日本史の「デジャヴ」19 傾奇者トークと”路上”歌舞伎

恒例の(第4回)名古屋“やっとかめ文化祭”←リンクが、本年も
10・29(土)~11・20(日)の約3週間に渡って開催されています。
~まちじゅうが舞台の「芸どころ・旅どころ・なごや」の祭典へ~

このキャッチ・フレーズに沿って、たとえば「まちなか寺子屋」や
「まち歩きなごや」など、市内一円を会場として、盛り沢山の
(多分100以上?)イベントを行っているのは例年の通りです。

筆者も早速のこと、その内のストリート歌舞伎「悪七兵衛景清」”
へ・・・とは言っても上演そのものではなく、その企画・原案者・
井沢元彦氏らによる“トークイベント/異形の力~傾奇者と
日本の芸能~”
(10・30) の方に参加してきました。

ストリート歌舞伎」鑑賞そのものは「無料」ですが、こちらの
「トーク」はしっかり有料扱いで、ワンコインの500円でした。
※もっとも、チケット購入にはコンビニ手数料108円が別途必要でしたが。

ちなみに、「悪七兵衛景清(あくしちびょうえ・かげきよ)とは、
詳しいことは分かっていないものの、実在した人物であり、
元祖・傾奇者?との評価もある「藤原(伊藤とも平とも)景清」
(?-1196年?)を指しています。 

~しかしなんでまた、「逆説の日本史」の著者・井沢元彦氏が
  「やっとかめ文化祭」のこうした場面に?~
 
こんなクエスチョンを抱くようなら、アナタのことを「世間知らず」と
言わざるを得ませんでぇ。 
名古屋市生まれの井沢氏ですから、その義理?もあって、
「やっとかめ文化祭」とは縁が切れないのは当然なのです。
その“トークイベント”のメンバーは、以下の御三方でした。

井沢元彦氏/今回の“ストリート歌舞伎”の企画・原案者
西川千雅氏/「やっとかめ文化祭」ディレクターの一人で、
  日本舞踊西川流四世家元(かずまさ/三世家元・西川右近の長男)
前田慶次氏/「名古屋おもてなし武将隊」(別名:イケメン武将隊)
  から、代表的な「傾奇(かぶき)者」の一人として参加
  ※本物の「前田慶次」(1533?-1605年?)は前田利家の義理の甥

そして以下は、当日のトーク内容を伝える新聞記事から抜粋。 
(中日新聞2016・10・31朝刊/下の写真も同じ)
~歌舞伎など多くの芸能が戦国時代の終わり頃に隆盛したのは、
  (井沢)「死と隣り合わせの時代。生きている時代を思い切り
  楽しむ発想から、多くの文化や芸能は生まれた」~


~井沢さんが、歌舞伎の語源が奇抜な身なりや行動をする意味
  の「傾(かぶ)く」だとする説を取り上げると、よろい武者姿の
  前田(慶次)さんが、「好きなことを信念を曲げずにやるのが、
  わしらかぶきものじゃ」と盛り上げた。~


また記事にはなかったものの、日舞家元:西川千雅氏からは
「歌舞伎の言語・動作はなぜ悠長なのか?」とか、「日常と
歌舞伎の動作の相違」などについても、即興的な実演を交え
ながらの、ビジュアルで分かりやすい説明がありました。


やっとかめ井沢02

















中日新聞 2016・10・31 朝刊/右端は武将隊「前田慶次」

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さらに加えるなら、上の写真では分かりにくいかもしれませんが、
この日の西川家元は「和服姿+靴」という、まさしく「傾奇者」
呼ぶにふさわし姿で登場されたのです。 
なにも驚く必要はありません。 本来この場で履くべき「草履」を、
タクシー内に置き忘れたまま下りてしまったという、誰にもあり
得る至って迂闊な事情だったからです。

もっとも、そうしたことばかりでなく、今回の“トークイベント”は、
これ自体がいささか「傾奇者」の傾向がありました。
というのは、会場が「シネマコンプレックス」(複合映画館)である
「109シネマズ名古屋」の「シアター3」・・・つまり、普段は映画を
上映している空間だったからです。

折角の大きなスクリーンを利用しない手はありません。
ですから、第1回目(前日10・29上演)“ストリート歌舞伎
「悪七兵衛景清」”
の上演風景をスライドで紹介しながらの
“トークイベント”という運びです。

西川(スライドを示し)ここで使っている人形は、実はこのために
     私が購入した「バービーちゃん」なんですよッ~

司会~家元もやりますねぇ・・・こんな可愛いらしい「お人形さん」
     を買い求めるなんて、随分と勇気が要ったでしょうに~
西川~勿論そんな勇気はないから・・・インターネット通販!~

折角ですから、“ストリート歌舞伎「悪七兵衛景清」”にも少し
触れておきます。
まず“ストリート歌舞伎”とは、劇場内ではなく屋外で演じる、
つまり”路上ライブ”?形式の「歌舞伎」を意味しています。

続く「悪七兵衛景清」・・・これは前出の通りです。
また、頭に付く「悪」とは、アナタのような悪人を意味するのでは
なく、むしろその「勇猛」さ表現した言葉ですから、全体とすれば
「藤原景清」をニックネームで呼んでいる感じでしょうか。
実在したとはいうものの、その生涯に謎の多い人物であるため、
各地に様々な伝説が残されているようです。

ご多分に漏れず、ご当地・名古屋にも、没落後の隠遁生活を
この地で送ったとの伝承があり、現に「景清社」も現存して
います。 (熱田区神戸町/熱田神宮の南西すぐ近く)
謎めいている上に豪傑ですから、物語の主人公に取り上げる
には「もってこい」の人物ということなのかもしれません。

それはそれとして、この「やっとかめ文化祭」を地元(名古屋)以外
の方にお知らせしようとする場合、まあ大抵はこんな質問の
逆襲?に遭遇します。
~「やっとかめ」ってなにさ? どんな亀? 何を噛むの?~
筆者にとってこの質疑応答の成り行きは珍しくもありません。
ですから、イヤでも「デジャヴ」ということになるわけです。

そして、この「やっとかめ」という言葉を単なる方言と捉えている
方も少なくない印象です。 ところがドッコイ、「芸どころ・なごや」
の言葉文化はそれほど底の浅いものではありません。

漢字で書くなら「八十日目」・・・ことわざにもある
~人の噂も七十五日~ これを超えた「八十日目」ですから、
つまりは、噂話も消えてなくなるくらいに「メッチャお久しぶり」
意味になるのは (頭の冴えた人なら) すぐ気が付くところです。




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