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zoom RSS 日本史の「トホホ」05 鼻をへし折られた大学者

<<   作成日時 : 2013/08/20 00:30   >>

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このエピソードには現代にも通じるものを感じましたので、
ちょいと皆様にもご紹介します。
お話の主は江戸中期の儒学者・荻生徂徠(おぎゅう・そらい)
(1666−1728年)という方で、「赤穂事件」の折に「浪士」の処遇を
巡って幕府内部からも「助命」の声が上がる中で断固として
「切腹」を主張したことでも有名な人物です。

さて、この少し前の中国大陸では、日本人インテリにとって
憧れの的だった中国「明」が、こともあろうに「清」によって
この世から消滅させられてしまうという歴史的(屈辱的?)な
出来事がありました。

早い話が、由緒正しい?漢民族の「明」が、文明度ゼロと
見下していた野蛮人?民族の「清」にやられちゃったわけです。
中華思想の理念からすれば、こんなことは「ありえないこと」で
あり、「あってはならないこと」なのです。

でも、これが現実に起きてしまったのですから、当時の日本人
インテリ(中国かぶれ?)層が受けたショック・虚脱感には
ハンパでなく大きなものがあったと想像されます。

まあスケールは多少小さいのですが、二十世紀に入って
共産主義大国・ゾヴィエト連邦の崩壊を目の当たりにした一部の
日本知識人のガックリ感を想像すれば少し分かりやすいのかも
しれません。

お話を戻しますが、当時は儒学者といえども、中国文を「訓読み
返り点付き」で「日本読み」するのが普通でしたが、そんな中で、
この徂徠サンに限っては、中国古典すらまんま「中国読み」が
できたそうですから、その学識たるや現代なら、まあ「文化勲章
間違いなし」のレベルにあったというところでしょう。

ですから、その「中国かぶれ」?も、「ド」が付くほどの迫力に
満ちており、「聖人の国・中国/東夷の国・日本」、つまりは
〜中国人こそが文明人であり日本人は所詮野蛮人〜という
信念?に固まっていましたから手がつけられません。

おそらくは、中国に対する超ド級の知識をオノレの「自慢」?に
して、こんな雰囲気を漂わしていたのかもしれません。
〜まわりの日本人連中とは違って、ワシだけは中国人に肩を
並べられる文明人である!〜
 (・・・多少イヤミな奴だ)

詳しいことはよく分かりませんが、さらには長崎の通辞から
「中国会話」も学んでいたとされています。
(この頃は明国からの亡命者なども少なくなかったので、あるいは、
 他のルートで学んでいたのかもしれません。)


そういうことも織り込んでか、wikipediaではこう説明されています。
荻生徂徠〜豪胆でみずから恃(たの)むところ多く、中華趣味を
もっており、中国語にも堪能だったという。〜



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つまり、徂徠サンはこういうイメージになります。
→中国古典を加工なしの「原文のまま」すらすら読めた。
→学者でも困難なレベルの中国文も書けた。
→語学塾?に通って「中国語会話」も身につけていた。
→すなわち、中国語に関しては「読み・書き・話す」を完璧に
  マスターしていた。


さて、そこでお話は続きます。
ある時、その徂徠サンは渡来した「清」人の僧(悦峰道草?)に
面会する機会に恵まれました。
ここまでの流れからして、当然この時の文明人?同士の会話は
相当に弾んだもの・・・と思いますよネ、普通は。

ところが、ドッコイ!・・・そうはなりませんでした。
その理由は相手の清人僧が「シャイで無口」だったせいではなく、
二人は「中国語」を選ばず、なんと「筆談」に及んだからです。
でもまた、手間をかけて、なんでそんな「不便」なことを?

要するに、徂徠サンの「あまりに日本風でブロークンな中国語」は
本物の中国人にはまったく通じなかった、ということになります。
さすがの大学者も、幾分高いその「鼻をへし折られた」カタチに
なったわけです。

「読めて書けるけど・・・話せない」
まるで、少し前の日本において行われていた学校の英語教育
そのままの「トホホ」な光景です。

つまり、、徂徠サンの「中国語」は、「What time is it now?」を、
ブロークンな日本語?で「ホワット タイム イズ イット ナウ」
発音する学校英語と同じものだったのかもしれません。

片や、現地習得発音?で「掘ったイモいじるな」と話したジョン
万次郎の方はちゃんと通じたそうですから不思議なものです。

ということで、この徂徠サンのエピソードは「外国語」は「話す」を
含めてマスターする必要があることを示唆しているようにも
思えましたので、ここに「歴史の教訓」として取り上げた次第です。

ちなみに、ワタシも「二ケ国語マスター」という点では抜かりなく、
日常会話には母国語の「尾張弁」を、それとは別にもうひとつ
「日本語」を、TPOに合わせて上手く使い分けています。
やはり、複数の言語を駆使できることはなにかと便利だでぇ。






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