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zoom RSS 日本史の「女性」14 ゴースト絵師?失踪す

<<   作成日時 : 2014/03/25 00:01   >>

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絵心が素寒貧の人でも、時には一枚の絵に目を奪われる
ことがあるでしょう。
素寒貧の度合いでは誰にもヒケを取らないワタシですら、
この絵には思わず「ほぅ」と感心したものです。

もろに和風の題材ですから、日本人画家であることは容易に
想像できましたが、さてその他のことがなんにも分からない。
見慣れた?平面的で淡白な「浮世絵」のに比べると、光と影の
コントラストが印象的な上に、しかも「繊細」で「独特の雰囲気」が
・・・う〜ん、いったい、この絵師はどこのどいつなんだ?

その正体?を知って少しばかり驚きました。
雅号を「葛飾応為(おうい) と称していたものの、その素性は
超有名絵師・葛飾北斎(1760-1849年)の三女・お栄サンとのこと
でした。

お栄サンが父・北斎と同居しながらそのアシスタントもどきの役を
勤めていたことは承知でしたが、自身も絵師だったことはとんと
知らなかったからです。

結婚はしたようです。 つまり後に離婚したということですが、その
離婚理由も結構ユニーク?で、ある時お栄サンが夫(絵師)の作品
に対して辛らつな「批評」?を加えたことがそもそものきっかけ
だったとか・・・ですから、割合に「ハッキリものを言う」タイプの
女性だったということなのでしょう。

北斎を尊敬していた絵師・渓斎英泉(1790-1848年)がその著書
(1833年刊行)の中でこのお栄サンを取り上げ、「応為は名手」と
紹介しているようですから、すでにこの頃(多分30歳代?)には、
ある程度「知られた存在」になっていたと思われます。



画像













   「吉原夜景図」 画:葛飾応為(1801頃?-1867頃?)
   太田記念美術館 提灯に「応」「為」の文字が描かれている

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ただし、北斎も応為も絵を描くことに夢中になるあまり、
家の片付まではとんと手が回らずに、部屋が限界まで荒れると
お次の家へ引っ越すという、かなり破天荒な「親娘同居」ぶり
だったようで、そのことがまた〜北斎は生涯に93回?の引越しを
繰り返した〜
という有名なエピソードに発展しています。

雅号「応為」の由来がまた個性的で、なんでも北斎がお栄サンを
「お〜い、お〜い」 と呼んでいたので、それをそのまま「雅号」に
してしまったとか。
結構、茶目ッ気に溢れた女性だったのかもしれません。

さて、応為の作品は現存わずかに10点程度ということですが、
実は「北斎作」とされる作品の中にも相当数の「応為作」、または
「北斎・応為共作」があるとされているようですから、もしそうなら
いわゆる「ゴースト絵師」?の立場にいた可能性もあります。

事実北斎自身が 「美人画では応為に適わない、う〜ん奴サンは
うまい!」
と洩らしていたことや、さらには北斎が死んだ何年か
後にはすっかり「消息不明」、つまり 「失踪」? しちゃったという
見方もあることが余計にその印象を強めています。
そう、死んでしまった人の「ゴースト」では意味がないですものね。

こうしてみると、この女流絵師・葛飾応為は、生年・没年、そして
またその仕事内容までもがハッキリしていないなど、どこまでも
とことん「ゴースト絵師」?そのものということが出来そうです。

「これは面白いことに気がついたワイ!」と自画自賛していたら、
とっくの昔にこの「応為」に注目してさっさと本にしている人が
この日本にも、そして遠くのカナダにもいました。
山本昌代:小説「応為坦坦録」/Katherine Govier:小説「The Ghost Brush」

これを「いやあ、世の中って広いものですね」・・・というべきか、
はたまた「ワタシの視野って狭いものですね」・・・というべきか?





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