日本史の「災難」13 金縛り系?の不如意感覚

筆者が望んだことではなかったのですが、顔見知りのオジサンからこんな話を
聞かされるハメになりました。
~えぇか、自分の意識はしっかりしているのに、身体のほうが思うように
 動かない状況ってのは、ありゃホントに恐怖だぞ~


オジサン族による薬・医者・検査・症状・入院・手術など己の非健康に
対する自慢話?はそれこそ耳にタコということもあって、筆者の気持ちは
逃げの一手。 
しかし、ことの成り行きって結構不運も巡るようで、この時はガッチリ
捕まってしまったのです。
こうなると、オジサンのお話は留まるものではありません。

~えぇか、ある日の午前、ありゃあ10時くらいのことだった。
 いつも通りに真面目に仕事に取り組んでいたらダ、右腕の動作に突然の
 不如意を感じたわけダ~

過去の経験からしても、こういう出足だと話が長くなりそうです。

~それでその身体の動作不良をダ、周囲の人間に伝えようとするのだが、
 今度は舌がもつれて言葉がうまく出てこない・・・要するに、文字通りに
 「お話にならない」わけだ・・・この状況ってホントに恐怖だぞ~

こうして始まったお話はこの後も延々と続いたのですが、関係者以外には
その経緯は退屈至極に決まっていますので、ここではすっぱり省略。

要するに、異変に気がついた周囲の人が呼んだ救急車で病院に搬送されるや、
間髪を入れずの救急措置を受けた挙句に、しばらくの入院を余儀なくされた
という顛末です。 ~どこがいけなかったのですか?~
止めとけばいいのに、ついつい話の相手を。

~あとから医者の言うことにはダ、こうした場合にしばらく様子見して
 からと判断する向きが少なくないが、時間との勝負という一面からすれば
 それはトコトン誤った対応であって、今回のように救急車で参上した
 ことは大正解ということだった~


筆者の知りたいことはそこではなく、体調不良の原因、いわば病気の種類
なのですが。 
~やい聞いて驚け、最近はカタカナ言葉で「ていあいええ」という名が
 ついているそうだが、ワシに言わせれば、あの状況は絶対に昔でいう
 「金縛り(かなしばり)」そのものであって、とてもじゃないが、
 それ以外のものとは考えられんゾ~


言語明瞭意味不明瞭って、実際こういうときに使うべき言葉なのでしょうが、
ともかく「ていあいええ」という暗号もどきの単語の正体が「TIA」なる
医学用語であることまでには辿り着きました。

しかしながら、「TIA」にせよ「金縛り」にせよ、普段の生活ではそうそう
頻繁に使う言葉でもありません、そこでちょいと調べてみることに。
まず「TIA」は日本語では「一過性脳虚血発作」という病名になるそうで、
その症状は、メッチャ乱暴に要約するとこんな案配だそうです。
~一時的に脳に血流が流れなくなり、神経脱落症状が現れる発作~

分かったようで分からん説明ですが、併せてこんな補足も加えられています。
~TIAを起こした人の10-15%が3カ月以内に脳梗塞になり、その半数は
 2日以内に発症している~

ゲゲッ、こうした事実があるとすれば、無事に退院を果たした挙句に、
筆者に向かって、こうした思いっきりのヨタ話?を聞かしているオジサンは、
かなりの幸運者と言っていいのでしょう。

さて、「TIA」の方はなんとなくイメージできたものの、オジサンが力説する
もう一方の「金縛り」というのがよく分かりません。
日常生活であまり使った記憶もありませんから、ということはこちらも
調べなければならないわけです

tia_sick_01.jpg kanashibari_01.jpg
「TIA」(一過性脳虚血発作)/金縛り

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その「金縛り」はこんな説明になっていました。
~主に就寝中、意識がはっきりしていながら身体を動かすことができない
 症状を指す~
 なんだとぉ、
~就寝中に意識がはっきりしているってか? 普通は誰だって就寝中は
 ほぼほぼ意識不明なのではないのかえ?~

