日本史の「パクリ」06 祝言から神前そして”空前”へ

その昔は「祝言(しゅうげん)」、ちょい前なら「結婚式」、
今風なら「ウェディング」?あるいは「ブライダル」?
このように、夫婦誕生の儀式にも歴史的変遷があります。

最近こそ、その人気に幾分のかげりが見られますが、少し
(でもないか?)前の昭和時代には、いわゆる「神前結婚式」が
比較的ポピュラーなスタイルとして人気を集めていました。

ところが、江戸期の祝言はこれとは少し違って、新郎新婦の
身内が新郎の自宅に集まる形で行われていたようです。
つまり、この間に起きた変化にも何らかの理由・背景があったと
想像されるわけです。

現代人からすれば、こうした神主サン不在の江戸期のスタイル
は、あたかも「人前結婚式」?のように見えてしまいます。
ところがドッコイ、やはり「神前結婚式」だったと受け止めるのが
正しいようです。

というのは、当時、婚礼の席には「神様」が臨在するという
感覚があって、神様用の部屋飾りをしたりしていますし、さらには
神々がお留守になるとされる「神無月」(十月)を避けて行う習慣
が見られるからです。

まあ、現代人からすれば神主サン抜きで「神様」をお迎えする
この姿は幾分不思議に感じられもしますが、これは神様との
コミュニケーションくらいはなにも専門家に頼らずとも自分達だけ
で充分できるという江戸人の自信の表れだと理解すべきでしょう。

では、なぜ現代人は「婚礼」の神様をお招きするのに「プロ」?の
力に頼るようになったのでしょうか?

確かに日頃の信仰心が薄いという自覚もあって、江戸人ほど
自信満々ではなかったという一面もありますが、実はその理由の
最大のものは、意外にも「パクリ」にありました。


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つまり、こういうことです。
明治維新の後、文明開化の風潮の中にあると、「洋」なる物は
すべて、あれもこれもなんでもかんでも「かっこよく」見えました。
で、キリスト教の「結婚式」もその例外ではありません。

男女を前にして、「神父(牧師)」さんが流れを仕切りつつ夫婦の
契りを神様に誓わせるスタイルを・・・「う~ん、これはいいぞ!」
と思ったのです。 誰が? そりゃあ「神主」サンたちでしょうよ。

簡単に言えば、キリスト教のように結婚式をプロデュースする
ことを、神道の「ビジネスチャンス」?と捉えた神主サンたちが
「積極経営/拡大路線」に乗り出したわけです。

そうは言うものの、やっぱりハードルもありました。
そのキリスト教の「かっこよさ」のひとつである「誓いの言葉」が
日本の神様にはいまひとつフィットしていないという点です。

~死が二人を分かつまで・・・~なんて言葉を「穢れ」を嫌う
日本の神様に向けて使うのはさすがに気が引ける所業です。
※昨今はこの部分を~その命のある限り・・・~と表現するそうですが。

まんまのパクリではマズイ、さ~て、困ったゾ! 
ええい、ここは今流行の「和魂洋才」でいってまえ!
で、例の祝詞、~かけまくも畏(かしこ)き○○神社の大前に
・・・恐(かしこ)み恐みも白す~
を採用することにしたわけです。

これで一応の体裁は整いましたが、ではこれで「神前結婚式」が
パァ~ッと世間に広まったかというと、そうでもなかったようで、
1900年皇太子(後の大正天皇)のこのスタイルでの挙式が注目
を集めたことが人気上昇のキッカケになったとか。

ところが、それから百年の時を経た平成の今、この
~恐み恐みも白す~もさすがに古い印象になってしまい、
新しい「結婚式」スタイルを模索?する動きもあるようです。

なぜ古いのか? たとえばこういうことです。
チョイ昔は男同士または女同士「同性婚」などはなかった?
のですから、従来神様がきちん祝福を与えられるものかどうか?
この点なども「実績ゼロ」?だけに確かに不安もつきまといます。

要するに、21世紀においてはどこの「神様」も人間側の変貌に
追いつけなくて、すっかり「時代遅れ」?になってしまった
、という
ことなのでしょう。
ではいったい、次世代の結婚式?はどんなスタイルにしたら
いいものでしょうか?

つまり、「新しい結婚式スタイル」といっても、今度は「お手本」に
するものがないわけですから、かつてのようなお手軽な「パクリ」
もできません。 

そこでワタシが提唱したいのは、神様を含めなにもかも一切を
排除し「空(くう)」とした「“空前”結婚式」なるものです。

これなら「時代遅れ?の神様」はハナからノータッチですから、
~同姓婚でもなんでも人間のやりたいようにやれば・・・フン!~
と居直れる上に、その結婚に責任を負う必要もなくなります。

しかし、待てよ。その場合、~「空(くう)」は私の特許概念だ!~
なんちゃって、今度は「仏様」の方が乗り出して来るかもしれんゾ。
ともかく、「結婚式」ひとつをとってみても、昔よりはるかに複雑な
世の中になっていることだけは間違いないようです。





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