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zoom RSS 日本史の「世界標準」22 平文氏のローマ字熱意

<<   作成日時 : 2017/12/25 00:01   >>

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たとえば、日本文字で表記するなら、「歩く/あるく/アルク」の音韻を
アルファベットを使って「aruku」と記す方法を「ローマ字」と呼んでいます。
〜そんなの面倒くさい・・・オリジナルの英語で「walk」とした方が、
  手っ取り早くってわかりやすいじゃん〜
ってか?
そう言われると、英語不如意?の筆者なぞは
〜腹の立つ奴っちゃ! だったらここから先は読ませんゾ!〜
こんな「瞬間湯沸器」?もどきに逆ギレしてしまうところですが、ここではグッと
こらえておくことにします。

さて、こうしたいわゆる「ローマ字」表記は、古くは戦国時代にも存在した
ことが確認されているようですから、おそらくは日本語習得に懸命だった
宣教師あたりが使っていたのでしょう。
そうした歴史を持つ「ローマ字」の日本普及に貢献した人物の一人が、
幕末期の1867年に来日していた「ジェームス・カーティス・ヘボン」
(1815-1911年)でした。
アメリカ人の医師であり、同時に自派教会の「医療伝道宣教師」を務めて
いた人物です。

彼は自分の姓「Hepburn」を、カタカナなら「ヘボン」、漢字では「平文」
しました。
別の表記法もあったでしょうが、そう決めたのは他ならぬ「ヘボン」氏ご本人
だったようですから、傍からとやかく口を挟むものでもありません。

原語の発音を重視したことで、自分の姓を「ヘボン」と表記することに落ち
着きましたが、現在なら、さしずめ「ヘプバーン/ヘップバーン」ほどの
書き方になるところでしょう。
ちなみに、アカデミー主演女優賞において前人未踏の4回受賞を果たした
アメリカ映画界の大々女優「キャサリン・ヘプバーン」もこのヘボンと同じ
「Hepburn」の一族の方だとか。
ただし、もう一人の大女優「オードリー・ヘプバーン」も同じ一族かどうかは
残念ながら承知していません。

お話が逸れました。
元へ戻ると、ともかくローマ字に熱心だったヘボン氏は「和英語林集成」という
辞書まで著すようになります。
広く普及させるためには辞書が不可欠と考えたのでしょう。
ですから、この事実は泰平の眠りから覚めて、ようやくのこと開国された
日本に、アルファベット圏諸国が目を向け始めたことを示しているのかも
しれません。
その後も版を重ねて、重宝されたその辞書による表記法はやがて
「ヘボン式ローマ字」として認知されるようになっていきます。

ところが、「へボン式」と冠されるということは別の方式もあったことに
なるわけで、それがヘボン氏より少し後(1885年)に、地球物理学者である
日本人「田中館愛橘」(たなかだて・あいきつ/1856-1952年)によって考案
された「日本式ローマ字」で、これが一般的に「日本式」と呼ばれるように
なっていきました。

ただ、このお話には幾分ややこしいところがあって、この「日本式」も
その後に数多の紆余曲折を経ることになります。
現時点では、最終的に1989年(平成元年)に定められた表記方法である
「国際標準化機構・承認・ISO3602)」に落ち着いたようですが、平文氏に
よる「ヘボン式」もこの際の叩き台になっています。

お話のついでに、「日本式/ヘボン式」双方のその違いの例を少し
だけ挙げてみると、たとえばこんな具合です。
○「ふ」→ /日本式=hu/ヘボン式=fu/
○「ち」→ /日本式=ti/ ヘボン式=chi/
○「じ」→ /日本式=zi/ ヘボン式=ji/
○「し」→ /日本式=si/ ヘボン式=shi/
○「つ」→/日本式=tu/ ヘボン式=tsu/

こうして眺めてみると、現在の我々は「日本式」とか「ヘボン式」とかの区別に
特段の意識を払うことなく、割とフレキシブルに、というか大雑把に併用して
いる印象になります。
逆に言うなら、どちらの表記方法でも、割合にスンナリ読めちゃうのですから、
それだけ当たり前のものとして受け入れられたばかりでなく、使いこなされて
いる、ということにもなりそうです。

ヘボンローマ字01 ヒサヤ大黒堂ぢ01








ジェームス・カーティス・ヘボン/ヒサヤ大黒堂・看板「ぢ」

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こうした「ローマ字」の普及に伴い、「アルファベット」26文字が日本人に
とって身近なものになっていったのも事実で、現在では母国語を従来の
「漢字/ひらがな/カタカナ」だけでなく、そこに「ローマ字」を加えて書き
表すことができるようになりました。
その背景には「ローマ字」に対するヘボン氏の功績には大きなものがあった
というべきでしょう。

