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zoom RSS 日本史の「忘れ物」19 ”士農工商”って放送禁止?

<<   作成日時 : 2014/09/30 00:10   >>

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昭和時代の学校では、こう教えていたような気がします。
「士農工商」とは身分を偉い順に並べた言葉である〜
ところが、驚いたことに平成の現代では、これが
〜すまん!誤解だったかもしれん〜ということになって
いるそうです。

ちょうど「老若男女」が「人間全体」を、また「春夏秋冬」が
「季節全体・一年全体」を示すのと同様に、この「士農工商」は、
単に「国民全体」を表したものとする見解です。
裏を返せば「身分制度」自体を、またはその「上下関係・序列」を
表わしている言葉ではないという意味合いになります。

つまり、「身分」でなく「職分」とする見方ですから、
〜「士農工商という身分制度」はなかった〜となり、ついでの
ことに(確かめたわけではありませんが)、最近の教科書にも
この「士農工商」という言葉は登場しなくなったとされています。

ただし(ややこしい話ですが)、「士農工商という身分序列」は存在
しなかったとしても、「士農工商という言葉」自体はありました。
既に紀元前1000年頃の古代中国では、これを「民」の職業を
四種に分類する言葉として使っていたようです。

では百歩譲って、仮に「身分序列」説が誤解?だったなら、
それはどこに端を発したものだったのか?

説明によれば、明治時代以降の歴史学者が儒教観念から、
〜これは身分制度を表わしたもの〜として「最初の誤解」?を
犯したそうですが、そこへパワーアップされる形で、「士農工商・
穢多・非人」という身分序列があったとする説が加わり、
より強固な定説?へと発展していったとされています。

さらに加えるなら、支配階級/被支配階級に分類する作業に
熱心だった戦後のマルクス史観?にとって、この「士農工商」
いう言葉がまことに都合良く活用できたという事情も重なっていた
のかもしれません。

これが事実なら、「士農工商」を「身分制度」と信じてきた昭和の
人たちは不憫な犠牲者?ということになるわけです。

「身分制度」とする理解が間違いであったなら、それを訂正する
ことは、放置したままよりずっと良いことですが、しかし反面では、
これと矛盾する「意外な事実」?があります。


画像











▲三代歌川豊国「今様見立士農工商 職人」(町田市立国際版画美術館所蔵)

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この「士農工商」という言葉が、なんと「放送禁止用語」に加え
られているのです。 これも、とんと知らなかったゾ! 
先のように「国民全体」を意味する言葉であるとするのなら、
それがなんで「放送禁止」なのか?
当然こんな疑問も湧いてこようというものです。
※もっとも放送各社の自主規制?で一律の基準はないとされる。

その理由を突き詰めていくと、どうやらこういう理由のようです。
〜部落差別を連想させる〜
たった今、「士農工商という身分制度」はなかった言ったばかり
なのに、それがどうして〜部落差別を連想させる〜ことになる
のか? おいおい、ますます意味が分からんゾ!

ということで、さらにしつこく追跡?してみると(これも推測の域を
出ませんが)
、この「士農工商」から〜士農工商・穢多・非人〜
という言葉に飛躍し、これがどうも〜部落差別を連想させる〜
いう判定?に繋がっているようなのです。

しかし、そういう学説があったにせよダ、ごくごく普通の人がこの
「士農工商」という言葉に接したときに、果たしてそこまで意識を
広げて、いちいち「差別意識」なり、もしくはそれを「助長」する
感情を抱くものかどうか、いささか疑問に感じるところです。

そういえば少し昔の話ですが、作家・筒井康隆氏が、
〜文壇にはSF作家に対する差別?がある〜という意味合いで
自虐的に〜士農工商・犬・SF屋〜と発言したところ、実際
これが大きな問題になりかけたことがあったそうです。

蛇足になりますが、この「放送禁止用語」には普段なにげなく
使っている言葉も含まれていて、さらに驚かされます。
たとえば、職業を指す「床屋(とこや)」「魚屋(さかなや)」も
その範疇にあって、床屋→“理髪店”など、魚屋→“鮮魚商”など、
別の言葉が推奨?されています。

さらにはこんな言葉も言い換えが進んでいるようです。
  <昭和時代の言葉> → <現代の推奨言葉>
  先の「士農工商」 → 「身分社会階級制度」※やっぱり「身分」?
題名「王子と乞食」 → 「王子と少年」
題名「ノートルダムのせむし男」 → 「ノートルダムの鐘」
     色彩「肌色」 → 「ペールオレンジ/うすだいだい」
     職分「親方」 → 「チーフ/班長」※これはちょい違うのでは?

しかし、こうした先回り?の「言葉変換」作業自体が実はいささか
「慇懃無礼」な配慮であって、これが逆に〜差別を助長する〜
ことに貢献?しているような気もするのですが・・・




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