日本史の「怪人」09 実在?架空?この人物

四国はJR「今治」駅前に、その昔娯楽時代劇「真田十勇士」
によく登場していた「猿飛佐助」の像が立っています。
その名前からしても、てっきりお話を面白くするために創作された
「架空の人物」だと思い込んでいたのですが、必ずしもそうは
断言できないとのことで、これにはちょっとした驚きました。
※戦国武将・真田幸村のスーパー家臣十人のことで、小説や映画では
  超人的な活躍を・・・(ご存じないお若い方のために親切心から注記)


独創的な歴史感をもつ国民的作家・司馬遼太郎ですら「実在」を
支持する側にあって、この”猿飛佐助”の正体を「三雲佐助賢春
(上月佐助)」だとしているようですから、「トンデモ説」で片付けて
しまうことは、とてもできることではありません。

では、その「実在」の“佐助”たる人物の詳しい経歴は?
多分、そこまでは分からないでしょう。 
素人の直感でも、「秘密諜報員」もどきのプロとくれば、克明な
記録が残されているとはさすがに考えにくい。

なんとなく胡散臭い人物といえば、この方もそのひとり。
「釜茹で刑」に処された、大盗賊?の“石川五右衛門”も、実は
よく似た境遇にいます。 
その怪しさに満ちた存在感からして、勝手に「架空人物」と決め
付けていたのですが、ドッコイこれがまた「生年不肖-1594年没」
(Wikipedia)とされており、見事に「実在」を裏付けているのです。

さらには、当時の宣教師の報告に「盗賊の親分が処刑された」
との記事がある上に、そこへ別の宣教師によるこんな注釈が
書き加えられていることも、その傍証になるのでしょうか。
~1594年夏、 “石川五右衛門”とその家族が油で煮られた~

だったら、あの有名な辞世の句は本物だったのか?
~石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ~
う~む、見かけは強面だが、意外に繊細な文学的才能?を
備えていたのかもしれません。


猿飛佐助51 石川五右衛門51 武市半平太51  









 猿飛佐助/今治駅前  石川五右衛門/釜茹で  武市半平太

  応援クリックは→ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ  ↓コメント欄はいちばん下↓

さて話は飛んで、この台詞、ご存知でしょうか?
雛菊/月様、雨が・・・ 月形/春雨じゃ、濡れてまいろう・・・
※この場面を観た人でないとその状況は想像できないかもしれん?

そう、かつては映画や芝居の人気者だった「月形半平太」の
名台詞です。 こんな気取った台詞がよく知られているからには、
この幕末のヒーロー“月形半平太”も疑いなく「架空人物」だと
思っていました。

ところが、先の“佐助”“五右衛門”とは異なるパターンで、
また、すっかり裏をかかれました。
「架空人物」には違いないのですが、実はこの“半平太”には
歴とした「実在人物」のモデル?がいたのです・・・それも二人。

福岡藩士・月形洗蔵(1828-1865年)と土佐藩士・武市半平太(1829-
1865年)
がそれで、ともに幕末期に思い切りの活動を見せながら、
非業の最期を遂げた人物です。
そういえば、この“月形/半平太”という名前も、双方から半分
づつ頂いた恰好になっています。
※映画「月形半平太」(1952年)では、架空人物“月形半平太”の最期も
  描かれているとのこと・・・はて一体、どんな死に様だったのでしょう?

「実在」の月形洗蔵は、藩の汚職を批判したことから、幽閉・
解放・蟄居などの紆余曲折を経て最後は斬首。
一方、「実在」の武市半平太も、土佐勤皇党を結成し、藩論を
尊皇攘夷に転向させるほどの実力を示しましたが、これもまた
最後には切腹を命じられています。

そうした激動の時代にあって、文字通り波乱の生き様を示した
「実在人物」をモデルにしながら、「架空人物」の方には、
~春雨じゃ、濡れてまいろう~などと風雅さを持たせた、その
意表を衝く落差の演出も人気の一因だったかもしれません。

もっとも、先の司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」が登場して以降
は、幕末ヒーローのトップの座を坂本竜馬?に譲った感は否め
ません。
しかしこの人物も、実は“竜馬”なら「架空」、“龍馬“なら「実在」と
いう程度に受け止めるのが妥当な印象です。

さて最後に、この架空人物“月形半平太”にはなんらの関連も
ない言葉ですが、~春雨じゃ、茹でて洗おう~ 
実は、お料理・おいしい「春雨サラダ」のレシピで、この場合の
春雨は~(熱湯で)茹でて(冷水で)洗う~のがコツだそうです。





  応援クリックは→ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ  ↓コメント欄はいちばん下↓

          


---これまでの 「怪人」 シリーズ----------------
262 日本史の「怪人」08 洋学者”象山”の日本人離れ その面貌と大言壮語
215 日本史の「怪人」07 慶安のリストラ蜂起 無策政府には我慢がならぬ!
210 日本史の「怪人」06 戦国の起き上がり小法師 知恵と行動が復活の鍵!
169 日本史の「怪人」05 彼は何の種を蒔いたのか? 自虐史観のA級戦犯?
162 日本史の「怪人」04 遺体は世界を駆け巡る? 聖人は死後も広告塔を!
158 日本史の「怪人」03 丸か四角か?この地球 地球論争ガチンコ対決!
147 日本史の「怪人」02 “親の七光り“を捏造? 親が偉けりゃ自分も?
145 日本史の「怪人」01 西鶴の超人技は本当か? 早口言葉と腹話術?
-------------------------------
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 前編「あ→と」巻 七転び八起き!
ヤジ馬の日本史~超駄級・200記事一覧~ 後編「な→ん」巻 あゝ七転八倒!
-------------------------------

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック