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zoom RSS 日本史の「陰謀」07 なぜ”征夷大(たい)将軍”?

<<   作成日時 : 2013/04/05 00:15   >>

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「征夷大将軍」の大を(だい)ではなく、なぜ敢えて(たい)と
読むのでしょうか?
征夷(野蛮人をやっつける)がその本来の職務であるならば、
響きも強い(だい)の方が断然ふさわしい気がするのですが?・・・

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清水寺縁起  〜田村麻呂は蝦夷へ〜

朝廷社会で使う言葉、大納言・大臣・大嘗祭・大得など、
これらはすべて(大=だい)と発音します。
/だいなごん/だいじん/だいじょうさい/だいとく/です。

ところが、この「征夷大将軍」の場合の「大」に限っては、
なぜか(たい)と発音し、/せいいたいしょうぐん/なのです。
この妙チクリンで微妙な違いはいったいなんなんでしょう?
多分、この程度の密談はあったものと想像されます。

公家 「コトもあろうに、蛮族・武士がこの肩書きを欲しいと
    申しておりますが・・・」
朝廷 「フン!欲しいというならくれてやればよいではないか」

公家 「されど、この由緒ある肩書きを武士に使わせるなどは
    かつてのヒーロー・坂上田村麻呂サンの顔に泥を塗る
    ことになりゃあせんでしょうか?」
朝廷 「それなら、泥を塗らない方法でいけばよいだろう!」
公家 「と、申されますと、なんぞ名案でも?」

朝廷 「ええか!渡すのはあくまでもニセ物の”大(たい)将軍”
    の方にしておいて、本物の”大(だい)将軍”の方はだ、
    ええか、タンスの奥にキッチリ隠しておくという作戦だ!
    こうすれば、田村麻呂サンの肩書きにも傷はつくまいて」
公家 「なるほどネ!アナタ様も相当にワルですねえ・・・」

一方では、武士達も額を寄せ合っていました。
家臣 「朝廷側はセコいペテンを弄しておるようですが・・・」

主君 「構わん、やらせておけ!要は実質的な権限を獲得する
    ことが重要なのであって、名称なんぞは(だい)だろうが
    (たい)だろうが、(おサルのカゴや)だろうがいっこうに
    構わんではないか。騙されたフリをしておけば
    朝廷のお歴々もそれで満足するだろうに・・・」

つまり、こういうことです。
言霊信者である朝廷貴族は、与えたのはあくまでも(たい)の方
であるから、「そんなものは真っ赤な偽物に過ぎない」として
大いに満足し、一方、現実主義者の武士はそんなことは
百も承知の上で、名より実を取ることで大いに満足した・・・

しかし、こんな底の浅い子供騙しみたいなことを本当に朝廷が
行ったものでしょうか?
やりかねない・・・というのは、実は朝廷には「似たようなこと」を
再々繰り返している事実があるからです。

称徳女帝(718−770年)は、和気清麻呂(わけのきよまろ)を
罰するにあたって、「別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)」に、
その姉の「広虫(ひろむし)」も同様に「狭虫(さむし)」(注)
改名させているのです。 (注)異説もあるようです。

もう少し例をあげるなら、クビになった天皇つまり天皇落第生を
表す「廃帝」もその通りの流れになっています。
当たり前に(はいてい)と言えばいいところを、意地悪く
わざわざ(はいたい)と発音することで、その「ダメっぷり」を
強調しているわけです。

身内に対してこれだけの差別意識を持てる人種?なのですから、
虫ケラ同然の武士に対してはさらに一回り激しい人種差別?の
炎を燃やしていたとしてもなんら不思議ではありません。

プライドの塊である朝廷としては、栄えある「征夷大(だい)将軍」
の肩書きは、逆立ちしてでも武士に渡したくない。

一方、武士は、要求したのは肩書きではなく権限ですから、
そこで両者が折り合う(騙したつもり・騙されたふり)という、
微妙なバランスの上に立って、かくして「征夷大(たい)将軍」と
いう少々風変わり?な名称が誕生したのでは・・・?

でも、(だい)を(たい)に変えた?くらいで小躍りして喜んでいた
朝廷の姿を笑うことはできません。
なぜなら、現代人だって同じコトをやっているからです。

早い話が、「スリム」とか「メタボ」というのはカッコウをつけた
ニセ物の表現に過ぎず、「ガリガリ」とか「デブ」っていうのが、
由緒正しい本物の言い方なんでしょ・・・ ズキッ!





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日本史の「陰謀」16 事件は”長袴”から始まった!
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