日本史の「事始め」02 日本ヒコーキ野郎の足踏み

1903(明治36)年12月17日、ノースカロナイナ州で行なわれた
ライト兄弟による数度の飛行実験は、距離にして250mほど、
時間にして1分近くという「大記録」を打ち立てました。
これが「有人動力飛行」、つまり飛行機によって「人間が空(中)
を飛ぶ」
ことに成功した世界最初の出来事とされています。 
※兄・ウィルバー・ライト(1867-1912年)ライト家の三男。
  弟・オーヴィル・ライト(1871-1948年)ライト家の四男。


ところが意外なことに、同じ頃「空飛ぶ機械」の開発を目指して
いた人物が、この日本にもいました。 
陸軍に徴兵配属されていた1889年、自ら名付けた「飛行器」
考案に取り組んでいた愛媛県出身・二宮忠八(1866-1936年)です。

ある日のこと、二宮は空を飛ぶカラスが”羽ばたきをしない”で
滑空していることに気付き、
~それなら、翼で風を受け止めれば空を飛べるかもダッ~
この着想が彼の「飛行器」作りの原点になりました。

しかし、こうした「原理」自体は個人レベルで会得できるとしても、
莫大な費用を必要とする「実機飛行」はそうそう容易なことでは
ありません。
そこで二宮は「軍」に対して二度ほど「資金協力」を願い出ること
もしたのですが、結果は二度とも「却下」・・・
簡単に言うなら、軍は「空飛ぶ機械」なぞは絵空事であり、
~この世ではあり得ないことッ!~との判定を下したわけです。

飛行機を見慣れた現代人には、ちょっとばかり「驚きの裁定」と
いうことになりますが、実は一方のライト兄弟の「飛行機」も
同様な目に遭っていました。
アメリカの軍・学者・新聞は、それはもう非難の大合唱で・・・
~機械が空を飛ぶなんて、科学的に断じて不可能なのだッ!~

社会が「新しい概念」を理解し受け入れることは、洋の東西を
問わず、そうそう簡単でないことをうかがわせるエピソードです。


ライト兄弟飛行機 二宮忠八02









     ライト兄弟の初飛行/1903年   二宮忠八/日本ヒコーキ野郎

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さて、軍の無理解に遭遇したものの、自らの「飛行器」開発の
夢を捨てがたい二宮は、今度は「資金づくり」から始めることを
決意して軍を退役。 その後民間会社に入社したのですが、
結果的にはこの方法は「足踏み」になりました。

なぜなら、会社での業績を上げ1906年には支社長にまで昇進
したものの、その間に期待したスポンサーが現れることはなく、
海の向こうのライト兄弟によって「世界初飛行」を実現されて
しまったからです。 おそらく「日本ヒコーキ野郎」としての二宮は
大いなる落胆を味わったことでしょう。

でもこの書き方だと、こんな予断を与えるかもしれません。
~もし徴用時代に軍が、あるいはその後の会社時代に支援者
  が現れていたとしたら、二宮はすんなり「世界初飛行」を実現
  させられた~


ところが、これがいささか”微妙”なところで、この時二宮が製作
していた「飛行器」は理論面はともかく、後になって機体重量に
対しての動力パワー不足であった可能性が指摘されていますし、
また仮に、その課題を乗り越え、晴れて「飛行成功」にこぎつけた
としても、「世界初」という名誉をすんなり手中に収めることが
できたかどうか?・・・できなかった可能性も高かったのです。

栄誉ある称号「世界初」を、絶対に民間人には与えたくない・・・
当時、こう考える勢力が結構露骨な活動を見せていたようで、
実際ライト兄弟自身もそうした理不尽な騒動に巻き込まれて
います。
同じアメリカ人に対してすらこんな有様だったのですから、これが
この時代の「東洋の黄猿」日本人の仕業ということになれば、
さらにその上を行く妨害・嫌がらせを蒙ったに違いありません。

それを思えば、ライト兄弟に先を越された現実は「技術者・二宮」
としては非常に無念なことだったでしょうが、一方では「世界初」
を巡る不毛な騒動に巻き込まれずに済んだとも言えるわけで、
その意味では幸いだったのかもしれません。

しかし、洋の東西を問わず偉人とされる人物はなぜ揃いも揃って
鋭い観察力を備えているのでしょうか?
見慣れた「カラスの滑空」姿勢なんぞから「飛行器」のヒントを得た
二宮忠八も確かにその通りなら、「リンゴの落下」風景から
「万有引力」の存在を引き出したニュートンの観察力にも
驚かされます。 ※アイザック・ニュートン(1642-1727年)/イングランド人

これは負けてはおられんと一念発起したワタシも公園ベンチに
陣取り、「空に浮かぶ雲の動き」を鋭く観察ッ!
ただ陽気のせいか、ついウトウトしちゃって・・・
う~ん、このへんが凡人の凡人たる所以かもしれんなァ?



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---これまでの 「事始め」 シリーズ---------------
275 日本史の「事始め」01 将軍は”オンチ”が大嫌い 尾張藩主の所信表明!
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ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 前編「あ→と」巻 七転び八起き!
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 後編「な→ん」巻 あゝ七転八倒!
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