日本史の「謎解き」14 攘夷論は”科学”なんですッ!

世界中の国と付き合うことを当たり前と受け止めている
現代日本人からすると、幕末期に吹き荒れた「攘夷論」、つまり
~外国人は追っ払ってしまえ~という思想は、どうしても
“幼稚な考え“に見えてしまいます。

その”攘夷”のココロを大胆乱暴に簡略化するなら、こんなところ
でしょうか。~わが国(日本)は神国であり、清らかな存在である。
こういう場所へ野蛮人である外国人が入ってくるなんてことは、
清浄なる神国が穢され、大いなる災いをもたらす・・・ことになる。
しかるに、近づこうとする「(蝦夷・野蛮人・外国人)には、断固
(払いのける)をもって対処しなければならない~


この理論・理屈を耳にすれば、おそらく多くの現代日本人が、
このくらいの思いは抱くところでしょう。
~先人達は、こんなお粗末な迷信・思い込みに基づいて
行動していたのか!・・・ああ、やんなっちゃうナァ~


しかし、外国との関わり・交際が比較的濃かった時代を、冷静に
振り返ってみると、意外なことに、これを単なる “迷信” として
切り捨ててしまうことができない「歴史的事実」にも突き当たる
のです。 順を追って挙げてみましょう。

(1)仏教の伝来期 (6世紀中頃)
外国の神様?「仏様」を受容すべきか拒否すべきかで、国内が
もめていたこの時代には、二度に渡って「疫病」(天然痘か?)
大流行し、多数の死者を出しました・・・そこで拒否派の主張
~この災いは外国の神様を迎え入れたせいだ!~

(2)遣隋使・遣唐使の時代 (特に730年代)
これまた、「天然痘」が大流行。
特筆すべきは、実質的な政事指導者であった「藤原四兄弟」の
四人が四人とも、同じ年(737年)に相次いで病死しています。
この大流行によって、政治を担える人材までもが不足し、
政治運営自体が大混乱に陥ったそうですから、凄まじい!
保守派の主張は、当然こうなります。
~この大混乱の原因は、穢れた外国と行き来したことにある!~


画像










 生麦事件/薩摩藩行列に割り入った乗馬のイギリス人を殺傷
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さらに、お話は続きます。

(3)戦国の時代 (16世紀)
外国から、ニュー神様である「キリスト教」が伝わった頃、同時に
「梅毒」が蔓延しています。
ロマンのない話で恐縮ですが、戦国武将にもこの患者サンは
少なからずいたようで、今年の「大河ドラマ」の主人公として
注目を集めている黒田官兵衛サンもその一人だったらしいゾ。
これも、外国人が来たから・・・~ということになりそうです。

(4)幕末&明治期 (19世紀後半)
力づくで乗り込んできた来た外国と、否応なく関わらざるを得ない
時代でした。
外国人がワンサカやってくる・・・その一方で「コレラ」が大流行し、
大勢の日本人がバタバタ死んでいったのですから、こうなると、
~やっぱり、外国人は追っ払ってしまえ!攘夷や!攘夷や!~
と叫びたくなるのも無理もありません。

そこで、上の(1)~(4)の歴史的事実を整理してみると、
すべてが、この「公式」に沿っていることに気がつきます。
~外国(外国人)と深い関わりを持つ国内に災いが広がる~

ということは、この「攘夷論」の根底にある理論・理屈は、現代人
が思うほどに、「幼稚で頑迷な迷信」だったわけでもなく、逆に、
きちんとした裏づけのある「科学的で合理的な知識」であったと
言えそうな気がします。

ともあれ、先人達はただ闇雲に「攘夷」を叫んでいたのではなく、
少なくともそこには、歴史経験から学んだ先人達なりの
「合理的な疑惑」?が存在していたことは確かなようです。

「幼稚な迷信」なのか、はたまた「科学的な知識」なのか?
これは、21世紀の現代でも通用する命題で、たとえば、
~海藻類を食べると髪が増える~ このテーマなどは、
いったいどちらに振り分けられるものでしょうか?

ややこしい言い回しで大変恐縮ですが、
「科学的な知識」である、と信じる人ほど髪が薄い?~という
見方は、ひょっとしたら「幼稚な迷信」に過ぎないかもしれんゾ。





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