日本史の「トホホ」10 骨が折れた謀略指南
「謀略」を最大の武器として、一代で小規模な国人から中国地方
ほぼ全域を掌握するに至った人物こそ、戦国武将・毛利元就
(1497-1571年)でした。
その「謀略ぶり」はハンパでなく、自らが他国に”騒動”のタネを
蒔き、その混乱が拡大したところで、次には親切顔してズカズカと
乗り込んでいくのですから、かなり「あこぎな毎日」を送っていたと
言えるでしょう。
チャンスとみれば「乗っ取り」にも積極的な姿勢をみせています。
後に「毛利の両川」と呼ばれるようになる「吉川(きっかわ)家」も
「小早川(こばやかわ)家」もこうして手に入れたもので、
元就次男・元春(1530-1586年)が「吉川元春」として、また三男・
隆景(1533-1597年)が「小早川隆景」の名で知られているのも、
そうした事情によるものです。
長男・隆元(1523-1567年)が割合に短命だったことから、
「毛利本家」はその隆元の子であり、元就の孫である輝元(1553-
1625年)が継ぎましたが、この名はむしろ「関ヶ原の戦い」(1600年)
における豊臣方(西軍)大将としてよく知られています。
実はこの輝元、このことによって敵・徳川家康の怒りを買い、
一度は「御家滅亡」の瀬戸際まで追い詰められました。
この時は叔父・吉川元春の奔走もあって最悪の事態だけは
免れましたが、一方で転封(広島→山口)と減封(120万石→37万石)
という強烈なダブルパンチをまともに喰らったわけですから、
その点からすれば、孫・輝元は「謀略の人」祖父・元就に比べ、
割合と実直?な常識人だったのかもしれません。

父:毛利元就 長男:隆元 次男:元春 三男:隆景
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さて、このような経歴?を持つ毛利家にはよく知られた
「三本の矢」というエピソードが残されています。
ただ、そのまま史実と受け止めるには怪しい点もあるようですが
それはそれとして、まあこんなお話になっています。
~ある日、父親(元就)は三人の息子(長男・隆元/次男・元春/三男・
隆景)を呼び寄せ、一本の矢を折るよう命じました。
息子たちが難なくこれを折ってみせると、次には三本の矢束を
折るよう命じました・・・
ところが、今度は誰もそれを折ることができませんでした~
つまり、父・元就は息子たちにこう諭したわけです。
~ええか、一本では弱い矢も束になれば頑丈になる・・・だから
君たちも兄弟間の結束をトコトン大切にするのだゾ。
そうでないと、この父のような「謀略大好き人間」によって
いい加減グチャグチャにされてしまう心配もあるからナ~
しかし、これではありきたりの教訓話に過ぎず、「謀略王」の名に
ふさわしい?「ケレン味」溢れるお話にはなっていません。
ですからワタシ自身は、真相はこんな展開だったのではないかと
疑っているわけです。
父)元就 「ええか、今度は三本を束ねて折ってみよ」
親の突飛な言いつけに驚きながらも、そこはさすがに
昔のことですから、子供たちもシブシブ従います。
長)隆元 「うっ!・・・折れませぬっ!」
次)元春 「ううっ!・・・や、やはり、折れませぬっ!」
三)隆景 「うううっ!・・・(ペシッ!) やっ、折れましたっ!」
エッとばかり驚く一同、とっさに隆景を見やって・・・
父)元就 「なにっ!折れたと申すか?」
三)隆景 「はいっ!いかにも!・・・指の骨が折れました!」
そこで出番の父・元就、口調も重々しく・・・
父)元就 「ええか息子達よ、何事につけ真正直にやっておっては
このように骨が折れるばかりなのだッ・・・
この指南を得て君たちも今しみじみ”謀略”の大切さが
分かったであろう、ええか心に刻んでおくのだゾ!」
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---これまでの 「トホホ」 シリーズ-----------------
197 日本史の「トホホ」09 キリスト教の凡ミス? 不十分だった事前調査?
189 日本史の「トホホ」08 天皇もクビになる? もっと偉い人がいる?
178 日本史の「トホホ」07 連続”急死”事件?を疑う 偶然の不幸なのか?
172 日本史の「トホホ」06 忍者・段蔵のサービス精神 成績を認めさせる!
160 日本史の「トホホ」05 鼻をへし折られた大学者 読む聞く話すも完璧?