この思いっきりのツッコミは、後で気が付いたものの、じつは「就寝中」
と「睡眠中」を取り違えた勇み足です。

このままではさすがに恰好が付かないので「金縛り」をさらに突っ込んで
いくと、別の言葉でも説明されていることにも気が付きました。
~医学的には、睡眠麻痺と呼ばれる睡眠時の全身の脱力と、意識の覚醒が
 同時に起こった状態~

なんだぁそれならに就寝中(睡眠中ではない)に多いというだけで、
「意識明瞭・動作不自由」という症状に注目するなら、ほぼほぼ「TIA」に
似ているような気もします。

ただ(筆者には意外でしたが)、日本人だけに起こる民族・人種特有の症状
というわけでもないようで、
~「金縛り」という語は、時に英語圏の研究者によって、学術論文などで
 使われることもある~
との説明もありました。 要するに、
グローバル・スタンダードへの出世途上にあるいうことかもしれません。

しかながら、これは科学的・医学的な水準が飛躍的に向上した現代だから
こそ可能になった説明ということですから、当然こんな思いも湧いてきます。
~科学知識・医学知識に乏しかった昔の人には、そのメカニズムが不明
 だったために、 ひょっとしたら、この「金縛り」を一種の心霊現象と
 捉えていたのではないか?~


だって、なにせ本人は「意識明瞭・動作不自由」な状況に置かれるのです
から、そのように結論付けるのが、最も受け入れやすい説明になるような
気がします。
それどころか、そうした科学的・医学的な説明が確立している21世紀の現代
でさえ、(オフザケなのか真面目なのかはイマイチ不明なものの)
「金縛りは心霊現象である」と説明した上で、その原因である霊魂に対する
解決方法をアドバイスするサイトもあるほどです。

で、お話は自らが患った「ていあいええ(TIA」」を「金縛り」現象と同じ
ものと受け止めた先のオジサンの話に戻るのですが、そのオジサン尽きる
ことを知らず、さらには「狐憑き」(きつねつき)にまで足を延ばします。
(もういい加減勘弁してほしいな)

~キツネの霊に取り憑かれた人間が、自分を失った異常な状況を取ることは
 知っておろうが~

(21世紀人である筆者が知っているはずがないでしょうに)

~両者はちょっと違うのダ。 えぇか、「金縛り」というのはあくまでも
 「意識明瞭・動作不自由」な症状なのだが、「狐憑き」のほうは、
 「意識高揚・動作奔放」ともいうべき精神爆発状態なのダ~


オジサンのこの感想は、結果として思い込み・独り善がりとして切り捨てら
れるものでもありませんでした。 こんな説明も見つけたからです。
~脳の疾患などで錯乱状態となることがあり、現代では狐憑きも脳の異常が
 原因と推測されている~


それはともかく、顔見知りのオジサンが救急車に乗ったことから、脳梗塞・
金縛り・狐憑きなど、やたらと広範囲にわたる話題に付き合わされた筆者の
ほうこそモロに「意識明瞭・動作不自由」の境遇を味わうことになって
しまいました。

しかしまあ、その御蔭と言ってはナンですが学ばせていただいたことも
少なからずありました。
たとえば、この手のオジサンのお話(薬・医者・検査・症状・入院・手術など)
には厳とした格付けが存在していることを思い知らされたのも、今回の
出来事がきっかけでした。

要するに、毎日の飲み薬の種類も三種類よりは五種類を服用する方が、
週二回の通院よりも週三回の方が、過去二回の手術よりも三回あったの方が、
さらにはその手術痕も五センチよりは十センチあった方が、
「おぉ、オマエの方が凄いッ!」。 
このように断然格上に評価される仕組みになっているようです。
つまり、オジサン世界においても、一目置かれる存在になるにはそれなりの
努力・実績が欠かせないわけです。



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