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zoom RSS 日本史の「忘れ物」24 沖を通るは北前船か廻船か?

<<   作成日時 : 2016/11/15 00:01   >>

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〜荒れた天候によって江戸への航路が閉ざされていた年、
  紀州のミカンを、家に残ったボロい大船にドッチャリ積み
  込むや、猛烈な嵐の中を江戸まで運んだ〜

史実か伝説なのかは幾分あいまいなところがありますが、
ともかくこんな命懸けの行動が「紀伊國屋文左衛門」
(1669?-1734年)のエピソードのひとつとして語られています。

そこで、改めてこの頃の「(和)船」に注目してみると「廻船」
いう言葉が使われています。
現代言葉なら「貨物船」「輸送船」ほどの意味になるそうです。

ところがややこしいことに、この「廻船」の中にも数多の種類が
あったとのことで、そこでちょっと整理することを思い立ちました。
本来ならこんな面倒臭いことに関わるのはハナから御断り
ですが、たまたま紀伊國屋文左衛門こと「紀文」の伝説?を
聞きかじってしまったことが運の尽きです。

さて、この頃の「貨物船」には、「」の字あり
「菱垣船」(ひがきかいせん)/「樽」(たるかいせん) 
「廻」の字なしの「北前船」(きたまえぶね)/「弁才船」(べざいせん) 
などの名称がありました。
この他にも「飛行船」や「紙風船」があったと主張する方もいます
が、これはもちろん質の低い冗談としてうっちゃるべきでしょう。

それにしても、「船」に詳しくない人間にとって、その違いは
すんなり理解できるものではありません。
そこで、よくよく探ってみると、構造的な括りでは「北前船」
「菱垣廻船」もそしてまた「樽廻船」、「弁才船」に該当すると
なっています。
言葉を変えれば、「弁才船」とは、いわゆる「大型木造帆船」を
総称する用語であり、その中にいろいろな名称を持つ船が
整理?包含されているわけです。

だったら次の段階として、「廻」の字が付く「菱垣廻船/樽廻船」
と、付かない「北前船」の区別という段階へ進むことになります。
新しい知識に触れようとすると、それなりに厄介なものですねぇ。

さて、先へ進むと、どうも「廻」の字の有無は、構造的な区別では
なく「積荷の性格」を指していることが分かってきました。 
かなりくたびれてきましたが、要するに大型木造船「弁材船」
積荷の性格で区分して、こう呼んでいたことになります。

<A>北前船→船主自身が買った「商品」を航行運送し販売する。
<B>廻  船→他者から預かった「商品」を航行運送する。
 (この中に)  <B-1>菱垣廻船→積荷は一般商品
         <B-2>  樽廻船→積荷は酒樽
         <B-3>○○廻船→積荷により異なる名称に

だったら、「自分が購入したミカン」を「自分の船」で運んだ、先の
「紀文」は、定義的?には「北前船」の範疇にあったことになり
そうです。


菱垣廻船01 樽廻船01






菱垣廻船/樽廻船

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こうなると、後は「廻船」仲間の「菱垣廻船」と「廻船」の区別も
知りたくなってきます。 もちろん、知りたくない方もおられ
ましょうが、それはそれ「袖擦り合うも他生の縁」という言葉も
ありますので、不承不承でもお付き合いください。

両船の違いは「積荷」の種類にあって、
菱垣廻船→主に上方と消費地・江戸を一般商品で結んだ。
  廻船→主に上方から江戸に「酒荷」を輸送した。
しかし、これら以外にも、例えば「生糸廻船」とか「塩廻船」と
呼ばれる船もあったようです。

では、その「菱垣廻船」の「菱垣」とは?
人の転落や波浪を防ぐために船縁の左右に設けた垣根の
ような特徴的なデザインの囲い、これを「菱垣」と呼んだことから
きているとの説明です。

でも、積荷を「一般商品」と「酒樽」に分けていたのはなぜで
しょうか? そんなもん、分別することなくまとめて一緒に運べば
もっと効率的だった気もします。

案の定、江戸時代の先人にも同様の考えを持ったようで、
当初は多彩な積荷の中に酒樽も混載していました。
ところが、多様な荷の積荷作業ともなれば、それなりの日数も
要し、実際の出帆までは結構時間がかかってしまいます。

これは、輸送時間の短縮が重要な「酒」には至って不向きな
方法で、そのためそうした時間を極力短縮した「酒専用運送船」
すなわち「廻船」が考え出されたようです。

この「酒樽」には、まことしやかにこんなお話が伝わっています。
江戸時代は首都?が京都ですから、運行の「上り・下り」は
現代とは正反対になります。
ですから、灘(現在の神戸あたり)で作られた酒は、大阪から
地方都市・江戸へ出荷、つまり「下って」いたわけです。

この下った「灘の酒」は香りも良く美味しいため、江戸では非常に
高い評価を得ました。
ところが、江戸から大坂方面へやってきた人が本場の「灘の酒」
を試してみると、さほどのことはありません。
檜の樽に詰められた酒は、「樽廻船」で揺られ運ばれる過程を
経ることで、檜の香りもその美味しさも保っていたわけです。

で、大坂から江戸に「下った酒」は美味しいが、「下らない酒」は
さほどのことはない・・・ここから、大したことはない、つまらない
ことを指して「くだらない」と言うようになったそうです。
ウソかマコトか微妙ですが、結構面白いお話にはなっています。

そういうことなら、悪ノリして、これはどうだ!
〜女性は「大」の字になって寝そべることができるが、
  男性の場合は、それがどうしても「太」の字になってしまう〜

う〜ん、なんとも「下らない」お話で大変失礼をバ申しました。




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