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zoom RSS 日本史の「微妙」04 コトはその前日に済んでいた!

<<   作成日時 : 2017/09/20 00:01   >>

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若い頃は嬉しくて、齢を重ねごとにイヤになっちゃうのが「誕生日」です。 
昨今の日本ではこれを「三ケタ」(百歳)まで伸ばす人も珍しくありませんが、
それでも、さすがに「四ケタ」「五ケタ」までは無理なようで、このへんが
動物界の長寿者である鶴(千年)や亀(万年)との違いかもしれません。
それはともかく、「人間五十年」という言葉もあった通り、平均的に先人達は
現代人ほどには長命ではありませんでした。

でも、人間のその「年齢」とやらはいつ加算されるのでしょうか?
比較的若い人達の多くはきっとならこう答えるでしょう。
〜そんなもん、誕生日を基準にするに決まっているじゃん!〜
でも、多少「トウの立った」方からはこんなセリフが返ってくるかもしれません。
〜そんなもん、年が明けての正月に決まっておるぞよ!〜

確かに年配者が言うこの方法は、現代も生き残っていて「数え年」と呼ばれて
います。 要するにこんな数え方です。
〜生まれた年を「1歳」とし、それ以降は暦年が変わるごとにそれぞれ
  1歳“年を加える”〜

簡単に言えば、誕生したその「日付」そのものはさほどの問題ではなく、
誕生したその「年」を基準にしているわけです。

これには、こんな理由もあったかもしれません。
〜昔の日本では「太陰太陽暦」を採用していたため、年によっては閏月を
  加えて一年が13個もの月になることもあっため、「誕生日」を基準に
  すると、むしろ不便の方が大きかった〜

そこで、エイヤァとばかりに、年が明けた「正月」を基準にする太っ腹を
見せたということでしょう。

ですから、こんな極端なケースもあり得たことになります。
〜大晦日(その年の最終日)に生まれた赤ん坊は、翌日(元旦)には
  「二歳」になる〜

生後二日目でもう「二歳」ですから、まっこと若い?「二歳」です。
こうしたカウント方法は、何事にもキメの細かい仕事ぶりを得意とする
現代日本人からすれば、大らかすぎるというか、まことにもって大雑把な
やり方に思えてしまいます。

しかし、現代目線は確かに幾分の不合理も感じられる加算方法とは言えそう
なものの、昔の日本では「選挙権」や「喫煙年齢制限」などの問題を扱う必要
がなかったことを考えれば、こちらの方が断然合理的だったかもしれません。
事実この「年齢のカウント法」は長く続きました。

現在一般的に使われている「満年齢」、要するに「誕生日」を基準にした
年齢の数え方は、明治以降になって、法律などの整備を進めた結果に
徐々に浸透していくことを図ったものです。
そうではあっても、習慣とは恐ろしいもので、「数え年」はその後も広く使われ
続け、昭和の終戦を迎えた後に、政府は「満年齢」を推し進める法律※まで
作ったほどでした。
※「年齢のとなえ方に関する法律」(1950年1月1日施行)

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満6歳で小学校入学/閏年2月29日

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だったら、「閏年2月29日生まれ」の人はどんな年齢の数え方になるのか?
誕生日に「年齢が加算」されるということなら、その「誕生日」自体が四年に
一度しかないのですから、ちょいとした不便も出てくることになります。
例えば、「満六歳」という「就学年齢」にしたところで、実際の人生経験は、
その四倍に当たる「二十四年」を経ているわけ、普通だったら成人(20歳)年齢
に達した「小学生」、はたまた、普通だったら還暦(60歳)年齢に当たる
「中学生」も誕生してしまうことになります。

ちなみに、1948年(閏年)2月29日生まれの人気作家・赤川次郎氏なぞは、
(噂によればのお話ですが)「還暦祝い」の際にこんな意味の挨拶をした
そうです。 〜やっと15歳になれました〜

しかしともかく、この「閏年2月29日生まれ」をさらに深追いするなら、
運転免許や選挙権の取得に至っては(通常の)72歳に当たるわけで、
最初の更新で高齢者講習が必要になってしまいます。
さらには、飲酒が許されるのは(通常の)八十歳に当たる年齢まで
待たなければなりません。
こうなると、人生の大きな楽しみの一つを奪われた格好にもなってしまい
・・・こう叫びたくもなるところです。
〜実際、これでは叶わんでぇ。 基本的人権はどこにあるッ!〜

ところが、「誕生日を迎えて年齢が加算される」という理解はまったくもって
の大間違いだそうで、正しくは、
〜誕生日「前日」の24時を過ぎた時点で加齢される〜のだそうです。
筆者なぞはこの「重大事実」をこの齢になるまでまったく承知していません
でした。 ノンキにもほどがあります。

ですから、先の赤川次郎氏など「閏年2月29日生まれ」の皆様も、それに
対する特別措置などがなくても、他の人と同様に誕生日前日の毎年2月28日を
迎えた時点できちんと「年齢を重ねた」ことになります。
要するに、「コト(年齢の加算)はその前日に済んでいた!」わけです。

ですから、「還暦(60歳)中学生」?も、あるいは「傘寿(80歳)を迎えて初めて
飲酒が許可される」ような顛末も、要らぬ心配、杞憂に過ぎなかったという
ことになり、やれやれ、ひと安心! 
ちなみに、先人たちが愛用?したいわゆる「数え年」に対して、こちらの
年齢加算方法を「満年齢」と呼んでいるわけです。

さて、お話を〜生まれた瞬間になんと「1歳」の「数え年」〜に戻しますと、
この年齢計算法は、考え方・見方によってはある意味「合理的」?な一面を
備えているように思えます。
なぜなら、こういう言葉・概念に置き換えられるからです。
〜母親の胎内※にいるときから、すでに間違いなく「命ある人間」として
  認められていた〜

※俗に「十月十日(とつきとおか)」と言われる妊娠期間

ところが「満年齢」の場合には、生まれてからようやくの事、その人生が
始まるとの考え方になりかねません。
いやなお話で恐縮ですが、事実Wikipediaにもこんな説明があります。
〜・・・従って、妊婦を殺害した結果胎内に居る胎児が死亡したといった事例に
  おいては、胎児については殺人罪(刑法199条)は非適用の可能性が高い〜

露骨な表現をすれば、つまりこういうこと?
〜(殺人罪の対象にならないのだから)胎児はまだ「人間」ではない〜

それを思えば、〜胎内にいるときは0歳児、生まれたらその瞬間から1歳児〜
とする先人たち御用達?の「数え年」は、現代人が愛用する「満年齢」よりも、
はるかに理にかなった一面を備えていたのかも知れません。
つまり、ひょっとしたら現代日本人は先人達の極めて貴重な「生活の知恵」
である「数え年」を惜しげもなく棄てて、「絶滅危惧種」?にしてしまった・・・
ってことに? ええぃバチ当たりメが!



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