日本史の「女性」05宮廷の不都合な真実
昔は「ゴホン!といえば龍角散」でしたが、世間の常識もスッカリ
変わって、今や「美人!」と言えば→「セクハラ!」の時代です。
窮屈・・・確かにその通りですが、ここで取り上げるのは、昔も
昔のお話ですので、こっそり「時効扱い」ということで・・・
出展:wikipedia
その「美人」とは、いわゆる
「平安美人」を指します。
さて、この方々が果たして現代
人の感覚でも「美人」の範疇に
入るものなのかどうかを考察し
てみたワケです。
結論から言えば、かなり難しい
のでは?・・・という印象です。
もし、あなたが「平安美人」について、~雅で、華麗で、しとやか~
というイメージをお持ちなら、それは間違いなく間違いです。
映画やテレビドラマで見る「平安美人」の姿は「虚像」に過ぎず、
ぶっちゃけ「でっち上げ」と言ってもいいくらいのモノなのです。
素直に納得できない方も少なくないでしょうから、少し説明を加え
ますが、まず「化粧」がハンパでなく凄い!
いま、うっかり「化粧」と言ってしまいましたが、より的確な言葉を
探すなら、むしろ「変装」の方が当てはまる感じです。
※念押しですが、これは現代を基準にした物言いですヨ。
基本は「白粉(おしろい)」をベッタリ塗ることなのですが、それには
拠所ない事情があります。 平安貴族は夜の宴会を生活の中心と
していたために、必然的に仄暗い室内で過ごす時間が長くなり
ます。 (当時はだまだ蛍光灯やLED電球はない!)
そのウスラボンヤリした空間で、そこに存在していることを認知
して貰うためには「白さ」を際立たせて目印を設けておく必要が
ありました。
現代風に言えば「ここに私がいる」ことを他人が目視確認できる
ように、顔に「蛍光塗料」を施したと理解してもいいのかも。
顔全体に「ベッタリ塗る」、まあ左官が壁を塗るようなレベルです
からウッカリ笑おうものなら「白粉」はヒビ割れ、崩れ、さらには
「表層雪崩」を起こす危険だってあります。 う~ん、かなり悲惨!
それを未然に防ごうとすれば、「笑わない・表情を崩さない」ことが
最大・最善の防衛策ということになるワケです。
ですから、かなり「無表情」だった、というよりそうしなければ無事
には済まない、という壮絶な環境にありました。
手に持つ扇、あれはレディとしてのエレガントさを演出するための
ものではなく、うっかり「可笑しなモノ (たとえばワタシの顔など) 」を
見てしまわないように視線を塞ぐためのツールだった、という
説明もあるくらいのモノです。
「ニラメッコ」と同じでうっかり笑おうものなら、もう「負け」なのです。
その上、その真っ白けの顔面に「黒い歯(鉄漿)」を施していたの
ですから、二十世紀画家・ピカソの「シュール」度なんて足元にも
及ばないくらいの、現代人の想像力を遥かに超えた斬新な
美意識を持っていたものと推察されます。
さらに言えるのは、この当時はまだ「入浴」の習慣がなく、身体
だってけっこう臭かったのかも知れません。
ず~っと風呂へ入らないわけですから、少なくとも清潔であるとは
言えないことは確かで、その匂いは少々の「香」を焚いた位では
チョックラチョイと消えるものではなかったことも想像されます。
だんだんエスカレートしてしまいますが、その身体を「十二単」が
覆っていたのです。 この「十二単」がまたクセ者で、実際には
あれやこれやで「二十六枚重ね」になるそうで、その厚みたるや
15センチほどに達したと言いますから、これはもう「衣装」という
よりは引越し荷物の「梱包」といい勝負です。
もっと追い討ちをかけるなら、貴族は「偏食王」と言ってもいいほど
の食生活を送っていて基本的に虚弱な体質だったそうですから、
この衣装とこの体力を考え合わせると、隣の部屋へ移動するだけ
でも「動悸・息切れ・めまい・吐き気」を感じていたことだって想像
されます。
塗り壁化粧・顔面雪崩・無表情・不潔・梱包状態・虚弱体質・・・
一体全体これらのどこを押したら、「平安美人」と呼べるような
ロマンチックなイメージが涌いてくるのか、ワタシにはミステリー
です。※くどいようですが、これは個人的な「感想」あり、平安時代の
女性達を不当に貶める意味合いのものではありません。
この生活に比べたら、現代女性は画期的な自由度を獲得している
ことになります。
自然なお化粧ですから顔面雪崩の心配もなく、可笑しいモノを
見ても遠慮なく「ガハハハ・・・」と笑えるし、毎日お風呂にも入って
清潔ですし、そして動作を妨げない程度の薄着もでき、なによりも
栄養充分で頑強な体力にも恵まれているからです。
肝っ玉の小さいワタシなぞは、ウスラボンヤリの室内にボワ~ンと
真っ白けの顔が浮かび上がったとしたら、もうそれだけでスッカリ
腰を抜かしていたかもしれないのです。
その恐怖を想像したとき、現代に生まれたことの幸せをシミジミ
噛みしめる今日この頃のワタシです。
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~日本史の「女性」04歌舞伎女優の落胆~ そのワンチャンスは見過ごされた!
