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zoom RSS 日本史の「事始め」02 日本ヒコーキ野郎の足踏み

<<   作成日時 : 2015/04/25 00:01   >>

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1903(明治36)年12月17日、ノースカロナイナ州で行なわれた
ライト兄弟による数度の飛行実験は、距離にして250mほど、
時間にして1分近くという「大記録」を打ち立てました。
これが「有人動力飛行」、つまり飛行機によって「人間が空(中)
を飛ぶ」
ことに成功した世界最初の出来事とされています。 
※兄・ウィルバー・ライト(1867-1912年)ライト家の三男。
  弟・オーヴィル・ライト(1871-1948年)ライト家の四男。


ところが意外なことに、同じ頃「空飛ぶ機械」の開発を目指して
いた人物が、この日本にもいました。 
陸軍に徴兵配属されていた1889年、自ら名付けた「飛行器」
考案に取り組んでいた愛媛県出身・二宮忠八(1866-1936年)です。

ある日のこと、二宮は空を飛ぶカラスが”羽ばたきをしない”で
滑空していることに気付き、
〜それなら、翼で風を受け止めれば空を飛べるかもダッ〜
この着想が彼の「飛行器」作りの原点になりました。

しかし、こうした「原理」自体は個人レベルで会得できるとしても、
莫大な費用を必要とする「実機飛行」はそうそう容易なことでは
ありません。
そこで二宮は「軍」に対して二度ほど「資金協力」を願い出ること
もしたのですが、結果は二度とも「却下」・・・
簡単に言うなら、軍は「空飛ぶ機械」なぞは絵空事であり、
〜この世ではあり得ないことッ!〜との判定を下したわけです。

飛行機を見慣れた現代人には、ちょっとばかり「驚きの裁定」と
いうことになりますが、実は一方のライト兄弟の「飛行機」も
同様な目に遭っていました。
アメリカの軍・学者・新聞は、それはもう非難の大合唱で・・・
〜機械が空を飛ぶなんて、科学的に断じて不可能なのだッ!〜

社会が「新しい概念」を理解し受け入れることは、洋の東西を
問わず、そうそう簡単でないことをうかがわせるエピソードです。


ライト兄弟飛行機 二宮忠八02









     ライト兄弟の初飛行/1903年   二宮忠八/日本ヒコーキ野郎

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さて、軍の無理解に遭遇したものの、自らの「飛行器」開発の
夢を捨てがたい二宮は、今度は「資金づくり」から始めることを
決意して軍を退役。 その後民間会社に入社したのですが、
結果的にはこの方法は「足踏み」になりました。

なぜなら、会社での業績を上げ1906年には支社長にまで昇進
したものの、その間に期待したスポンサーが現れることはなく、
海の向こうのライト兄弟によって「世界初飛行」を実現されて
しまったからです。 おそらく「日本ヒコーキ野郎」としての二宮は
大いなる落胆を味わったことでしょう。

でもこの書き方だと、こんな予断を与えるかもしれません。
〜もし徴用時代に軍が、あるいはその後の会社時代に支援者
  が現れていたとしたら、二宮はすんなり「世界初飛行」を実現
  させられた〜


ところが、これがいささか”微妙”なところで、この時二宮が製作
していた「飛行器」は理論面はともかく、後になって機体重量に
対しての動力パワー不足であった可能性が指摘されていますし、
また仮に、その課題を乗り越え、晴れて「飛行成功」にこぎつけた
としても、「世界初」という名誉をすんなり手中に収めることが
できたかどうか?・・・できなかった可能性も高かったのです。

栄誉ある称号「世界初」を、絶対に民間人には与えたくない・・・
当時、こう考える勢力が結構露骨な活動を見せていたようで、
実際ライト兄弟自身もそうした理不尽な騒動に巻き込まれて
います。
同じアメリカ人に対してすらこんな有様だったのですから、これが
この時代の「東洋の黄猿」日本人の仕業ということになれば、
さらにその上を行く妨害・嫌がらせを蒙ったに違いありません。

それを思えば、ライト兄弟に先を越された現実は「技術者・二宮」
としては非常に無念なことだったでしょうが、一方では「世界初」
を巡る不毛な騒動に巻き込まれずに済んだとも言えるわけで、
その意味では幸いだったのかもしれません。

しかし、洋の東西を問わず偉人とされる人物はなぜ揃いも揃って
鋭い観察力を備えているのでしょうか?
見慣れた「カラスの滑空」姿勢なんぞから「飛行器」のヒントを得た
二宮忠八も確かにその通りなら、「リンゴの落下」風景から
「万有引力」の存在を引き出したニュートンの観察力にも
驚かされます。 ※アイザック・ニュートン(1642-1727年)/イングランド人

これは負けてはおられんと一念発起したワタシも公園ベンチに
陣取り、「空に浮かぶ雲の動き」を鋭く観察ッ!
ただ陽気のせいか、ついウトウトしちゃって・・・
う〜ん、このへんが凡人の凡人たる所以かもしれんなァ?



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