138 日本史の「トホホ」04 ♪君たち公達で僕たち御曹司 偏食系と雑食系?
121 日本史の「トホホ」03 元寇を阻んだ“生命体X” 侵略失敗の原因?
116 日本史の「トホホ」02 不器用だった江戸幕府 先人の大胆さがあれば!
104 日本史の「トホホ」01 小幡城の消滅マジック あれっ誰もおれせんがや!
-------------------------------
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 前編「あ→と」巻 七転び八起き!
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 後編「な→ん」巻 あゝ七転八倒!
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ほぼ全域を掌握するに至った人物こそ、戦国武将・毛利元就
(1497-1571年)でした。
その「謀略ぶり」はハンパでなく、自らが他国に”騒動”のタネを
蒔き、その混乱が拡大したところで、次には親切顔してズカズカと
乗り込んでいくのですから、かなり「あこぎな毎日」を送っていたと
言えるでしょう。
チャンスとみれば「乗っ取り」にも積極的な姿勢をみせています。
後に「毛利の両川」と呼ばれるようになる「吉川(きっかわ)家」も
「小早川(こばやかわ)家」もこうして手に入れたもので、
元就次男・元春(1530-1586年)が「吉川元春」として、また三男・
隆景(1533-1597年)が「小早川隆景」の名で知られているのも、
そうした事情によるものです。
長男・隆元(1523-1567年)が割合に短命だったことから、
「毛利本家」はその隆元の子であり、元就の孫である輝元(1553-
1625年)が継ぎましたが、この名はむしろ「関ヶ原の戦い」(1600年)
における豊臣方(西軍)大将としてよく知られています。
実はこの輝元、このことによって敵・徳川家康の怒りを買い、
一度は「御家滅亡」の瀬戸際まで追い詰められました。
この時は叔父・吉川元春の奔走もあって最悪の事態だけは
免れましたが、一方で転封(広島→山口)と減封(120万石→37万石)
という強烈なダブルパンチをまともに喰らったわけですから、
その点からすれば、孫・輝元は「謀略の人」祖父・元就に比べ、
割合と実直?な常識人だったのかもしれません。

父:毛利元就 長男:隆元 次男:元春 三男:隆景
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「三本の矢」というエピソードが残されています。
ただ、そのまま史実と受け止めるには怪しい点もあるようですが
それはそれとして、まあこんなお話になっています。
~ある日、父親(元就)は三人の息子(長男・隆元/次男・元春/三男・
隆景)を呼び寄せ、一本の矢を折るよう命じました。
息子たちが難なくこれを折ってみせると、次には三本の矢束を
折るよう命じました・・・
ところが、今度は誰もそれを折ることができませんでした~
つまり、父・元就は息子たちにこう諭したわけです。
~ええか、一本では弱い矢も束になれば頑丈になる・・・だから
君たちも兄弟間の結束をトコトン大切にするのだゾ。
そうでないと、この父のような「謀略大好き人間」によって
いい加減グチャグチャにされてしまう心配もあるからナ~
しかし、これではありきたりの教訓話に過ぎず、「謀略王」の名に
ふさわしい?「ケレン味」溢れるお話にはなっていません。
ですからワタシ自身は、真相はこんな展開だったのではないかと
疑っているわけです。
父)元就 「ええか、今度は三本を束ねて折ってみよ」
親の突飛な言いつけに驚きながらも、そこはさすがに
昔のことですから、子供たちもシブシブ従います。
長)隆元 「うっ!・・・折れませぬっ!」
次)元春 「ううっ!・・・や、やはり、折れませぬっ!」
三)隆景 「うううっ!・・・(ペシッ!) やっ、折れましたっ!」
エッとばかり驚く一同、とっさに隆景を見やって・・・
父)元就 「なにっ!折れたと申すか?」
三)隆景 「はいっ!いかにも!・・・指の骨が折れました!」
そこで出番の父・元就、口調も重々しく・・・
父)元就 「ええか息子達よ、何事につけ真正直にやっておっては
このように骨が折れるばかりなのだッ・・・
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分かったであろう、ええか心に刻んでおくのだゾ!」
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178 日本史の「トホホ」07 連続”急死”事件?を疑う 偶然の不幸なのか?
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160 日本史の「トホホ」05 鼻をへし折られた大学者 読む聞く話すも完璧?
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116 日本史の「トホホ」02 不器用だった江戸幕府 先人の大胆さがあれば!
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