~日本史の「女性」03呪詛と空前自害~ 将軍を取り巻く気性激しき女性たち!
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変わって、今や「美人!」と言えば→「セクハラ!」の時代です。
窮屈・・・確かにその通りですが、ここで取り上げるのは、昔も
昔のお話ですので、こっそり「時効扱い」ということで・・・

その「美人」とは、いわゆる
「平安美人」を指します。
さて、この方々が果たして現代
人の感覚でも「美人」の範疇に
入るものなのかどうかを考察し
てみたワケです。
結論から言えば、かなり難しい
のでは?・・・という印象です。
もし、あなたが「平安美人」について、~雅で、華麗で、しとやか~
というイメージをお持ちなら、それは間違いなく間違いです。
映画やテレビドラマで見る「平安美人」の姿は「虚像」に過ぎず、
ぶっちゃけ「でっち上げ」と言ってもいいくらいのモノなのです。
素直に納得できない方も少なくないでしょうから、少し説明を加え
ますが、まず「化粧」がハンパでなく凄い!
いま、うっかり「化粧」と言ってしまいましたが、より的確な言葉を
探すなら、むしろ「変装」の方が当てはまる感じです。
※念押しですが、これは現代を基準にした物言いですヨ。
基本は「白粉(おしろい)」をベッタリ塗ることなのですが、それには
拠所ない事情があります。 平安貴族は夜の宴会を生活の中心と
していたために、必然的に仄暗い室内で過ごす時間が長くなり
ます。 (当時はだまだ蛍光灯やLED電球はない!)
そのウスラボンヤリした空間で、そこに存在していることを認知
して貰うためには「白さ」を際立たせて目印を設けておく必要が
ありました。
現代風に言えば「ここに私がいる」ことを他人が目視確認できる
ように、顔に「蛍光塗料」を施したと理解してもいいのかも。
顔全体に「ベッタリ塗る」、まあ左官が壁を塗るようなレベルです
からウッカリ笑おうものなら「白粉」はヒビ割れ、崩れ、さらには
「表層雪崩」を起こす危険だってあります。 う~ん、かなり悲惨!
それを未然に防ごうとすれば、「笑わない・表情を崩さない」ことが
最大・最善の防衛策ということになるワケです。
ですから、かなり「無表情」だった、というよりそうしなければ無事
には済まない、という壮絶な環境にありました。
手に持つ扇、あれはレディとしてのエレガントさを演出するための
ものではなく、うっかり「可笑しなモノ (たとえばワタシの顔など) 」を
見てしまわないように視線を塞ぐためのツールだった、という
説明もあるくらいのモノです。
「ニラメッコ」と同じでうっかり笑おうものなら、もう「負け」なのです。
その上、その真っ白けの顔面に「黒い歯(鉄漿)」を施していたの
ですから、二十世紀画家・ピカソの「シュール」度なんて足元にも
及ばないくらいの、現代人の想像力を遥かに超えた斬新な
美意識を持っていたものと推察されます。
さらに言えるのは、この当時はまだ「入浴」の習慣がなく、身体
だってけっこう臭かったのかも知れません。
ず~っと風呂へ入らないわけですから、少なくとも清潔であるとは
言えないことは確かで、その匂いは少々の「香」を焚いた位では
チョックラチョイと消えるものではなかったことも想像されます。
だんだんエスカレートしてしまいますが、その身体を「十二単」が
覆っていたのです。 この「十二単」がまたクセ者で、実際には
あれやこれやで「二十六枚重ね」になるそうで、その厚みたるや
15センチほどに達したと言いますから、これはもう「衣装」という
よりは引越し荷物の「梱包」といい勝負です。
もっと追い討ちをかけるなら、貴族は「偏食王」と言ってもいいほど
の食生活を送っていて基本的に虚弱な体質だったそうですから、
この衣装とこの体力を考え合わせると、隣の部屋へ移動するだけ
でも「動悸・息切れ・めまい・吐き気」を感じていたことだって想像
されます。
塗り壁化粧・顔面雪崩・無表情・不潔・梱包状態・虚弱体質・・・
一体全体これらのどこを押したら、「平安美人」と呼べるような
ロマンチックなイメージが涌いてくるのか、ワタシにはミステリー
です。※くどいようですが、これは個人的な「感想」あり、平安時代の
女性達を不当に貶める意味合いのものではありません。
この生活に比べたら、現代女性は画期的な自由度を獲得している
ことになります。
自然なお化粧ですから顔面雪崩の心配もなく、可笑しいモノを
見ても遠慮なく「ガハハハ・・・」と笑えるし、毎日お風呂にも入って
清潔ですし、そして動作を妨げない程度の薄着もでき、なによりも
栄養充分で頑強な体力にも恵まれているからです。
肝っ玉の小さいワタシなぞは、ウスラボンヤリの室内にボワ~ンと
真っ白けの顔が浮かび上がったとしたら、もうそれだけでスッカリ
腰を抜かしていたかもしれないのです。
その恐怖を想像したとき、現代に生まれたことの幸せをシミジミ
噛みしめる今日この頃のワタシです。
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