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zoom RSS 日本史の「冗談?」16 豪胆衝動買いに栄光あれ!

<<   作成日時 : 2017/10/25 00:01   >>

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幕末に活躍した人物の一部については、その評価が分かれることもあります。
その行動を肯定的に捉えれば、間違いなく一種の「先駆者/功労者」という
評価になるものの、一面ではちょっとばかり首を傾げたくもなる行動も併せて
取っているということで、たとえば、幕末尊王攘夷の志士として一般的には
高い評価を得ている長州・高杉晋作(1839-1867年)。
この御仁についても、ネガティブな一面に目をやれば、こんな評価も成り立ち
そうです。

〜師・吉田松陰(1830-1859年)の「松下村塾」グループに身を置き、
  その過激な?思想にかぶれ行動した一介のチンピラ〜

現代風なら、「暴力団の組員」に見立てたような思いっきり辛辣な評価ですが、
これが奇説の類かと言えば、必ずしもそうは言いきれず、実際そうした視線で
捉えた本も出版※されているほどです。
ですから、頭から「トンデモ説」と決めつけてしまうわけにもいきません。
※例:原田伊織著「明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト

実際、平均的市井人の立場から眺めた晋作サンは、いささか型破りな
一面も備えていました。
それは一種の病気?とまでは言えないにしろ、そのスケールは明らかに
「平均的市井人の常識」の域を超えたもので、たとえば、
〜買う予定はなかった高額商品を見ているうちに欲しくなって買ってしまう〜 

実は晋作サン、この種の「衝動買い」をちょくちょくやらかしています。
それもまあ現在の感覚で、せいぜい数千円数万円程度の物に目を付け、
その代金を自分のサイフから支払うのであれば、それは個人の嗜好の
問題ですから、傍からとやかく言うべきことでもありません。
ところが晋作サンの場合は、
〜(現在の価値で)数千万円から数億円?もの「公金(藩の資金)」を
  自分の一存で使ってしまう〜
のですから、とてもじゃないが、「慎ましい」と
いえる範疇には収まっていないのです。

たとえば、「禁門の変」(1864年)で敗北を喫した長州藩はその後の1866年、
海外(上海)の状況視察をさせるべく、一千両(5000万円位?)の渡航費を
用意して、この晋作サンを送り出しました。
さて、その上海行き幕府船は、長崎で足止めを食らう形になって、結果として
100日余りの「出航待機」となってしまいました。 さて、その間に晋作サンが
したことといえば、こうだったとされています。
〜なじみの芸妓を身請けするなどの、いわゆる「豪遊」を繰り広げ、恐ろしい
  ことに「渡航資金・一千両」の全部を使い切った〜


こうした行動は、晋作肯定派からすれば、
〜なになに、決して遊び呆けていたわけではないのだゾ。 
  実を言えばダ、長崎在住の外国人を訪ねて世界の情勢を聞いたり、
  はたまた長崎の貿易状況を調べたり、さらには幕府役人らの接待など
  「生きた情報」の収集に奔走していたのだッ〜


ところが、そうは見ない堅物もいるわけです。
〜冗談じゃねぇゾ! (そりゃまあ、多少は羨ましい気がしないわけではない
  けれど・・・)自分のポケットマネーならともかくも、公金を「芸奴の身請け」に
  使うなんぞは、さすがにちょっとマズイだろうに! 「情報収集」だった
  なんて説明は、それこそアリバイ工作?に過ぎないッ!〜


四天王高杉51 桂小五郎02












(長州志士)高杉晋作/桂小五郎(後の木戸孝允)

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晋作サンの「金使いの荒さ」はこれだけに留まっていません。
実は前後二度に渡って「大きな」買い物をしています。
「大きな」というのは、その代金もそうなら、買った「ブツ」のボリュームも
その通りに「大きな」もので、当時の技術の先端を行く「蒸気船」でした。

「蒸気船」といえば、いわゆる「黒船来航」(1853年)の折にこんな狂歌で
讃えられた?ほどの、当時の最新ハイテク艦のことです。
〜泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船) たつた四杯で夜も眠れず〜
ですから、現代なら「原子力空母」並みの印象になるのでしょうか。

さて一度目は1862年、上海渡航の折、列強の武力によって半植民地化
された清国の現状にとてつもなく大きな衝撃を受けた晋作サンが帰国した
後のこと。
長崎で売りに出されていたオランダの蒸気船に目を付け、これをなんと
「独断」で注文しちゃった。
要するに、晋作サンは藩の承認を得ないまま発注したわけです。

その金額は2万両(およそ10億円?)だったとされています。
しかし、藩ではそれだけの金策がつかなかったことで、結局この購入話は
立ち消えとなっています。

二度目は、それより四年後の1866年のこと。
これも長崎で、今度は「3万6千両(およそ18億円?)」で売りに出されていた
オランダの蒸気船に目を付けるや、これも独断で「売買契約」を結びました。 
まったく「豪胆な衝動買い」・・・めげることを知らない御仁です。

しかし、晋作サン。 前回と同じ轍を踏まないよう、今度は先に現物の
引き渡しを受けるように算段をした上で、その代金請求書を懐にして、
意気揚々その現物「蒸気船」に乗り込んでの「下関帰還」を果たしました。

アワを食ったのは藩です。
「現物引き渡し」の前だったら、たとえばなにがしかの違約金を支払った上で
契約破棄という手断も取れたのでしょうが、なにせ本人がその「現物船」※に
乗って帰国したのですから万事休す。
※購入時は「オテントサマ丸」/後の名称は「丙寅丸(へいいんまる)」

この金の算段のために、藩との交渉に奔走したのが、吉田松陰門下の
先輩に当たる木戸孝允(桂小五郎/1833-1877年)達だったようです。 
なにせ、同様の前科?もあることですから、この時の木戸の胸中にこんな
思いが走ったとしても不思議ではありません。
〜やい晋作ッ、ええ加減にしてくれや〜

それはともかく、こうして手に入れた蒸気船(軍艦)は、この後に起きた
「四境戦争」※で活躍します。
この晋作サンが海軍総督として乗り込み、幕府艦隊奇襲・撃破に結び
ついたのですから、結果からすれば大いに「価値ある衝動買い」になった
わけです。
なるほど、その意味では「やる時にはやる」ものですねぇ。
※幕府による「第二次長州征伐」(1865-1867年)

そういえば、随分と昔のことになりますが、当時のブームに呑まれて、
「ぶら下がり健康器」なるモノを「衝動買い」した御仁がいました。
ところが、典型的な「三日坊主」で、現物はすぐさまオクラ入り。
晋作サンのケースとは異なって、こちらは一点の曇りもない正真正銘の
「無駄な衝動買い」だったわけです。 
ぇその御仁ってか?・・・もう時効?ですから公表しますが、何を隠そう
その凶悪?な「真犯人」こそ筆者にほかなりません。



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