日本史の「偶然」02 禍災は不徳がもたらす

昨2019年12月に中国武漢市に始まり世界中へ拡散した、いわゆる
「新型コロナウイルス感染症」に対して、つい最近、国内外のこんな
動きが伝えられました。
~首相が、私立を含め全国全ての小中学校・高校・特別支援学校に、
 3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう呼び掛けた~

これが日本国内の動き(2020・2・27)で、さらには世界の動きとして
翌日(2020・2・27)に、
~世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスが世界規模で
 大流行する危険度を最高レベルの「非常に高い」に引き上げた~


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スポーツジム(名古屋)/新型コロナウイルス感染

ことのついでと言ってはなんですが、ここで筆者の生息地(名古屋市)
における新型ウイルス状況もお伝えしておきましょう。
いえね、名古屋に関心の湧かない方がほとんどだと承知はしていますが、
お伝えせねばと思ったのにはそれなりの理由があるのです。
じつは筆者の生息地域がこの「新コロ騒動」に巻き込まれたからです。

お話は拙宅から小走り5分の場所にあるスポーツジムに始まります。
詳細は避けますが、ともかくこのジムを感染者Aさんが利用したこと
で新たな感染者が発生しました。

しかも、公表されたAさんの利用は頻度も時間も異様に多く、それだけ
に留まらず、さらには近隣の同様ジムへのハシゴもあったようで、
保健当局はこのジムを含め4ケ所のスポーツジムに対して同時に
一時的に閉鎖措置に踏み切りました。
もっとも、疾風の如きAさんのこの行動の事情については、少し後に
なって地域住民もおぼろげに知るところとなったのですが。

そうこうするうちに、今度は拙宅から200Mのところにある地区会館
(コミセン)※に対しても応分期間の閉鎖措置が取られたのです。 
町内会活動などで筆者も日頃よく利用している施設です。
※「コミュニティセンター」(通称・コミセン)
 →名古屋市は、地域住民が学習・情報交換のために気軽に集まれる
  場所として小学校の学区ごとにこの施設を設けている。

うわっ、ここまで来たかと思う間もなく今度はあっちゃーです。
筆者のかかりつけの町医院、つまり最寄りの医院から新たな感染者が
見つかるというビックリ仰天の顛末。
そんなところへ続けざまに、先の首相要請やらWHOの発表などが
押し寄せたのですから、落ち着いていられるはずもありません。

しかも、この医院の感染者については県内初の感染経路不明なケース
と発表され、それを受けて愛知県知事が「新型コロナのステージが
これまでとは変わった」との認識が示されたのです。

このようにワッシワッシの勢いで追い詰められてくると、家族や地域
から感染者を出さないことに思いを致すのは自然なことです。
当然筆者もその思いを致すことにしたのですが、そんな最中にあり
ながら、じつは歴史の中にはこんな考え方・思想があったことを
ひょっこり思い出しました。
思考の回路って、本人の精神的緊張感とは別物なのかもしれません。

多少難しい言葉なら「天人相関説」ほどになるそうですが、
~人間の行為や政事(人事)と自然現象(天事)との間には密接な
 関係がある~
とする考え方です。
もう少し分かりやすい表現なら、
~施政者に徳があれば何事も上手く治められるが、なにかと災いを
 招くようならば、それは施政者の「不徳の致すところ」である~


こうした昔風の思想に立つなら、今回の「ウイルス騒動」は日本の施政者
安倍晋三首相だけでなく、感染国すべての施政者の不徳が招いた禍災と
いうことになるわけです。
ええ、もっと遠慮なく言うなら、発生源中国・習近平主席にも、
その余波を受けた韓国・文在寅大統領にも、はたまた他の感染国の
指導者にも「てんで人徳が備わっていない」ということです。

いいえ、これは筆者の意見ではなく「天人相関説」に立てばそのような
解釈になる、と言っているだけですから誤解なきよう。
要するに、自然現象(天事)に禍災が起これば、それは政事(人事)
トップに徳がないからだという理屈です。
ここで、ついつい一人の「悪名高き歴史人物」を思い出してしまうのです。


tanuma_okitsugu_01.jpg matsudaira_sadanobu_05.jpg
田沼意次/松平定信
 
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つまり、こんなことを言いたいわけです。
~彼が悪名高いのは、その政事(人事)によるのではなく、偶然にも
 その時期に自然現象(天事)に禍災が重なったせいではないのか?~


