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zoom RSS 日本史の「言葉」10 越すに越されぬ大井川

<<   作成日時 : 2013/04/25 00:00   >>

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〜箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川〜
橋が架けられていないために、道中屈指の難所になっている
ことを示した言葉ですが、それならなぜ橋を掛けて便利に
しなかったのでしょうか? 

〜戦略上の意図から幕府がそれを許可しなかった〜
一般的にはこう説明されていますが、しかし、これは明らかに
屁理屈というものでしょう。
なぜなら、川人足が歩いて渡れる程度の難所?なら、当然、
兵員もそれほどの苦労なく渡れるに決まっているからです。

そうすると、本当の理由は他にありそうです。
○技術的に架橋が難しかった?
  ところが、幕末戦乱の際の戦闘部隊は割合簡単に橋を
  掛けて部隊・物資の往来を確保しています。

○費用がかかりすぎて財政負担が大きいから?
  もしそうなら、お得意の「天下普請」方式を採用し、幕府の
  フトコロを傷めない方法もありそうです。
  しかし、そうはしていません。

○幕府はここを産業の拠点と考えていた?
  つまり、「人足」が働ける場を設け雇用を拡大し、しかも、
  川が増水すれば足止めされた旅人も、その期間は否応なく
  逗留を続けることになるので、結果として「宿場町」に金が
  落ち、経済効果の恩恵を受ける・・・ことになる。

しかし、これも幕府が「外様大名潰し」に躍起になっている時期
でもあり、はたして民間の雇用・経済活動にそこまでの関心・
配慮があったものか、多少疑わしい気がします。
では、他にどんな理由が考えられるというのでしょうか?

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簡単にいうなら、現代とまったく同じ構図です。
要するに「民間」の行動は常に「政府」の対策より先行するという
極めて当たり前な現実があったに過ぎないのでは?

つまり、こういうことです。
どうもかなり早い段階で、大井川を挟んだ島田(東)と金屋(西)
の双方の人足が協力して同業者組合?もどきの組織を作った
ようなのです。

その上で幕府に対してロビー活動?をしたものか、とにかく
「川越し業務」は組合?が独占する旨を認めさせているのです
から、平たく言えば、幕府は組合に押し切られた?もしくは
そこまでの関心を持っていなかったということなのでしょう。

この不便に対して、当然のごとく民の側からも「橋を掛けてよ!
せめて渡し船を!」との声が上がりましたが、それに対して
同業組合?側も負けじと反論します。

〜渡し船が上手く運営できるという保証はありゃ〜せんゾ!〜
〜人足による川越しが定着しているのに、いまさら船では
  かえって混乱を招くだけだゼ!〜

〜人足が失業したら、どうやって補償してくれるのダ!〜
〜権現様(家康)の時から大井川は人足で渡るのが正しいと
  されているゾ!〜

で、幕府はといえば、この問題を積極的に取り上げることもなく、
典型的な「事なかれ主義」をもって「現状維持」に逃げ込んだ
わけです。

しかし、これでは幕府としてもさすがにカッコウがつきませんから、
多分、頭の良い幕臣が面目の立つ理由を探したのでしょう。

〜大井川は首都防衛線であるから敢えて橋は架けないのダ!〜
そう、ただ漫然と「先送り」したにすぎないことでも、「これには
カクカクシカジカの非常に重要な理由があったし、第一決して
現状を改悪してはいないぞよ!」
と強弁するわけです。

この顛末は、何かしら現代の政治姿勢に笑えるほど瓜二つで、
江戸官僚のDNAは間違いなく平成官僚にも引き継がれている
ことを確信したくなります。

一旦定着した「既得権益」にメスを入れるなんてことは、昔も今も
一朝一夕で片付けられるものではないようで、ちなみに、
この大井川の渡船架橋が許可されたのは、世も明治に移った
1870年(明治3年)のことと聞いています。

この「大井川の橋」もそうなら、「赤字国債」もその通りで、
その意味では、日本人は昔からこの「先送り」が大好きな民族
といえるのかもしれませんネ。

同様に、毎日のように「明日からはきっとウォーキングを!」との
決心を繰り返すワタシなんぞは、間違いなく先人のDNAを
引き継いでいる典型的な日本民族の一人ということになります。
あっちゃ〜あ!




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日本史の「言葉」18 ”不徳の致すところ”物語
孔子さんの「儒教」には、徳治主義ともいうべき独特の政治理念・ 思想が持ち込まれています。 簡単に言うなら、統治者が「有徳者」である世の中は上手く運ぶ けれど「不徳」の統治者の場合はそうはならないという考え方で、 この理念?の迫力は施策の可否だけでなく、疫病・飢饉・天変 地異などの自然現象までをも施政者の「徳の有無」に求めた ことです。  つまり、〜上に立つアイツが不徳だから、こんな災いを招いて しまったのだ〜という因果で語られるわけです。 ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
うむむ、ココは(祖父方の先祖は川越人足=雲助だったかもしれず、祖母方の先祖は島田宿で旅籠を営んでいた)島田市で生まれ育った私としては黙っておられませぬ、住兵衛どの(笑)
架橋や渡船が技術的に難しかったのは事実だと思います。大井川は他所の大河川と比べても、下流域の傾斜が急で、水量が極めて不安定…大雨となれば(今でも蓬莱橋の橋脚がしばしば流される通り、一時的に架橋しても)持続的なインフラは丸潰れ、水量が減れば舟も浮かべられないほど、という川ですから。
とはいえ、松村博氏の『大井川に橋がなかった理由』がいう通り、「江戸幕府防衛説」なんて話は信じられませんネ。
で、人足組合に押された「幕府はといえば、この問題を積極的に取り上げることもなく」だったのか?ですが、川会所は幕府直轄…つまり当時の宿駅伝馬制度を維持する費用のオイシイ収入源でもあったハズでして…「事なかれ主義」というよりも、幕府側にも「既得権益」があったので、官民グルになって超すに越されぬ「現状維持」を続けたのだと考えられます。むしろ、この方がいっそう「現代の政治姿勢に笑えるほど瓜二つ」だと思いませんか?(笑)
…あ、先祖が聞いたら怒りそうな話をしてしまった!(笑)
帰山人
2013/04/25 16:48
>帰山人さん
ご先祖様に睨まれるリスクもかえりみず、果敢な姿勢で貴重なご意見をありがとうございます。

「幕府にとってもオイシイ収入源だった」とは、正直思いつきもしませんでした。

そうか、「暴れ川」ということを理由にして、なるほど、
幕府もなかなかやるものですね。

う〜ん、官民べったりの「癒着」(河村市長の言う”ずぶずぶ”)体質はこの頃にもあったわけですねえ、妙に納得してしまいました。

それにしても、帰山人さんのハンパでない読書量は、
まさに超人的なものがあって、思わず脱毛!・・・
違った、脱帽!です。

今後もまた複眼的な見方を教えてください。

住兵衛
2013/04/25 18:11

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