幸運な国家 Part壱

「長い歴史の中では、どの国も「国家的危機」に直面した経験を
持つ。 中にはそれを上手く乗り越えられずに、そのまま「滅亡」に
追いやられた国家もある。
当然、日本の過去にもその「経験」はあったのだが、その時の
「危機感」は、なぜか現代の日本人には伝わっていない・・・
ように見えてしまう。

では、一体過去の日本にどんな「国家的危機」があったのか?
多くの出来事のうち、3つほどを取り上げたいが、それには多少の
説明も必要になろうし、全体としてもやや長くなりそうなので、
今回は数十年前の「昭和」のケースを取り上げ、全体の「PartⅠ」
の部分とします。
※もちろん、この後には「PartⅡ」&「PartⅢ」も用意します。   
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昭和の戦争において、敗戦国・日本は戦勝国の管理下に
置かれることになった。
「無条件降伏」だから、どのような「統治方法」になろうと、その
方針に日本側から注文をつけることはできない。

戦勝国としては、同じく敗戦国である「ドイツ」で行った「共同統治」
方式をそのまま踏襲する手もあった。
またそれとは別に、日本全土をいくつかのエリアに分割した上で、
その地域をそれぞれの戦勝国が統治する方法も検討された。
ところが、結局どちらの計画も陽の目を見なかった。
アメリカが頑として首をタテに振らなかったためである。

このときのアメリカは「アメリカによる単独統治」という強引な
主張を貫き通して、被統治国・日本に対するソ連の影響力を
徹底的に排除することに努めた。
ひとつには「ドイツ」ケースのおけるソ連の横暴で協調性に
欠けるやり方に対しての警戒感が膨張していたこと。
さらには、アメリカの世界戦略上、ソ連の「共産主義」が世界に
拡がらないように最大級の警戒をしたことも理由に挙げられよう。

もちろんこれは、正義とか人道といった高尚な理念ではなく、
アメリカの国益を最優先させたものであり、率直に言えばむしろ
「アメリカの横暴」と表現しても良いくらいのモノだった。
ところが、日本にとっては、結果として「幸運だった」のである。
※誤解のないように付け加えますが、「敗戦」を「幸運だった」と言っているのでは
なく、敗戦後の「統治」のされ方が日本にとっては「幸運だった」と言っています。


もし、この時の「アメリカの横暴」がなかったら、どうなっていたか?
日本が第二の「ドイツ」になっていたことは、ほぼ間違いない。
戦後のドイツは共産主義と資本主義の「東西分裂国家」に
されたことで、20世紀後半に当事者の「ソ連」が崩壊するまで、
数十年間はその後遺症に苦しんだのである。

西ドイツの首都ベルリンですら「東西に分割」された。
東側(ソ連)は、その境界に「ベルリンの壁」を建設することで、
国民が「東側」から「西側」へ脱出できないようにさえした。
※イメージとしては、現在の北朝鮮の「脱北者」に似ている。

まかり間違っていたら、20世紀後半の日本は「北海道(ソ連
統治)」から「本州(アメリカ統治)」への「脱出者」が珍しくも
ない国家になっていたのかも知れないのである。

20世紀後半の日本人が、このような体験をせずに済んだこと
は、日本人自身の血のにじむ努力や丁々発止の外交交渉に
よったものではなく、(素直な言い方ではないかもしれないが)

あくまでも「アメリカの横暴」の結果にもたらされたものである
から、「幸運だった」という表現になる。

ただ、現代日本人がこの時の瀬戸際にあった状況に深い関心
を寄せることもなく、ただ単に日本人が「素直にしていた」から
そのお駄賃に「良い結果」がもらえた、と考えているのなら
残念なことである。

個人的にも、この時のアメリカの行動は確かに「力づく」だった
とも思うし、戦勝国間の信義の点から見ても、「問題なし」とは
言えない、との印象を持っている。

しかしながら、アメリカが日本人の嫌いな「横車」を押し「卑怯」
くさい手段を駆使した結果として、「分裂国家・日本」の誕生は
避けられたのも事実であろう。

強引で独善的な方法は、日常生活では褒められたことでは
ないのは確かだが、その規範をそのまま「外交交渉」の場に
当てはめようとするのは適切でない。
ましてや、現にその「恩恵」にあずかった側の国民自身が、
それを批判するのであれば、それはやや能天気な見解と
言えるのではないだろうか。<続>

ちなみに、火京物太夫(ひきょうもの・だゆう)とか、
横車押之助(よこぐるま・おしのすけ)というのは、
正義の人・赤銅鈴之助に敵対した悪人の名前である。


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