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zoom RSS 日本史の「世界標準」02識字のお膳立て

<<   作成日時 : 2012/05/05 08:00   >>

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子供 「アタイ、『たかさごや〜』っての、もう覚えちゃった!」
大家 「聞こえていたか。祝言に向けてしばしの特訓じゃった」
子供 「たかさごや〜、このうらぶねに〜、ほをあげて〜・・・」
大家 「真似をしなくてもよい。それより、それを忘れないように
    ちゃんと字で書いておいたらどうだい」

 画像
 江戸の長屋の光景です。
 大家さんからアドバイスを貰った子供は
 思う。 そうか、字に書いておけば確かに
 忘れないなあ。 でも、子供もヘソ曲がり
 だから素直にはうなずかない。

 出展:studio Robin

子供 「アタイ、『いろは』は書けるけどサ、大家さんの
    たかさごや〜はヘタッピだから字に書けないサ」
大家 「へらず口を叩いていないで、ちゃんと書いておくんだゾ」
子供 「アイ、ア〜イ!」

「識字率」とは、文字が読み書きできる国民(15歳以上)の割合を
指し、100%の国もあれば25%以下の国もあるようです。
そこで、クイズをひとつ。

発展途上国の識字率向上に努めている国際機関がありますが、
計画通りの成果が上がっていません。
さて、その最大の「阻害要因」なっているのはなんでしょうか?

意外なことに予算やスッタフ数などの技術的なことではく、その
答えは、そもそも対象者自身に「文字を知りたい・覚えたい」
という欲求がないということだそうです。

A国民 「文字を覚えてなんになるの? なにか得する?」
スタッフ 「手紙や日記も書けるし、署名だってできるゾ」
A国民 「でも、そんなことなしでも今日まで生活してきてるワ」
スタッフ 「う〜む・・・? それはともかく、さあ字を覚えよう!」

確かに、その国の社会環境によっては、文字を知らなくても日常
生活が営めてしまう「現実」があるために、文字を書けるように
なることで自分の世界がもっと広がる、ということを想像できない
ようなのです。

世界でも識字率トップ級の日本人からすると、いささか肩透かし
の答えですが、これも「日本の常識は世界の非常識」の一例
なのかも知れません。
確かに、日本の識字率は世界各国と比べても、昔から「高水準
にあった」というお話はよく耳にします。

18世紀の各都市の識字率を比較すると、パリでは10%未満、
ロンドンが20%程度、それに対し、江戸の場合は70%以上と
言われています。

もっとも、このデータが確かに正しいものかどうかについては
もう少し吟味が必要かもしれませんが、それにしても、
「字を知っている江戸の庶民」は決して珍しい存在ではなかった、
とは言えそうです。

明治維新の状況を見ても、19世紀当時、産業や科学の面では
イギリスやフランスに遅れを取っていた日本ですが、なぜかこの
「識字率」の面では完全に逆転をしています。

そうすると、逆にこんな「疑問」が浮かびます。
では、庶民を含めた「昔の日本人」は、どうして読み書きに関心を
持つことができ、またそのメリットに気がついたのでしょうか? 

おそらく、それこそ「知的好奇心」の類だったのでは?
つまり、こう言いたいワケです。
その「知的好奇心」を刺激するだけの下地を、そのまた先人達が
すでに作ってくれていたのでは?

琵琶法師による「平家物語」や太平記読み(僧)による「太平記」、
あるいは能楽の「謡」もそうでしょうが、昔の日本人は、けっこう
難しい言葉を、耳から先に習得していた歴史があります。
長屋での祝言で、仲人役の大家が「高砂」を披露する姿なども
その一端なのかもしれません。

さて、耳で覚えたその「言葉」が先にあるのですから、それを
「文字」に直す作業はさほどの苦痛も伴わず、むしろ楽しいこと
だったようにも思えます。

多分、冒頭の「子供と大家さん」の会話のような場面もあちら
こちらで見られたのではないでしょうか?

人間には「知的好奇心」があるので、あとは大家さんのように、
ちょいとそこを刺激してやれば前へ進むことができます。
その意味では、昔の日本は「高い識字率」を構築するだけの
環境(準備)がいつも整っていた社会だった、とも言えそうです。

問題は、A国民のように「文字の便利さ」が理解できないケース
です。 多分、「識字率」が低い国では、先の国際機関のように、
この点を理解させることに多くのエネルギーを費やし、悪戦苦闘
しているものと想像されます。 

ただ、ひょっとしたら、「字を知ることは便利で幸せなこと」とする
のは、「識字率が高い」と威張っている国の思い上がり?なの
かも知れませんゾ。
というのは、「国民総幸福量」で圧倒的に高い数字を誇るブータン
の識字率は、どうも50%程度らしいのです。

そうすると、必ずしも「識字=幸福」ということでもない?
音譜は読めないくせに、けっこうハッピーな気分で音楽を楽しんで
いるワタシなぞには、このブータン国民の微妙な心情が素直に
理解できてしまうのです。

つまり、ごくごく普通の人間が音符が読めなくても音楽を楽しめる
ものなら、読み書きなんぞができなくても人生をエンジョイできる、
という「スジの通った理屈」にもなります。

そこで、日々「識字向上」に努力をされている国際機関の皆様に、
声を大にして言いたい! 
私の理屈は、音符の読めない人間の単なるヒガミであって、
他意はありませんので、どうかお腹立ちのなきよう。 

〜日本史の「世界標準」01神様のご意志


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