日本史の「謎解き」17 異見はなぜ”申し訳ない”の?

中国や韓国から言いがかり?をつけられる日本の姿は
昨今よく見聞きするところですが、そうした際の日本側の態度は、
よく言えば「冷静」、有体に言うなら「無反応」?を信条としている
ように見えます。

大抵は直接的な反応を控え、忘れた頃にこんな言い方を・・・
申し訳ないが、我が国の意見は貴国とは異なりますッ~

なんで ”申し訳ない”のだッ!
何事にせよ、それぞれに見方・考え方があるのだから、それが
一致しないことの方がむしろ自然だと思えるゾ。

なのに、相手に対して異見・異論を披露する場合の日本人は
枕詞(まくらことば)として、この”申し訳ない”の一言を加えることを
由緒正しい”お作法”としているようです。

う~ん、では、“~異見はなぜ“申し訳ない“~のでしょうか?
「異見」を別の言葉にするなら、~互いの意見を戦わせること~
とも表現できるので、ひょっとしたらこれがイケナイのでは?

つまり、その昔から争い事のない「和」の精神を「民族の規範」?
としてきた日本人は、意見ですら「戦わせる」ことに、ある種の
”ルール違反”を感じてしまうのかもしれません。
幾分大げさに表現するなら、「和の伝道師?=聖徳太子」
対する”謝罪の念”といったところでしょうか。

また、理性的に考えれば「意見は意見/人格は人格」であって
きっちり区別すべきもののはずですが、「異見」は往々にして、
~ワシの”見解”にイチャモンをつけやがった~に留まらず、
~このワシ(の人格)をコケにしやがった~という仰々しい誤解へと
発展します。

そこで、この枕詞 ”申し訳ない” を口上することで~アナタへの
悪口ではないのだから、くれぐれも誤解めされるナ~
の意を
念押しして伝えているのかもしれません。


   画像






  

 聖徳太子の一代
 記を現した絵傳


  国指定文化財 【紙本著色聖徳太子絵傳】 那珂市教育委員会

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つまり、この「和」の精神や「誤解回避」の作法が染み付いている
日本人は、「意見を戦わせること」に、少なからず「ためらい」を
感じているということなのでしょう。

んなバカな! 意見を戦わせることは民主主義の基本であり、
正義でもあるはずだッ! こう、おっしゃりたいあなた・・・

しかし、こうした信条は寝布団がベッドに、下駄が靴に変わった、
たかだかここ百数十年間に学習した「メッキ製品」に過ぎないの
です。 そして、まだ「日本民族のDNA」にはなっていないことも
事実です。

ところが、「和」や「誤解回避」などの「民族の常識」の方は、
その何十倍もの時間を掛けて大事に育ててきたものですから、
「民族のDNA」として現代人の心にもきっちり組み込まれている
わけです。

だからこそ、「常識ハズレの日本人」?と批判されないためにも、
”申し訳ない” の枕詞を必要とするのでしょう。
ということで、自画自賛したくなるようなここまでの理論展開を、
ある人に披露したところ、なんと、こんな答が返ってきました。

~う~ん、”申し訳ない” がそれはちょっと違うんでないかい?~
そら見ろ、ここでも確かに ”申し訳ない” がくっついているぞ!
だったら、ワタシの理論展開はやっぱり正しかったのだッ!

しかし、よく考えてみれば、相手は「ちょっと違う」と言っているの
だから、やっぱりどこかが間違っているのかえ?
”申し訳ない” が、この辺のところはよく分からないままなのです。




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この記事へのコメント

2014年05月24日 22:56
脈々と現代人まで受け継がれている十七条憲法「和を以て尊しと為す」の精神。
集団的自衛権行使を目指しながら「申し訳ないが~」と関係先(関係国)に説明している安倍総理の姿を想像すると滑稽に思えます。
英語ではExcuse meといったところでしょうか・・・。

最後に登場された方の「申し訳ないが~」は勝利宣言のようにも思えます
勝利宣言の代わりに使う人もいますよね。。。
日本語は難しいです
2014年05月25日 15:12
>明日は晴れるかなさんへ

こんなド渋い記事にも注目してくださって
ありがとう。
現代日本人も間違いなく、先人達のDNAを
引き継いでいるように感じたのがこの記事に
なりました。
今後も、あることないこと、え~ころかげんな
記事を続けるつもりですので、ぜひまたご意見を
お聞かせください。 どうぞよろしくッ!

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