日本史の「謎解き」14 何処が”皇”の住処?

さて、次の言葉の“皇“の部分をなんと読みますか?
天皇/皇后/皇太子/上皇/法皇/新皇/皇帝
振り仮名をすれば、順にこうなります。

てんのう/こうごう/こうたいし/じょうこう/ほうおう/しんのう/こうてい

文字は同じ“皇”ですが、なぜか、それぞれに違った“音”を
当てており、その読み方は統一されていません。

古代から“言霊信仰”を持ち、「言葉」には敏感な反応を示す
日本人が、敢えてこのような“仕分け”をしているからには、
そこに何かしらの意味・理由があろうというものです。

で、その“読み方“(音)を分類してみると、こうなります。
のう=天皇/新皇
こう=皇后/皇太子/上皇/皇帝
おう=法皇 

こうして並べてみて、奇妙に感じるのは“上皇”でしょう。
これが、「太上天皇」(だいじょうてんのう/だじょうてんのう)という
正式?な言葉の短縮形として定着したものなら、素直に、
「じょうのう」としてもよさそうなものですが、なぜか“じょうこう”
正しい?とされているのです。

また、西の正式?な「天皇」に対して、平将門(不詳-940年)が
東の「新しい天皇」という意識を持って名乗った“新皇”も、
“しんこう”や“しんおう”ではなく、“しんのう”とするのが正しい
とされています。

では、その「線引き」は、いったいどこに?
どうも、この“上皇”と“新皇”の読み方にそのヒントがあるような
気がして、そこで、上の「読み方分類表」?を達磨(だるま)大師
のように見つめ続けること九年・・・(この行動を「面壁九年」という?)
ついに、その「規則性」に気がついたわけです。


画像














 平親王将門/絵:歌川国貞

 出展:坂東市観光協会


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読みの“音”の違いは、それぞれの“住処(すみか)と連動して
いるのではないか?・・・つまりこういうことです。

のう=天皇/新皇
   →天照大神の子孫という身分?を表す。
    つまり、在位期間は人間の世界を離れ、“神様”の世界に
    身を置いている。(神様界への出向?)
こう=皇后/皇太子/上皇/皇帝
   →あくまでも、“人間”の世界に身を置く存在であり、神様や
    仏様よりは格下?の身分。
おう=法皇
   →人間界を卒業?し、帰依した“仏様”の世界を住処とし、
    そこに身を置いている。

このような基準でジャンル分け?をしてみると、上の「上皇」
(じょうこう)
や、「新皇」(しんのう)の“読み方”も矛盾なく説明
できそうです。

=上皇=
現役天皇に在位中は、間違いなく“神様”の世界に所属している
としても、退役天皇?である「上皇」ともなれば、その時点で、
当然“神様界”から引退し、“人間界”への復帰を果たすことに
なるわけですから、その読み方も人間界を示す“皇=こう”
すなわち「じょうこう」が正しい、ということになります。

=新皇=
とにかく、現役天皇の向こうを張ろうとする目論見なのですから、
何がなんでも“神様界”に身を置く“しんのう”でなくてはなりません。
仮に、“しんこう”だとすると、これは人間界を意味し、“しんおう”
とするなら、仏様界の身分?になってしまいます。
これでは、「現役天皇」?と正面から張り合うことにはならない
からです。

もっとも、これらの“音”については、高名な学者さん(プロ)による
高邁な「学説」も多数あるようですが、だからといって、
~プロの学説が常に正しく、素人の直感は常に間違い~
決め付けたものでもありますまいヨ。

早い話が、昨今の「歌番組」なんかをご覧なさいナ。
「プロの歌手 」が、素人より「トッテモ音痴」ということだって、
決して珍しいとは言えない御時世なんですからネ・・・





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この記事へのコメント

しずか
2014年02月15日 13:34
今日はブログへのコメントありがとうございました!

たしかに一つの漢字においても様々な読み方をしますね。
それには意味があるということですね。
勉強になります。

住兵衛さんは、ひじょうに面白いブログを書かれているのですね。
これからたびたび訪問させていただきます!
2014年02月15日 21:28
そちらのブログに、たまたま近場の史跡が紹介されていたので、
思わず知らずコメントを寄せてしまいました。
その上に、ご丁寧にお返事まで頂いて恐縮しています。感謝!

ただ、当記事にはいい加減な”駄ボラ”も幾分は混じっていますので、
どうかその点は”話半分”程度に受け止めておいてくださいね。

嬉しいコメントでしたので、そちらの「女性歴史ファン」の方も
応援させて頂きます・・・どうぞお楽しみに。

2014年02月16日 19:59
当方のブログに来ていただき、ありがとうございました。
「皇」の読み方の話、面白く読ませていただきました。
あまり考えたこともなかったのですが、納得です。
これからも宜しくお願いいたします。
2014年02月16日 22:23
わざわざお礼のお返事をいただき恐縮です。
ささやかですが、その感謝の気持ちを「幕末維新」で
ポチッとお伝えしたいと思います。

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