日本史の「アレンジ」09 耶蘇教・伴天連・切支丹

たとえば、こんな紹介だと幾分の違和感がありますか?
耶蘇教が伝わった16世紀、伴天連の活動により、
  この日本にも多くの切支丹が誕生した~

現代の言葉を使えば、まあこんな感じです。
キリスト教が伝わった16世紀、宣教師の活動により、
  この日本にも多くのキリスト教徒が誕生した~


では、この文中にある耶蘇教(やそきょう)/伴天連(ばてれん)
切支丹(きりしたん)
の語源?は一体なに?
知っているつもりでも、いざ突っ込まれると案外しどろもどろに
なるものです。

そこで「にわか勉強」に及んでみると、「耶蘇教」の「耶蘇」とは、
元々イエス・キリストの「イエス」のことで、中国語表記の
「耶蘇」をそのまんま取り入れたようです。
もっとも、当時の人たちが「ヤソ」と呼んでいたということであり、
現代日本ではこれを「イエス」と発音し表記しています。

では次に、現代語の「宣教師」が似ても似つかぬ「伴天連」
なっているのは?
これも分かってしまえば割と他愛のないことで、「神父」を意味
するポルトガル語の「パードレ」が語源?でした。

「パードレ」と「バテレン」では、確かにその音も印象も大きな違い
を感じさせますが、当時の人には「バテレン」に近い音として
聞こえていたのしれません。

これまでは割とスムーズに説明が進みましたので、最後に
「切支丹」ということになりますが、これはさすがに多くの方が
すでにご存知のようでした。


切支丹踏絵01 切支丹踏絵02










         「踏み絵」の様子          「踏み絵」に使われた像

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ご明察の通り、この「切支丹(きりしたん)」は、英語の「クリスチャン」
に当たる、ポルトガル語「キリシタン」?から来ています。
当時は「キリスト教徒」のことを一般的にこう表現しました。

ただ、関わりの深かったオランダ人がその範疇に含まれなかった
のは、同じキリスト教ではあっても、宣教師たちの「カソリック」に
対し、オランダ人は宗派の異なる「プロテスタント」だったという
理由もあってのことでしょう。

ところが問題はその表記方法、すなわち「漢字」の選び方です。
当初は「吉利支丹」としていましたが、禁教・弾圧の方針に伴い
江戸時代以降は「切死丹」とか「鬼理死丹」など、敢えて意地の
悪い当て字を使うようになりました。

特に五代将軍・綱吉の名にある“吉”の字に遠慮して、これ以降
“吉利支丹”の表記が“切支丹”に落ち着いたようです。
そりゃあそうでしょう。
この「キリシタン」を一方で「邪悪なもの」として弾圧しながら、もう
一方で、それは「吉利支丹」であると、佳字を使っていたのでは
さすがに恰好が付きません。

さてここまでくると、もう一つの疑問が生じてきます。
当の「切支丹」の信仰の対象である「デウス(神)にも悪字を
当てて、さらに強い悪意をもって貶めることもできたはずですが、
なぜそこまで徹底しなかったのでしょうか?  

いいえ、実はちゃんと実行に移しました。
当時はこの「デウス」「ダイウス」とも言っていたことから、
さらにその上にアレンジを加え、無理やり「ダイウソ」と発音し、
そこへ悪意を持って「大嘘」との当て字をして、せっせと侮辱に
努めたのです。

ところが、このことが歴史の中でも「事件」としてではなく、単に
「エピソード」程度の扱いになっていることからも分る通り、この
~デウスはダイウソ(大嘘)というキャンペーン?は、それほど
の影響力を発揮できませんでした。

もしこれが効果抜群だったとしたら、弾圧する側はこんな言い方
が出来たかもしれません。
~ええか、よう聞け! 切支丹とは耶蘇教伴天連に惑わされて
  大嘘を信じる輩のことなのだゾ~

これだと、かなり怪しい雰囲気が漂いますから、仮に「切支丹」
憧れたとしても、その一歩を踏み出すには相当な勇気と覚悟を
必要としたはずです。 
ところが、この「ダイウソ/大嘘キャンペーン」は見事に無視?

してみると、朝日新聞・従軍慰安婦記事の「ダイウソ/大嘘
キャンペーン」
?にまんまと踊らされた現代日本人の姿は
先人達からすれば、見事なまでにお粗末なものだったのかも
知れません。 ・・・いやぁ、先人達の「眼力」には改めて脱帽!




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