日本史の「謎解き」10 ”外様”はなぜ石高が多い?

江戸時代の大名に関して、こんな疑問を持ったことは
ありませんか?
~外様大名に対して高い石高を認めているのはなぜ?~

この親藩・譜代・外様を少し整理してみるとこんな感じでしょうか?
親藩は、徳川家の一門、つまりはご親戚筋。
譜代は、関ヶ原以前からの味方で、つまりは系列会社?
外様は、関ヶ原以降に従属した大名で、つまりは当面のところ
     猫をかぶっている仮想敵国?

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さて、その財力すなわち各々の石高を比較すると、
その違いがハッキリします。
親藩・譜代といった正真正銘の「味方」側は比較的低いものに
なっている反面、ドッコイ、外様には割合に高い石高が
認められているのです。

素朴に考えたら、その逆でもいいような気もします。
なにせ、猫をかぶった仮想敵国?なのですから、
とことん低い石高に抑え込んでもっともっと「貧乏」な思いを
させておいてもよさそうなものです。

ところが、そうはしていません。 では、それはなぜ?
こんな解釈もできるのではないでしょうか?

(1)そこには日本人特有の繊細なバランス感覚があった。
つまり、負けた者をトコトンまで追い詰めるようなマネはせず、
いわば敗者の「顔を立てた」ということです。
少々ひねくれた見方をするなら、敗者の憤懣に対する一種の
ガス抜き?

(2)「窮鼠猫を噛む」(きゅうそ、ねこをかむ)を恐れた。
下手をして追い詰めすぎてしまうと、逆に反撃を食らう心配も
あるためにそこまではせず、当面の平和維持を優先させた。
まあ、幕府側にも幾分「厭戦気分」があったということでしょうか?

(3)やはりここにも身分意識があった。
勝者・徳川も敗者・「外様?」も、豊臣家の家臣という点では
もともと「同格」の存在ということになります。

ところが、親藩・譜代という区分けは、そのもう一つ階層が下の
徳川家の内部事情に過ぎないのですから、それなら、外様と
比較すること自体がナンセンス?という理屈になるワケです。

まあ、どれもそれなりに妥当と思われる一面はありますが、
(4)誰もがこれを一時的・暫定的な処置だと捉えていた。
という思い切った見方はどうでしょうか。

おそらくは親藩も譜代も外様も、前回の「関ヶ原の戦い」
(1600年)はあくまでも「第一次」の戦闘に過ぎず、いずれ
近い内に「第二次」の機会が訪れると踏んでいたハズです。

根拠はいたって単純、家康(1543-1616年)の年齢です。
当時の人間の寿命を考えれば、「関ヶ原」時点で既に六十歳に
差し掛かっていた家康の将来を「そうそう長くないハズだ」と
見ていたことです。

これは誰の頭にも浮かぶ常識的な計算で、
~今回の戦後処理?も家康没後に来るべき「第二次」までの、
あくまでも「暫定的」で「応急処置」的なモノに過ぎない~

こう受け止めていたからこそ、どの方面からも過激な反発が
出なかったのでは?

つまり、「カリスマ」が不在になれば当然新しいチャンピオンを
決める戦いが再開され、その折には、外様は自分たちの天下を
親藩・譜代はその外様を潰した分の領地拡大を、それぞれが
胸の中に描いていたことになります。

ところが、健康オタクの家康が世間の予想を超えたトンデモない
長生きをしたために、結局、「第二次・関ヶ原?」は幻に・・・
これは皆様もよくご存知の通り。

その意味では、徳川家にとっては超ラッキーな、外様にとっては
メチャクチャ迷惑な「長生き」だったことになります。

実は、ワタシも家康に倣った「人の迷惑を顧みない長生き」を
目指しているのですが、百二十歳というのはどうでしょうか?
おそらく、その頃までには「不老不死」の薬も開発されるだろう
と睨んだ上でのプランになっています。




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