しかし,
そうではありながら「ローマ字」が日本語表記の主役になることは
ありませんでした。
いや実際には、「いっそのこと、ローマ字表記を優先させようか」とする時期も
あったようです。
ローマ字が知識階級に浸透し始めた頃もそうした意見がありましたし、
戦後(昭和21年頃)には「漢字は止めてローマ字でいこう!」とする考えも、
それなりの勢いを持ちました。
ところが、こうした構想は挫折し現在の状況に落ち着いています。

さて、話題は唐突にすっ飛びます。
筆者の生息地・名古屋では近年「JR名古屋駅」周辺の再開発が急速な
勢いで進められ、駅周辺の名立たる建物の多くが(超)高層ビルに姿を
変えています。
その中には、昔からいささか特異?なその「名称」で知られていた
「大名古屋ビルヂング」※も含まれています。
※2015年竣工/地上34階・高さ175M

そこで、やにわに「ローマ字・書き取り」テストに移りますが、アナタは、
このビル名を「ローマ字」で書き記すことができますか?
ちなみに、英語表記では「DAINAGOYA BUILDING」とされています。
これが「GREAT NAGOYA BUILDING」となっていないところが、名古屋らしい
奥ゆかしさ?の表れでスッキリ好感です。

それはさておき、この書き取り問題で、もしつっかえる部分があるとするなら、
それはたぶん「ヂ」の書き方でしょう。
どうしてそんなことが分かるか?・・・理由はいたって明快。
タネを明かせば、出題した筆者自身がその箇所でつっかえてしまったからに
ほかなりません。
そこでチョイ、横目でカンニングしてみると、こんなヒナガタが示されて
いました。

ヘボン式表記の「ヂ」は「ji」・・・要するに「ジ=ji」と同じになっています。
ところがこれが日本式表記になると「di」※です。
ですから「正解」?は無いというのが「正解」なのかもしれません。
※ただし、ISO方式 ではこれが「zi」(つまり「ジ」と同じ表記に)

そうすると、冒頭にお出まし願った「発音重視」?のヘボン氏ですが、
彼の耳には、「ジ」も「ヂ」も同じ音に聞こえていたということになりそうです。
確かに、現代日本人にしたところで「ジ/ヂ」の発音の違いに特段の意識を
払うことは少ないのですから、これはこれで無理もないことです。
その点、音韻だけでなく元の日本文字にも幾分の配慮を払った表記法が
「日本式」と言えるのかもしれません。

もっとも、この「ヂ/ぢ」の文字自体が日常生活の中で使われる機会が
少なくなっているのも事実です。
ですが、「読めない字」ってことにはなっていません。
試しに近所のガキ、いえ、お子様を捕まえてこんな質問をしてごらんなさい。
アナタ 〜どうや、この字(ヂ/ぢ)を読めるかぁ?〜
小学生〜(即答)「ぢ」でしょ!〜
アナタ 〜(ちょっと驚き)なんで読めるの・・・進学塾にでも通っているの?〜
小学生〜ボクは幼稚園のころから読めたんだ。
      だって、デッカク「ぢ」って書いた広告看板があるじゃん。
      あれって「イボ痔/切れ痔」の「ぢ」でしょうに!〜

なるほど、ヒサヤ大黒堂の看板「ぢ」の認知度は高い。

さてお話はまたまた飛んで、日本語と英語は、元々は同じ言語だったと
する学説?があります。
そのことは、漢字と英語をそれぞれに書いているだけではちょっくらちょいと
気が付くものではありませんが、ここに「ローマ字」を介在させると、その学説
の正当性が一目瞭然!

鋭敏な方は、冒頭に挙げた単語「歩く」もその例の一つであることにすでに
お気付きかとは思いますが、併せて他の例も、
日本語/ローマ字/英語の順に書き並べてみると、
(歩く) →「あるく/aruku/walk」→→ ※LとRの違いだけ。
(骨) →「ほね/hone/bone」 →→→※腰骨(こしぼね)なんて表現もある。
(名前)→「なまえ/namae/name」→ ※江戸っ子は「なめぇ」と発音する。
・・・・などなど、キリがありません。

どうですか? 「ローマ字」を介すれば、日本語と英語は同じ言語から
枝分かれした「兄弟言語」?であることが一発理解できるでしょう!
ただ、まことに残念なことですが、筆者によるこの超ド級の学説は、学会には
無視され、トンデモ説並みの扱いを受けています。
あってはならないこうした事実からも、学会とはトコトン閉鎖的な組織であり、
現在にいたっても相も変わらず在野の研究者には冷たい・・・こう言い切って
構わない気がしている自称・在野の言語研究者?の筆者です。



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