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zoom RSS 日本史の「トホホ」24 日蓮サン予言?の星取表

<<   作成日時 : 2017/10/15 00:01   >>

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日本の歴史には、時として「日本人離れ」?した人物が登場します。 
たぶん、日蓮宗(法華宗)宗祖・日蓮(1222-1282年)もそうした一人に
挙げていいのでしょう。
なにせ、みんな仲良くの「和」をモットーとする日本社会にあって、いわば
「唯我独尊」的なこんな主張をしていたのですから。
〜念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊〜 

この言葉は「四箇格言」といわれており、云わんとするところは、
〜我が日蓮宗以外(浄土系も禅宗系も真言宗も律宗系も)はすべてが
  すべて邪教であり、それらを信心する者は間違いなく地獄へ落ちるゾ〜


こんな遠慮容赦のない言い方をされたら、他宗派とてさすがにムッときます。
ところが、さらには、
〜ワシを信じて「南無法蓮華経」とお題目(お経のタイトル)を唱えることこそが
  救われる唯一の道であるのダ!〜


この主張に、今度は比叡山(天台法華宗)の方がムッときました。
日蓮が学び巣立ったいわば出身母校?に当たる寺です。
〜バカこいちゃいかん! 有り難い「法蓮華経」の中身を無視して、その
  「タイトル」だけを唱えていれば良いなんて主張はあってはならんことで
  あって、由緒正しい天台法華宗としてはまったく認められん! そんな
  トンデモ説を唱えるなぞは、えぇい卒業生?日蓮こそはクソ坊主じゃ!〜


本家?からこんなお叱りを受けたなら、まあ大抵は少しばかりヘコむもの
ですが、そこが「日本人離れ」?した日蓮サンです。
〜なぁに、この日蓮自身が大聖人じゃによって、ワシのやり方そのものが
  絶対・唯一・是非とも正しいのだ・・・それに引き替えムニャムニャ〜

露骨には言わないものの、このムニャムニャのところで、暗に出身母校?
「比叡山」に対する批判も匂わせているわけです。

さて、これより250年ほど後の時代のお話になりますが、この日蓮宗
京都洛中洛外に21もの寺院を構えるほどの大発展を遂げました。
そうした現実に嫉妬?したのか、日蓮宗・21寺院に対して、自らの「末寺」に
なるよう強要したのが、この時の比叡山でした。
〜おとなしく我が比叡山の一組合員?になれ〜ということです。
ただそれが叶わぬとみるや、一転今度は日蓮宗信徒を撃滅すべく総攻撃の
行動に出ています。 これが、比叡山側が約6万人の兵力?を動員したと
言われる「天文法華の乱」(1536年)です。 

これに抗戦した日蓮宗側も数千人の犠牲者が出したとされていますから、
日頃説いている「仏の慈悲」なぞは両宗ともが無視・無頓着の有様で、しかも
宗派抗争どころか、大名同士の「大合戦」に優るとも劣らない、なんとも
大がかりな「武力衝突(戦争)」に発展していったわけです。
ですから、「宗教戦争」って行いは、なにも外国の専売特許ということでもなく
かつては日本でも人並に行っていたわけですから、どうぞご安心くださいネ。

日蓮51 元寇船51







日蓮(1222-1282年)/元寇(1274・1281年)

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さて、他宗派を含めたこうした寺院間の対決「宗教戦争」?はこの後においても
収まる気配をみせず、その後長らく繰り返されることになります。
ちなみに、仁義も遠慮もなく自己中心で暴れまわるこうした「武装軍団」である
寺院に対し、敢然とその「牙抜き」に立ち上がったのが、この時代に登場する
織田信長(1534-1582年)だったことになります。

それはともかく、お話を戻しますと、日蓮サンはさらに踏み込んでこんな主張も
繰り返していました。
〜我が日蓮宗以外の宗派がはびこっているからには、おっつけ外国軍の
  侵略に遭遇し、我が国は滅んでしまうゾヨ! そうならないためにはダ、
  早く「日蓮宗」に改宗しなくちゃイカン!〜

こうなると、まさに典型的な「唯我独尊」系?の思想です。

ただ、この主張を日蓮サンの「予言」?と受け止めていいのかどうかは、多少
微妙ですが、ともかく「侵略」や「亡国」を防ぐためには、一刻も早く日蓮宗に
改宗することが必要だと説き続けていたのは事実です。
確かに、そうした「国難」は目に見える形で姿を現わしました。

