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zoom RSS 日本史の「アレンジ」05 倶利伽羅峠のからくり

<<   作成日時 : 2013/06/25 00:01   >>

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木曽義仲VS平維盛の「倶利伽羅峠(くりからとうげ)の戦い」
(1183年)には、義仲軍が角に松明をくくりつけた数百頭の
「牛」を敵に向けて放ち、その結果、大勝利したというお話が
伝わっています。

大変にユニークな作戦ですが、これが史実かどうかは、
また別問題で、現に疑問視する向きも少なくないようです。
そりゃあそうでしょう、「角に松明」ということは当の牛にすれば、
〜少し上目使いをすれば「炎」が見える〜ことですものね。

それはすなわち〜自分の頭が燃えている〜ようなもので、
たまには、頭のテッペンに火の粉も降りかかるでしょうから、
まあ、かなりおっとりした性格の牛でもパニックに陥って
暴れまくるだけのところでしょう。

運が悪ければ、それを仕掛けた義仲軍側に「暴れ牛」の
犠牲者が出るところで、少なくともお話のようにすんなりと
「敵に向かって直進」したとは考えにくい気がします。

さて、この「オモシロ話」は「源平盛衰記」で紹介されているとの
ことですが、さらにその元ネタは中国の故事「火牛の計」に
求められるそうです。


画像
















 火牛像 (道の駅 倶利伽羅 源平の里) 石川県河北郡津幡町
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もっとも、元ネタの方はもう少し合理的?に、
〜「角」には剣を、そして「松明」は尾にくくりつける〜とされ、
つまり、牛の視野に「松明の炎」が入らないように、そして
頭に火の粉が降りかからないように配慮されているようです。

で、これでどうするかといえば、〜突進する牛の「角の剣」が
敵兵を次々に刺し殺し、「尾の炎」が敵陣に燃え移って大火災を
起こす〜
という段取りになっているそうですから、これでも、まだ
オモシロすぎる印象は残ります。

しかし一応、〜この方法であれば理屈に合っている〜とされて
います。
つまり、いわゆる「尻に火がついた」牛は、たまらず前方へ
「モー進」するハズだ・・・という解釈のようです。

牛とはあまり深い付き合いもなく、また牛の「尻に火をつけた」
経験もないワタシですから、軽々なことは言えませんが、
それでも充分な納得ができていないのが正直なところです。

それはともかくとして、では、「倶利伽羅峠の戦い」の顛末は
どうなったのかといえば、義仲軍の数倍の戦力であったにも
かかわらず、維盛軍は追い詰められ、その将兵たちは峠の
断崖から次々に転落し、事実上の壊滅状態になったとされて
いるのです。

それなら、「牛の角に松明」なんて唐突感のあるお話を
持ち出しさずに、あるがままに〜戦力不利の中、義仲軍は
正々堂々と戦って完全勝利をおさめた〜
とした方が断然
カッコイイと思えるのですが、そういうこともしていません。

また、もし、義仲軍が「智略」にも富んでいたことを強調したい
のであれば、なにも「牛」にこだわる必要もなかったはずです。
それでは、なぜ、「牛の角に松明」を持ち出したのでしょうか?
その理由は、多分こんなところにあるのでは?・・・

元ネタ「火牛の計」のお話を知って大変に気に入った人物が、
どこかでこれを披露したいと思っていたところへ、絶好のチャンス
が訪れました。
「源平盛衰記」の執筆?がそれです。

しかし、「まんま」で盗作?するのは、さすがに気が引ける。
それで、改編すなわち「アレンジ」することを思いついたわけです。
原典が「角に剣、尾に松明」なら、よし、自分はその逆の
パターンでお話を進めてみようというところです。

そして、「牛の角に松明」という、結構破天荒なエピソードが
出来上がったということなのでは?・・・
しかし、安易な「アレンジ」の割には、意外な好評を得て、結局、
現在までそれが語り継がれることになりました。

その「好評」ぶりの証拠が、そのお話にあった通りの「角に松明」
「火牛像」が、現在もこの倶利伽羅の地に残されているという
事実でしょう。

そればかりか、地元の「源平火牛まつり」では、最近になって
メインイベントとして「火牛の計レース」も行われているようです。

小耳に挟んだところでは、この場合、登場するのは
「本物の生きた牛」ではなく「藁製の牛」だそうですから、やっぱり
内心では〜牛がパニックに陥って暴れまくる〜ことを心配して
いるのかもしれません。

地元の皆さんにはさらなる発奮をしていただき、どうせなら、
「本物の生きた牛」で試してもらいたい気がします。
ただ、もちろん、その時のワタシはレース現場に近づかないよう
にするつもりですが・・・





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