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zoom RSS 日本史の「女性」04歌舞伎女優の落胆

<<   作成日時 : 2012/04/20 09:01   >>

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男装した女性役者が大変な人気を集めたというのですから、
まあ、現在の「宝塚歌劇」みたいな舞台だったのかもしれません。
これが「歌舞伎」の始まりとされ、「出雲阿国(いずものおくに)」が、
その創始者と言われています。

1600年前後に舞台活動をしていたことは確認できるようですが、
この「阿国」について詳しいことは分かっていません。
ただ、その後には、遊女らによる亜流の芝居も流行ったとされて
いることからしても、「阿国」の影響力がけっこう大きかったことは
事実のようです。

しかしながら、この亜流女姓たちの中にはセクシーさ「売り」にする
者もあったことから、案の定、幕府が口をはさんできました。
「そんなのホントに、決して、断じてよろしくはないゾ!」
事実、舞台外での「延長戦」もそれほど珍しいことではなかった
ようで、つまりは女優と遊女の明確な境界はなかった、ということ
だったのかもしれません。

 出展:wikipedia出雲阿国
画像 それだけではなく、舞台という公開場所に
 女性が立つこと自体がケシカラン!
 儒教的思想の幕府はこんな理屈をもって
 女性歌舞伎を禁止してしまったのですが、
 では、それでうまく解決できかと言えば、 
 どうもそのようには運ばなかったようです。

庶民は結構したたかですゾ。 な〜に、女性が禁止なら男の児が
いるわさ! こちらは女姓ではなく、正真正銘間違いなく「男」だ。 
見てみろ、確かにチンチンが付いているゾ、なら文句あるめぇ!
ところが、幕府はこれも「禁止」しました。 なぜか?

その理由も、やはり「風紀紊乱」です。 なんで、そうなるの?
今度は役者である少年をターゲットにした衆道(男色)です。
もっとも、この「道」はその直前の時代まで、そう「悪いこと?」
ではなかったハズなのですが・・・。

織田信長も、別段そのことを隠そうとはしなかったし、「相手」の
前田利家なぞは、むしろ自慢気に話しているくらいのモノです。
まあ、この「道」の常識・モラルなぞは、時代とともに変わって
いくモノなのかもしれません。

女性もダメ、少年もダメ、だったら、どうすりゃいいの?
そこで登場するのが、役者全員がオトナの男である、いわゆる
「野郎歌舞伎」です。 (この表現、もう少しなんとかならなかったの?)

だから、現代の歌舞伎も、基本的にはこのスタイルを引き継いで
いることになります。 現代の日本人には単に「歌舞伎」と言えば、
もともと男性役者が演じるモノだと思っている人も少なくないよう
ですが、本来の姿からすれば、幾分「いびつ」なままで現代に
至ったとも言えなくはありません。

なぜなら、女性である出雲阿国が創始者とされている点からすれ
ば、「野郎歌舞伎」はその正反対に位置していることで、せっかく
「阿国」さんが創り出した芸風「女優歌舞伎」は、ここで途絶えて
まったく斬新な?「男優歌舞伎」に生まれ変わったことになるから
です。

ただ、芸能に詳しくない人間の素朴な疑問として、ひとつ。
明治維新の折には、政治体制を始め、かなり広範囲な分野に
渡って「見直し」を行っていますが、なぜその時に「野郎歌舞伎」の
あり方までチェックしなかったのでしょう?

長年に渡り「野郎歌舞伎」が続いたことで、すぐ舞台に立てる
「女優」がいなかった、と言うのは確かにもっともらしい理由です。

しかし、よく考えてみると、芸として日頃から踊りにも唄にも磨きを
かけていた女性達、すなわち「芸者」さんが数多くいたわけです
から、その気があれば、かなり短期間で「阿国」の世界を復活
させられたようにも思えるのです。

少なくとも、本格女優が育つまでのツナギとして磨かれた芸を持つ
「芸者」さんを舞台に立たせる方法もあったハズです。
でも、歴史はそうさせなかった。
閉ざされた空間である「お座敷」ならともかく、オープンな「舞台」に
女性が立つ、なんぞはまっことよろしくないゾ!

「文明開化」の明治にも、まだまだこんな根強い儒教感覚が残って
いたことも考えられますが、意地悪く考えれば、「阿国」の時代から
既に二百数十年も経過していたことで「歌舞伎も元々の姿」をもう
すっかり忘れちゃっていたのかもしれません。

社会全般に渡り欧米を見習うことに専念した、この明治維新の
「ワンチャンス」を活かせなかったことが「阿国歌舞伎」の不幸?
でした。 言い換えれば、「阿国歌舞伎」は「野郎歌舞伎」に駆逐
されて
しまったワケです。 創業者?「阿国」さんもさぞや落胆して
いることでしょう。 私もキッチリ落胆しています。

原点に返れ!と叫んだところで、女性役を演じる男性役者「女形
(おんながた・おやま)」が人間国宝に指定されるほどに評価
される今となっては、もはや無駄な抵抗なのかも知れません。

ちなみに、舞台に「女優」が立つスタイルの登場は、旧派に対する
「新派」として、明治20年代まで待たねばなりませんでした。

進取の精神に富み、イケイケドンドンだった「明治人」にも、
いくつかの見落とし・失敗があったことは事実です。
○東日本・西日本の電力周波数(Hz・ヘルツ)の不統一 
○地上露出の電柱設置 ○鉄道線路の狭軌、などがよく指摘され
るところですが、個人的には「女優のいない歌舞伎」も加えておき
たかった、と思う次第です。 (歌舞伎ファンの皆様、スマン!)

なぜなら、「男優限定の舞台」というものは、諸外国ではまったく
見られないそうで、それなら明治人が目指したハズの「グローバル
スタンダード」からは大きく外れていることになってしまうからです。

さて、それはともかく、維新のワンチャンスを逃してしまった
「阿国さんの落胆」から学ぼうとすれば、「明治人の失敗」の
ひとつ、「電力周波数の不統一」を取り返す「ワンチャンス」は、
昨年3・11の東日本大震災で、その不都合がクローズアップされた
「今この時」だけなのかもしれませんゾ・・・オノオノガタ!

〜日本史の「女性」03呪詛と空前自害〜
〜日本史の「女性」02お江の将軍構想〜
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