二度の「元寇」(文永の役・1274/弘安の役・1281年)がそれです。 
このことによって日蓮サンはますます自信を深めます。
〜ほれ見たことか! ワシの「予言」通りに「外国軍の侵略」だッ!
 それもこれも、正しい「日蓮宗」をないがしろにしているせいだッ!〜


現代人感覚で捉えれば、「日蓮宗の信心」と「国難・元寇」の間に直接の
因果関係があったとは思えません。
しかし、「元寇」とは「外国軍の侵略」に他なりませんから、そこは自らの予言?
が的中したということで、自信満々のさなかにある「宗教家」日蓮サンです。

〜ええか分かっているのか! この日蓮が言っている通りに、日蓮宗に改宗
  しない限り、次には「国が滅ぶ」という重大事態を招いてしまうのだゾ!〜

ところが、今度はそうは運びませんでした。
いわゆる「神風」(暴風?)が吹き荒れ、このことによって「日本国」ではなく
逆に「元軍」側が全滅してしまったからです。

「元軍全滅」「日本国健在」の知らせは日蓮サンの元にも届けられました。 
しかし、その時の日蓮サンは俄かに信じられなかったようで、
〜ありえないッ、そんなのは絶対にヘンだッ! これはワシを陥れるための
  「フェイク(偽)ニュース」に違いないッ!〜


それが「フェイク」ではなかったことを知った日蓮サンはさすがにガックリ。  
そりゃあそうでしょう。 「日蓮宗」に改宗しない限りは避けられなかったはずの
「国が滅ぶ」が、改宗せずともシラーッと通り過ぎてしまったのですから。

「間違いない」はずの自説が、歴然とした「現実」によって否定されちゃった
ことで「宗教人」としての日蓮サンは心に大きな傷を負う形になりました。
ですから、この後の日蓮サンは「国が滅ぶ」という話題そのものを、お弟子たち
にもを口止めしたようです。
〜ええか、この(不愉快な)話題にはもう触れるな〜といったところでしょうか。 
その意味では、さすがの日蓮サンもやはり典型的な「日本人」の一人でした。

もし徹頭徹尾「日本人離れ」していたなら、このくらいの態度に?
〜見ろ!本来なら予言?通りに「国が滅ぶ」ところだったのだが、この日蓮と、
  その「日蓮宗」の門徒達が一心不乱に「お題目」を唱えたお蔭によって、
  すんでのところで回避できたのであるゾ! よってもって、やはり「日蓮宗」
  こそが正しい教えなのだ。 あい分かったかッ!〜


実は日蓮サンの入寂(逝去)はこの翌年(1282年)のことです。
その事実を知ってみると、予言?を外してしまったことは、日蓮サンご本人に
とっても、とてつもなく大きな精神的ダメージだったのかもしれませんネ。



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日蓮宗の伝えるところではご指摘の〜見ろ!本来なら予言?通りに「国が滅ぶ」ところだったのだが、この日蓮と、その「日蓮宗」の門徒達が一心不乱に「お題目」を唱えたお蔭によって、すんでのところで回避できたのであるゾ! よってもって、やはり「日蓮宗」こそが正しい教えなのだ。 あい分かったかッ!〜となっています。これも昔の映画で見ました。神風の件は南無妙法蓮華経と日蓮上人とお弟子さんの二人での懸命なお題目を唱えることで描かれていました。上人さんが捕らわれ首を刎ねられる場面では稲光が首切り役に直撃、その直後に助命の使いが駆け込んでくるなど神がかりのことが伝えられているようです。ところがこちらでの歴史的な事実では「あらあら勝っちゃった」「大外れだ」と落ち込んだのが本当のところとのこと。そうだと思います。日蓮さん自身、国内や国外の結構情報の収集はしていたそうですね。日本で最高峰のところで学問をしていたので、大化の改新の頃や江戸幕末期ほどではないにしても最先端の情報は得ていたのではないかともいわれていますね。とまれ、実に毎回ですが面白く拝見しています。あ〜面白かった。
古代子孫
2017/10/18 17:26
>古代子孫サン、お久しぶりです。
そうですか・・・本編の内容は昔の映画にも
描かれていたのですか。
それとも知らず、完全無欠なオリジナリティを
発揮したとハナを高くしていたのに、世間知らずって
本当にコワいことですね。
貴重なご指摘ありがとうございました。
尚一層精進を心掛けますので、今後とも長い
ご贔屓をお願いいたします。
住兵衛
URL
2017/10/18 20:45

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