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zoom RSS 日本史の「女性」05宮廷の不都合な真実

<<   作成日時 : 2012/06/10 12:00   >>

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昔は「ゴホン!といえば龍角散」でしたが、世間の常識もスッカリ
変わって、今や「美人!」と言えば→「セクハラ!」の時代です。
窮屈・・・確かにその通りですが、ここで取り上げるのは、昔も
昔のお話ですので、こっそり「時効扱い」ということで・・・

画像   出展:wikipedia
 その「美人」とは、いわゆる
 「平安美人」を指します。
 さて、この方々が果たして現代
 人の感覚でも「美人」の範疇に
 入るものなのかどうかを考察し
 てみたワケです。
 結論から言えば、かなり難しい
 のでは?・・・という印象です。

もし、あなたが「平安美人」について、〜雅で、華麗で、しとやか〜
というイメージをお持ちなら、それは間違いなく間違いです。
映画やテレビドラマで見る「平安美人」の姿は「虚像」に過ぎず、
ぶっちゃけ「でっち上げ」と言ってもいいくらいのモノなのです。

素直に納得できない方も少なくないでしょうから、少し説明を加え
ますが、まず「化粧」がハンパでなく凄い!
いま、うっかり「化粧」と言ってしまいましたが、より的確な言葉を
探すなら、むしろ「変装」の方が当てはまる感じです。
※念押しですが、これは現代を基準にした物言いですヨ。

基本は「白粉(おしろい)」をベッタリ塗ることなのですが、それには
拠所ない事情があります。 平安貴族は夜の宴会を生活の中心と
していたために、必然的に仄暗い室内で過ごす時間が長くなり
ます。 (当時はだまだ蛍光灯やLED電球はない!)

そのウスラボンヤリした空間で、そこに存在していることを認知
して貰うためには「白さ」を際立たせて目印を設けておく必要が
ありました。 
現代風に言えば「ここに私がいる」ことを他人が目視確認できる
ように、顔に「蛍光塗料」を施したと理解してもいいのかも。

顔全体に「ベッタリ塗る」、まあ左官が壁を塗るようなレベルです
からウッカリ笑おうものなら「白粉」はヒビ割れ、崩れ、さらには
「表層雪崩」を起こす危険だってあります。 う〜ん、かなり悲惨!

それを未然に防ごうとすれば、「笑わない・表情を崩さない」ことが
最大・最善の防衛策ということになるワケです。
ですから、かなり「無表情」だった、というよりそうしなければ無事
には済まない、という壮絶な環境にありました。

手に持つ扇、あれはレディとしてのエレガントさを演出するための
ものではなく、うっかり「可笑しなモノ (たとえばワタシの顔など) 」を
見てしまわないように視線を塞ぐためのツールだった、という
説明もあるくらいのモノです。 
「ニラメッコ」と同じでうっかり笑おうものなら、もう「負け」なのです。

その上、その真っ白けの顔面に「黒い歯(鉄漿)」を施していたの
ですから、二十世紀画家・ピカソの「シュール」度なんて足元にも
及ばないくらいの、現代人の想像力を遥かに超えた斬新な
美意識を持っていたものと推察されます。

さらに言えるのは、この当時はまだ「入浴」の習慣がなく、身体
だってけっこう臭かったのかも知れません。
ず〜っと風呂へ入らないわけですから、少なくとも清潔であるとは
言えないことは確かで、その匂いは少々の「香」を焚いた位では
チョックラチョイと消えるものではなかったことも想像されます。

だんだんエスカレートしてしまいますが、その身体を「十二単」が
覆っていたのです。 この「十二単」がまたクセ者で、実際には
あれやこれやで「二十六枚重ね」になるそうで、その厚みたるや
15センチほどに達したと言いますから、これはもう「衣装」という
よりは引越し荷物の「梱包」といい勝負です。

もっと追い討ちをかけるなら、貴族は「偏食王」と言ってもいいほど
の食生活を送っていて基本的に虚弱な体質だったそうですから、
この衣装とこの体力を考え合わせると、隣の部屋へ移動するだけ
でも「動悸・息切れ・めまい・吐き気」を感じていたことだって想像
されます。

塗り壁化粧・顔面雪崩・無表情・不潔・梱包状態・虚弱体質・・・
一体全体これらのどこを押したら、「平安美人」と呼べるような
ロマンチックなイメージが涌いてくるのか、ワタシにはミステリー
です。※くどいようですが、これは個人的な「感想」あり、平安時代の
      女性達を不当に貶める意味合いのものではありません。


この生活に比べたら、現代女性は画期的な自由度を獲得している
ことになります。

自然なお化粧ですから顔面雪崩の心配もなく、可笑しいモノを
見ても遠慮なく「ガハハハ・・・」と笑えるし、毎日お風呂にも入って
清潔ですし、そして動作を妨げない程度の薄着もでき、なによりも
栄養充分で頑強な体力にも恵まれているからです。

肝っ玉の小さいワタシなぞは、ウスラボンヤリの室内にボワ〜ンと
真っ白けの顔が浮かび上がったとしたら、もうそれだけでスッカリ
腰を抜かしていたかもしれないのです。

その恐怖を想像したとき、現代に生まれたことの幸せをシミジミ
噛みしめる今日この頃のワタシです。


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