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zoom RSS 日本史の「言葉」23 恐ろしいものを二人見た

<<   作成日時 : 2017/03/15 02:15   >>

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明治時代に入ってからのこと、元幕臣・勝海舟(1823-1899年)
こんな回想をしています。 
〜おれは今までに天下で恐ろしいものを二人見た。 
  それは横井小楠と西郷南洲とだ〜
 この場合の「恐ろしい」
とは、「夜叉面もどきの怖い面構え」という意味ではなくて、多分
人物の「桁外れの大きさ」を言ったものだと思われます。

この内、「西郷南洲」が、維新三傑の一人「隆盛」(1828-1877年)
指していることは一目瞭然です。 幕末維新の時期において、
この海舟と渡り合い、「江戸無血開城」(1868年)を実現させたこと
でもよく知られた人物だからです。

では、一方の「ヨコイ・コナン」とは、いったい誰や?
「名探偵コナン」のモデルになった人物ということではありません。
実は「コナン」ではなく、「しょうなん」(1809-1869年)と読み、幕末期
の政治・思想の面で大きな影響力を発揮した人物・・・らしい。

名をスラスラ読めないこと自体が、「知名度」としてはそれほど
高くないように感じられますが、実際には「維新十傑」の一人に
数えられていますから、タネを明かせば筆者がよく知らなかった
というだけの「お粗末」なのですが。

〜明治維新は小楠が設計し、西郷が具現化した〜
こんな評価もある肥後(熊本)藩士でした。
地元で藩政の改革にも取り組みましたが、反対派の抵抗も
あって、これは結局失敗に終わっています。

ところが、今の言葉ならヘッド・ハンテイングというのでしょうか、
福井藩の政治顧問に招聘されるや、以後の実績にはそれこそ
「恐ろしいもの」があったのでしょう・・・多くの人物が「教えを乞う」
カタチで、この小楠との関りを持つようになったということです。 

先の勝海舟を初めとして、たとえば幕末の志士・坂本龍馬
福井藩主だった松平春嶽/最後の将軍・徳川慶喜/長州の
思想家・吉田松陰/など、幕末から明治維新にかけて活躍を
見せた中心的人物たちも、幕府・薩長方を問わず、多くが師と
仰ぎ、さらには、明治に改まってからも17歳の明治天皇に国政の
理想を説いたとされる人物ですからハンパではありません。

では、それほどに「恐ろしいもの」だった横井小楠が、現代人に
とって知名度がイマイチ?というのはどうしたことか?
一口に言えば、「縁の下の力持ち」的な存在だったことが影響
しているのかもしれません。

動きの派手な「行動派」というよりは、地味な趣の「思考派」と
いうことですが、そうした印象とは逆に、実際には小楠の最後は
「暗殺」というド派手?なものでした。


横井小楠01 勝海舟01










横井小楠/勝海舟

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この事件の顛末は、反対派グループによる襲撃/標的の乗った
駕籠を目がけて発砲/首を切断/などの点が共通していることも
あって、イヤでもその9年前、つまりまだ江戸時代だった頃に
起きた井伊大老暗殺事件「桜田門外の変」(1860年)を連想させる
ものがあります。
世の中が「明治」(2年)に切り替わったといって、「武士が刀を振り
回す」姿が一気に無くなった、ということでもなかったわけです。

「暗殺」という非常手段に訴えたのですから、反対派にとっては、
この小楠の存在はよほど目障りなものだったのでしょう。
何がそんなに気に食わなかったのか?
〜小楠は開国を進めて日本をキリスト教化しようとしている〜
反対派はこうした危機感を煽って、これを大義名分としました。

実際には小楠にそんな腹はなく、むしろキリスト教が広まった
場合の混乱を心配していたほどでした。
さらに、反対派は自分達が作成した偽書を振りかざしてデッチ
上げの告発をするという手口まで使いました。
〜この証拠物件?をよく見てみれッ! ことほど左様に小楠は
  秘かに皇室転覆を企てていたのだゾ!〜

小楠を陥れるためなら、もう「なんでもあり」の有様です。

ところが、これは全くの言い掛かりというもので、「皇室転覆」
どころか、小楠は天下が幕府の統治下にあった時代から、こう
説いていたのです。 〜天皇のもとに天下を統一し、人材を
  広く登用して議会政治を実現すべし〜


この考え方の根本部分が坂本龍馬の「船中八策」(1867年)にも、
明治天皇の「五箇条の御誓文」(1868年)にも色濃く表れている
ことは明らかです。
つまり小楠の思想は、土佐の一郷士に過ぎない坂本龍馬にも、
また至高の存在である明治天皇にも、身分の垣根を超えて
大きな影響を与えていたということになります。

ですから、明治新政府の土台となる政治思想を明確に解き
明かした「時代の先覚者」との評価、また「維新の十傑」に
挙げられることも、ある意味当然といえるのかもしれません。
つまり、こうした「思想のスケール」の大きさを備えた小楠を、
海舟は「恐ろしいもの」という言葉で最大級に評価したという
ことなのでしょう。

もう一つ、小楠はこんなことも述べています。
〜西洋の帝国主義は覇道を目指すものであるが、我が日本は
  王道政治をもって徳を重んじる有徳国家を目指すべし〜


言葉を変えれば、こんな思想です。
〜西洋では事業利益追求のために学問を行うのであって、
  徳を学ぶものにはなっていない。 
  ゆえに利益に行き詰まるとすぐ戦争になる。 
  心徳を学ぶことで、戦争をしなくても済む道もあるのだゾ〜


う〜ん、その意味では、現代日本が小楠の期待に応えた
「有徳国家」になっているのかどうか。 
この辺りのことは小楠の採点を待つ必要もありそうですが。

それはともあれ、早速のこと筆者も海舟の言葉をマネてみました。
〜おれは今までに天下で恐ろしいものを二人見た。
  それは「ジェイソン」※1と「フレディ」※2とだ〜


このレトロな回想は、意味が分からない人の方が多いでしょうが、
両人?とも1980年代の「ホラー映画」に登場した連続殺人鬼で、
いやあ、チビるほど「恐ろしいもの」でしたゾ!

※1) 1980年〜「13日の金曜日」シリーズ/不死身の連続殺人鬼
※2) 1984年〜「エルム街の悪夢」シリーズ/鉄の爪を持つ連続殺人鬼

映画13金曜日51 映画エルム街51





ジェイソン「13日の金曜日」/フレディ「エルム街の悪夢」



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