実、お江自身、実父・浅井長政の滅亡、その後には実母・
お市と継父・柴田勝家の滅亡も「実体験」しているのである。

だから、優秀で強い人間がトップに座らないことには、お家の
存続も一族の安定もない、という強い信念を持っていた。
実際、そのことにより、お江自身もかなり「数奇な人生」を
歩まざるを得なかったのだから、これは自然な考え方である。

だから、どちらを次期将軍に選ぶかについて、お江にとっては
「優秀」であることが当然一番大きなポイントになる。
では、一方家康の方はどうして嫡男・家光を考えたのか?
これにも、家康の実体験が絡む。

「戦国時代」を勝ち抜いた、という自負心が家康にはあった。
実際、家康自身が戦を重ねて敵を滅ぼしてきたのだから、
このことは実感できていたのだろう。
要するに、この後は確実に「平和な時代」に変化していくことが
予見できていたのである。

平和な時代には必ずしも「カリスマ人間」を必要とせず、むしろ
協調を保てる人物の方が適している。
確かにその人物が「優秀」であればそれにこしたことはないが、
ただその「優秀か優秀でないか」という点は、客観的な判定が
非常に困難である。

人それぞれの見方にもよるし、関わりの濃淡・相性によっても、
評価に差が出るのは当然で、これでは結果として派閥を生み、
その挙句に新たな「争い」を生む可能性を排除できない。
過去にもそのことが原因で混乱を招いた時代があったことを
思えば、要するに「曖昧な基準」は避けておく必要がある。

その点、嫡男か否かを「基準」にすれば、一目瞭然であり
見解の相違、すなわち「意見の分裂」を避けられることになる。
言葉を変えれば「曖昧さゼロの基準」を設けたわけである。

では、嫡男がもし「バカ殿・ぼんくら」だったら、どうするのか?
家康の心には微塵の不安もなかった。
その時の解決方法は実に簡単で、「バカ殿・ぼんくら」には
優秀なブレーンを付けてやればよい。
戦争のない「平和な時代」を前提にしているからこそ出てくる
発想である。

お江に、この発想はなかった。 
戦国の世において数々の「お家興亡」を体験してきた生き証人
に向かって、いきなり「平和な時代を想像しろ」というのも
難しい注文である。 だから、この点は無理もない。

お江「義父上様のご意見はご意見として、お伺いしましたので、
   あとで夫・秀忠様のお考えも伺ってみます」
家康「う〜む、そなたはどうもよく分かっておらんようだな」
お江「ヘッ、何のことですか?」
家康「ぼんくらでも将軍に就けることを、今から始めようと
   言うのではないゾ。すでに始めていることなのだ」
お江「ゲッ!それは秀忠様もぼんくら、とおっしゃっているので?」
家康「そうは言っておらん。既に始めていることだと言っただけだ」
お江「そんなの詭弁です!手品です!変態です!」

この時構築されたシステムにより、徳川幕府はその後
約250年も存続することになる。
しかし、家康の寿命の方がもう少し短かくて、三代将軍選びに
口を挟めなかったとしたら、この時のお江の「反対意見」は
「二代将軍・秀忠の意向」として陽の目を見たのかもしれない。

結局のところ、人間長生きをした方が勝ちなのである。
だからアナタも、さあ今日から「筋トレ」に励もうゾ!

〜日本史の「女性」01禅尼の動機〜


あなたの1日1クリックで!→ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ ←勇気凛々瑠璃の色! 

あなたのホンネも→ 5バツグン 4よろしい 3まあまあ 2イマイチ 1スカタン
              〜励みになります。ご協力ありがとうございました。〜

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
日本史の「言葉」08 女「さんがい」に家なし
この言葉を聞いて、「ははん、男尊女卑だった昔は女性が 三階に住むことが許されなかったんだなあ。」と理解したアナタ、 その考え方は間違いなく間違いですヨ。 「さんがい」とは「三階」ではなく実は「三界」の字を当てるのです。 ...続きを見る
ヤジ馬の日本史
2012/12/25 10:31

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
日本史の「女性」02お江の将軍構想 ヤジ馬の日本史/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる