日本史の「言葉」06 方便?非武装中立

この「非武装中立」という言葉、最近のお若い方はご存知ないかも
しれませんが、昔のお若い方ならご記憶もあろうかと思います。

この発想は、1980年頃、日本社会党(1996年以降は社会民主党)
の委員長・石橋政嗣氏他が提唱したもので、その趣旨は要するに
「自衛を含めた軍備を放棄した上で、国際関係においては中立を
保つ」日本を作ろうというものでした。

この「万年野党」と揶揄されていた社会党も、この頃は100以上の
議席を有していたのですが、その後は(幾分の凸凹はあったに
せよ)低落傾向に歯止めが掛けられないままに、20世紀最後の
年には19議席、21世紀に入って以降はヒト桁の議席という有様を
呈したのですから、つまりは、国民はこの「非武装中立論」を信用
もしなかったし支持もしなかったということになります。

もっとも、それより前に同党顧問の立場の人物からこんな見解も
公にされていたのですから、少しは驚いていいでしょう。
~日本も社会主義国家になれば、軍備を持つのは当然であり、
「非武装中立論」はその政権を取るまでの「方便」もどきのモノ
である~
 出展:M/Y/D/Sグラフィック&イラストレーション
画像 すなわち、同じ党のお偉いサンが
 こう言っていることになります。
 「みなさ~ん!『非武装中立論』
 なんてモノは、しょせん選挙向け
 のオイシイ嘘ッパチに過ぎませ
 んゼ、ご用心!ご用心!」

この発言に対しては、当然以下の反論が予想されるところです。
「ナニをぬかすか無礼者! いかに党顧問といえどもこの高邁な
思想に対しそのケシカラン見解はナニゴトだ! なにはなくとも
早速取り消せ! さもなくば除名するか、もしくは正座させるゾ」

実は、このような激しい反発が・・・起こりませんでした。
そう、起こらなかったのです!
このことは、先の事例よりもう少し余分に驚いてもいいところです。
さらに、驚かせましょうか。(驚きのネタは付きません)

21世紀に入ってからのことですから、このことをご記憶の方も
少なくないと思います。
いわゆる「北朝鮮による日本人拉致問題」が、明々白々の事実と
なった頃になっても、同党のホームページには下記の記事内容が
掲載され続けていました。

~北朝鮮の犯行とする少女拉致事件は新しく創作された事件と
いうほかない。・・・(中略)・・・拉致疑惑事件は、日本政府に
北朝鮮への食料支援をさせないことを狙いとして、最近になって
考え出され発表された事件なのである。~

「これでは、さすがにマズイだろう」との指摘もあったでしょうに!
ところが、社民党はこの期に及んでもなお「(掲載を)取りやめる
つもりはない」とコメントしていたのです。
当然ですが、こんなツッパリが続けられようはずもなく、遅れば
せながら、後日になってこの記事を削除しました。

その削除記事について、当時の社民党・福島瑞穂幹事長は、
「拉致は創作、との論文(HP記事)は党の見解を示したものでは
ない」とする見解を発表しています。

天下の公党が、この子供だましの言い訳!
大抵の人はやっぱり驚くでしょうに。
その直前まで、「北朝鮮の日本人拉致」なんてありゃ~せん!
そんなことはデッチ上げもいいとこで、我々を貶めんとするための
陰謀だ!としていたのですから。

どうも社民党は、昔の昔から「政治」と「宗教」の違いが分かって
いないようです。

宗教の世界なら、無邪気に「北朝鮮大明神大権現様」と崇めて
いてくれてもいっこうに構いませんが、こと現実の「政治」行動に
その信仰を持ち込む(まあ純粋なのでしょうが)ことで、大きな
迷惑を蒙るのは日本国民なのです。

いやはや、昔懐かしい20世紀の「非武装中立論」についてのみ
触れるつもりだったのが、21世紀の「拉致でっち上げ論」にまで
及ぶハメになってしまいました。

それにしても、世紀をまたいでもなお、その「胡散臭さ」を連綿と
受け継ごうとするこの政党?の意志の強さは大したものです。
強い「信仰心?」がなければ、到底なし得ることではありません。

さてさて、お話は20世紀へ戻りますが、「非武装中立論」って、
結局こう言っていっていることになりますよね。
~「戸締りする」から泥棒が入ってくるのであって、「戸締りなし」
なら泥棒は入ってこない!~

これって、セコムやアスロックにも歓迎されない「信仰」なのでは?


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~日本史の「言葉」04 女流名人~ 女流?・・・男女平等のハズではないか?
~日本史の「言葉」03 士農工商~ そうあって欲しかったイデオロギー?
~日本史の「言葉」02 敵国降伏~ みんなで祈って敵にダメージを?
~日本史の「言葉」01 もったいない~ なぜ日本語にしかない概念なのか?
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