日本史の「冗談?」04 一心太助と旗本・彦左

「私は冗談が大嫌いだ!」という冗談がワタシは大好きです。
これは、その手に当てはまるお話かも知れませんので、少し
ばかり触れてみたいと思います。
お話は大久保彦左衛門(1560-1639)のエピソード。

昔、東映時代劇によく登場した大久保彦左衛門が実在の人物で
あることは知っていましたが (もっとも本名?忠教(ただかた)の方は
知らなんだ)
、その相棒?魚屋・一心太助(いっしん・たすけ)は
さすがに創作上の人物だと思っていました。

ですから、太助の墓が現存していると聞いたときには、てっきり
冗談だと思ったわけです。 でもホントなんですってね、これが。 
東京都港区の立行寺(りゅうぎょうじ・別名は大久保寺)が、その
場所で、しかも、その墓は彦左衛門の墓の一番近いところにある
そうですから、やっぱり実在の人物だったのでしょうか?

さてさて、この墓を建立したのは米穀商・松前屋五郎兵衛という
人ということになっています。
どういう経緯があったのかもよくわかりませんが、普通に考えれば
その場所に「太助の墓」を造ったということなら、この五郎兵衛は
彦左衛門の大久保家にも無理を言える立場の人物であり、かつ、
太助とは縁者または後援者?のような関係があった?

しかし、生前の彦左衛門と太助との係わり合いがいかに濃かった
にせよ、元はといえば「他人」なのですから、「同じ場所の墓」と
いうのは尋常ではありません。
ましてや、彦左衛門は「旗本」、太助は「魚屋」ですから、身分に
うるさかった江戸時代ということを考慮にいれれば、余計に違和感
があります。

太助について、Wikipediaはこう説明しています。
~一心太助は、小説・戯曲・講談などに登場する架空の人物と
されている人物。初出は「大久保武蔵鐙」とされる。~

このことから、こう考えたわけです。 たぶん、戯曲などによって
「太助の名前」が人気を呼ぶ頃、あるいは定着した後になって
「メッチャ冗談好きな誰か」が、はたとこの「墓」の構想を思いつき
そして果敢に実行したのではないか?

「太助」の墓が存在したら、これはおもしろいゾ・・・
それが「彦左衛門」の墓のそばにあったら、なお面白いゾ・・・
五郎兵衛の名前を出しておくなら、一段とリアリティが増すゾ・・・
これは我ながらグッドアイデアだ、よっしゃ、一丁やってみるか!
まあ、こんな具合だったのでは?

その人とは、当然伝えられる松前屋五郎兵衛とは別人の
「メッチャ冗談好きな人物」であり、しかも彦左衛門の墓の「近く
の場所」の権利を買ったのですから、もちろん「お金持ち」で
なければなりません。

冗談好き/お金持ち、このふたつを兼ね備えた人物とは一体
誰か? ・・・そんなことは、わかりゃ~しません。
わかるなら、とっくにそれが「定説」になっているハズですから。
でも、この手の「冗談好き」によって、歴史は捏造されていく?

でも、もしワタシの推理が外れていて太助が実在の人物だった
なら、映画にあったように彦左衛門が「大盥(おおだらい)」に
乗って登城したという話もホントなのか?

 
※記憶では、確か一心太助は中村錦之助が、大久保彦左衛門を月形龍之介が
 演じたと思います。 ~若い方は、この手のクドイ回想は無視してください~

画像 では、「大盥(おおだらい)」
 とは、いったいなにか? 文字
 通り大きなタライのことです。
 ←イラストをどうぞ。


 出展:Wikipedia 大久保忠教
 なんでまたそんな不便なことを?
 それは、旗本以下の輿が禁止
された際に彦左衛門がとったあてつけの行動とされています。

そう、彦左衛門は旗本であり「天下のご意見番」と見られるほどの
硬骨漢(意固地?ヘソ曲がり?)でもあったようで、その信念は
自らの「三河物語」にも、きっちり書き遺しているそうです。

なにより、大御所様(徳川家康)とともに関ヶ原などを戦い抜いて
きたことを誇りにしていたのに、新しい時代は必ずしも正当に?
評価せず、どうもその不満が日頃の「理由ある反抗」態度となって
現れていたようで、その結果、硬骨漢(または意固地)と見られる
原因になった?

その一例がこれ。
彦左衛門の最晩年、将軍・家光から加増を打診された折のこと。
「ありがたいが余命少ない自分には不要」と固辞したそうですが、
これは、無欲だったということではなく、本心には「今頃になって
加増するくらいなら、なぜもっと早くしなかったのだ!」という思い
があっての言葉だと解釈されています。

ですから、「大盥(おおだらい)登城」などという、「冗談めいた」
これ見よがしな「理由ある反抗」を、彦左衛門という「ヘソ曲がりな
ご老人」が実際に披露していたとしても、なんら不思議はない
のかも? その時これを担いだのが噂の魚屋・一心太助か?


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