日本史の「迷宮入り」13 神様にタメ口はいかん!

言葉の頭に「御/お・ご」をくっつけて丁寧な表現にするのは、
いわゆる「女房言葉」の特徴の一つだったようです。
食べ物の類なら「ごはん/御飯「おかず/御数「おにぎり
/御握り
なども元々はそうした例の一つだったのでしょう。

念のため申し添えますが、ここで言う「女房」とは、その昔朝廷や
貴人に仕えた女性使用人のことであって、現在の夫婦間で
用いる夫に対する女房(妻)のことではありません。
現代の「女房言葉」に「御/お・ごがくっつくのが稀であることは、
アナタだって充分にご承知のはずです。

しかし、初めは丁寧な表現にしたつもりでも、長い間使い続けて
いると、それがごくごく”普通の言葉”になってしまうものです。
なるほど確かにその通りで、現代の日常生活において、先の
「ごはん/おかず/おにぎり」を特段「丁寧な表現」だと意識する
ことはありません。 ※この現象を「敬語のインフレーション」と呼ぶとか。

とはいうものの、この「敬語インフレ」も、相手が人間の場合は
さほどの不都合もありませんが、これが「神様相手」ともなると、
そうは言ってもおられません。
神様に対して「タメ口」もどきの言葉を使うなんてことは、人間側
の心情としても、さすがに不敬に感じられ憚られるからです。
その意味では、これも一種の「言霊信仰」なのかもしれません。

現代人と違って?信心深かった先人達ですから、神様に失礼が
あってはならじと、この「敬語インフレ」には熱心に取り組んだ
はずです。
しかし、さしたる名案も浮かばなかったのか、結局のところ
「う~ん、申し訳ないが、“御”を付けることで許していただこう」
ということに?

ところが時間が経つに伴い、また更なる「敬語インフレ」現象に
見舞われましたが、またしても妙案が浮かばず、再び
「う~ん、申し訳ないが、さらにもうひとつ“御”を重ねることで
許して頂く他に道はない」
という運びになったようです。

その「状況証拠」をいくつか挙げておきましょう。
 酒 /き  → みき → おみき /御御酒
 輿 /こし →みこし → おみこし/御御輿
 籤 /くじ → みくじ → おみくじ /御御籤
しかし、さらに上を行く「御」のオンパレードもあるのです。


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もっと多くの「御」が並ぶ言葉って・・・そんなのがあったっけか?
それがあるんですねぇ・・・「敬語インフレ」に熱心に?取り組んで
きた日本人には。

「おみおつけ/御御御付け」がそれです。 元は飯に並べて付けら
れることから、単に「付け」と呼んでいたものを「敬語インフレ」
経て、「おつけ/御付け「みおつけ/御御付け →→そして
遂には 「おみおつけ/御御御付けへと変身?させたようです。

ではなぜ、「御御輿/おみこしなどの対”神様”用語?よりさらに
多い「御」の数になったのか?
言葉は悪いのですが、たかが「付け」のどこにそれほどの御威光
があったのかということです。

もっとも、若干の豆腐やネギだけが浮かんだものが「味噌汁」で、
山菜・海草など(実・具)をワンサカ入れたものを「おみおつけ」
する説もありますから、つまり栄養面からしても人間にとっての
「生命維持食品」であるからには、その表現にもそれなりの待遇?
が必要と考えたのかもしれません。

しかし、それならそれで、同じく「生命維持食品」である主食の
「ごはん」の方が素っ気なく「御飯」のままではいかにも不公平で
また整合性にも欠けます。
「付け」に倣って、せめて「おみごはん/御御御飯くらいには表現
して欲しかったところです。

ところが、こうした「敬語インフレ」に依らない説明もあって、
それによると「おおつけ」は「御御付」であって、この「味」
「味噌」のこととしていますし、他にも「おおつけ」の「み」
「実」であって、「汁の実」つまり現代風にいうなら「具」のことで、
漢字に直せば「御御付け」になるという見解もあります。

要するに「絶対にこれだ!」という万人が納得できる説はまだ
見つかっていないようですから、つまりは半ば「迷宮入り」です。
ということで、ここでスマートに止めておけば他人様からも
好かれるのでしょうが、悪い癖でついつい蛇足を。

「屁/へ」を意味する「おなら」は、元々は「鳴らし」で、それを
(昔の)女房」たちが上品・婉曲に「お鳴らし」と表現したことが
語源?になっているようです。
だったら、漢字に直せばこれも 「鳴ら」 ということですが・・・
つまらぬ話題にお付き合いさせちゃって ”免・めん” ね。





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