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zoom RSS 日本史の「お国自慢」13 日常を”歴史”に変えた藩士

<<   作成日時 : 2015/02/20 02:30   >>

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1984年(昭和59年)ということですから、もう30年ほど昔のことに
なりましょうか、神坂次郎著「元禄御畳奉行の日記」が随分と
評判になったことがあります。
ネタ元になったのは尾張藩士・朝日重章(文左衛門/1674-
1718年)
が残した「鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)と呼ばれる
個人の日記で、1691年から始まり、1717年(亡くなる前年)まで、
なんと26年余に渡って休みなく書き続けられたものでした。

その内容はと言えば、藩士としての身辺雑記は元より、趣味の
魚獲り・芝居見物・バクチ・酒・グルメ、そして当時見聞した
世間の噂話・事件・犯罪・スキャンダルなど、およそ自身が興味を
抱いたこと全般に渡り、今風なら「個人日記+新聞+週刊誌」を
ひっくるめた感じでしょうか。

そこで、今回はその尋常でない?”筆まめ”ぶりの尾張藩士を
「お国自慢」として取り上げてみたのですが、その中には現代人
が少なからず「意外」と感じることも書かれています。

たとえば、この文左衛門の勤務日数が「週一日」どころか、
なんと「九日に一日」くらいのペースだったこと・・・これなども、
残業や休日出勤をごく「当たり前のこと」として受け入れている
現代人からすれば、ちょいとした驚きです。

では勤務日以外、すなわち”有り余る休日”にはいったい何をして
いたのか? 無類の「酒好き」で「芝居好き」ということもあって
おそらくはこちら方面に精を出していたのでしょうが、少し気に
なるのは趣味の「魚獲り」です。 なにせ、五代将軍・綱吉の治世
(在任:1680-1709年)ですから、例の「生類憐れみの令」とバッチリ
時期が重なっているのです。

一度や二度の体験では、普通は「趣味」とは言いませんから、
「魚獲り」は結構頻繁に楽しんでいたものと思われます。
しかし、そのことを悪びれず堂々と書き残しているとことをみると
本人自身はこうした行為が重大な「法令違反」?だとは認識して
いなかったのかもしれません。

また同じ頃、三代藩主・綱誠(つななり)も、山で鹿狩りを行っている
のですから、将軍様のお膝元ではともかくとして、尾張辺りでの
「法令順守」はかなり不徹底だったことも窺わせます。

それはともかく、文左衛門の日記に戻ると、あの「元禄赤穂事件」
(1701年)については、発端になった「殿中刃傷沙汰」や「浅野
内匠頭の即日切腹」、またその後の「討入り」の一連には触れて
いるものの、「浪士切腹」については書いていません。
これから想像するに、芝居「忠臣蔵」でフィーバーする前の
「赤穂事件」は、割合地味目の”衝撃”?だったのかも。

また藩士ですから、その旺盛な好奇心は当然、藩の様子にも
向けられています。 
これがまた現代の「三面記事」「週刊誌」もどきの内容になって
いて、少しばかり話が面白いのです。


江戸名古屋大須51 江戸名古屋鸚鵡図51












   大須七ツ寺の茶店/尾張名所図会       鸚鵡図/伊藤若冲  

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当然ですが、尾張藩主・徳川吉通(在任1699-1713年)の生母である
「本寿院」(1665-1739年)の噂も取り上げています。

この女性、「絶世の美女」との評判の反面、一方では賑やかな
「性的スキャンダル」でも有名な?方だったようで、実は夫・綱誠
(吉通の父)亡き後は、75歳で亡くなるまで、江戸屋敷に続き
名古屋でも幽閉生活を送りました。 なんで?
その「ご乱行」?を幕府に咎められたことが理由とか・・・

で、その件についての文左衛門の紹介?はこうなります。
〜多くの男性と関係をもち貪淫絶倫にして、幽閉後も実は・・・〜
この後にも丁寧な御案内?は続きますが、残念ながらここでは
青少年に与える影響も配慮して、スッパリ割愛。

さて、その文左衛門は男子に恵まれず、娘に養子を迎える形で
跡継ぎに立てました。 しかしその養子が病弱だったこともあって
ほどなく知行を返上、結局朝日家は断絶しています。
その時点で「鸚鵡籠中記」の存在を知った藩は秘蔵を決めます。

しかし、藩の醜聞やら、当時の「生類憐れみの令」に対する法令
違反?やら、諸事不都合な事までアッケラカンと書き連ねてある
のですから、これはまあ常識的な処置と言えましょう。

で、その後250年(昭和40年代まで)ほど「おクラ入り」?の後、冒頭に
あるように1984年、「元禄御畳奉行の日記」として、久々に世間の
注目を浴びることになったわけです。

公式な記録というものは、諸般の事情も重なり、得てしてウソや
誇張や自己弁護が混じった「大本営発表」?になりやすいもの
ですが、その点個人の「日記」なら、もう少し遠慮なく書けるのも
事実で、実際文左衛門もその通りに筆を運んでいます。

こうした傾向をもう少しデフォルメすると、〜当時の「政府発表」
より、「日記」の方が遥かに正しい情報を発信していた!〜

こういうことだって、あり得ないわけではありません。

つまり言いかえるなら、アナタの日記だって250年後にもなれば
ひょっこり見直され、「歴史の玉手箱」になるかもしれないのです。
ですから皆さん! 〜アナタも日記を残しなさい〜

もっとも、子供時代の「絵日記」しか体験しなかったワタシの提言
では、確かにいささか迫力不足の感も否めませんが・・・そこは
それ、「善は急げ」とか「気は心」という言葉もあるのですから、
どうか寛大な心で聞き流してやってくださいね。




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