彼とは、江戸幕府第9代将軍・徳川家重(1712-1761年)や、その世子
である第10台将軍・徳川家治(1737-1786年)から厚い信任を受け、
後には老中にまで上り詰めた田沼意次(1719-1788年)です。

そして、側用人職に昇格(1767年)して以降、失脚(1786年)する
までのほぼほぼ20年の期間を田沼時代/田沼期/田沼政治/田沼改革
などと呼ぶこともあります。

通説では、この田沼意次はワイロを取りまくった悪徳政治家との人物
評価が定着しています。
しかし実際には、それらの大部分は宿敵関係にあった後の老中・
松平定信(1759-1829年)が書き残した田沼に対する罵詈雑言に
基づいたものですから、これが真相だとは言い切れません。

しかし、この頃の日本が禍災続きだったことは事実で、これが田沼に
とって大きな不運であり不幸でした。
天人相関からすれば、禍災が続くということは徳のない者が施政者の
地位にある、つまり田沼意次は不徳の人物ということになるからです。

では、どれほどの禍災があったのでしょうか? 
そこで、ちょいと探ってみると、早速こんな文言にぶつかりました。
~田沼の時代には、未曾有ともいえる飢饉や、暴風雨・洪水・火山の噴火
 などの自然災害、さらには冷夏・多雨などの異常気象が頻発した~


そこには数多な事例が挙げられていますが、そのうち意次が大老に就任
した1772年以降の目立つものを並べただけでもこんな案配になります。
○1772年(明和9年/安永元年) 
 →夏場に全国各地が暴風雨・洪水に見舞われ、農作物にも甚大な被害。
 →そのために、明和から安永への改元が実施された。

○1778年(安永7年)
 →伊豆大島の三原山、三宅島の雄山、浅間山、桜島などが相次ぎ噴火。
○1779年(安永8年)
 →旧暦4月(現在の5月)になって江戸で異常な大雪を観測。

○1783年(天明3年)
 →夏に綿入れを着なければならないほどの冷夏が襲う。
 →浅間山大噴火/火山灰の影響で関東から奥羽にかけて大飢饉に。

この中に「新型コロナウイルス感染症」は含まれていませんが、実際
「もう勘弁してよ」と言いたくなるほどの様子を呈しています。
でも、なんで禍災がこんなに頻発するのじゃ!

そんなこと、決まっているじゃあありませんか。
さっきから繰り返しているように、施政者トップに徳が備わっていない、
つまり不徳者がリーダーとなっていることに天がメッチャ大きな怒りを
覚えたからです。

つまり、「天人相関説」に従えば、
~この禍災の数々を招いた田沼は天が怒るほどの大不徳者である。 
 だからして賄賂政治にも走っていたに違いないし、よって田沼を
 失脚させることは正義の行動である~

ということになって、実際の歴史もそのように進みました。

田沼意次はその後永く「悪人」として語られ、片やその田沼を批判した
松平定信は「名君」との評価まで得たのです。
しかし、現代目線で眺めるなら、原理主義者もどきに「朱子学」に沿う
こと一辺倒だった松平路線よりは、商業や外国に大きな関心を寄せた
田沼路線のほうがはるかにその時代に合った政策を選択していたはず
なのです。

そうしたことを歴史教訓として、今回の「新型コロナウイルス感染症」
危機に際して徳・不徳を持ち出すことで、かつての田沼意次のような
歴史被害者を出すことのないように祈るばかりです。

さて、それはそれとして、今回の感染症予防の一般的衛生対策として、
手洗い/うがい/アルコール消毒/咳エチケットなどが強調されて
いますが、この騒動にモロに巻き込まれてしまった筆者の体験から、
さらにもう一つの対策を提案しておきたいと思います。

それは「メッチャ熱い熱いお風呂に入る」こと。
えぇ、要するに全身を「煮沸消毒」する方法ですね。
ただし、良い子の皆さんは決して真似をしないようにね。
だってこんなもん、間違いなしのヨタ話なんですからね。




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